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平成30年度公立入試(全日制)の検証

2018年6月号ダウンロード

夏を乗り切れ、調査書対策と、学力向上がカギに
前期1.76倍、後期1.45倍と前年並みに高倍率に

千葉県公立高校の30年度入試は、大きな変更はなかった。
しかし、専門学科・総合学科の多くが前期募集の定員割合を100%としているため、前期募集には、公立希望者のほぼ全員が出願する状況が続いている。
前期の実質倍率は、1.76倍とやや下降し、後期は1.45倍となった。
千葉県では、現在の中学1年生が受験する平成33年度入試から、全体を1本化にする方向で検討が進んでいる。

公立希望者のほぼ全員が前期募集に出願
30年度入試に臨む中学校卒業予定者は、約5万4890人、前年より約300人減少した。
公立高校の全日制募集定員は、これに合わせ7クラス減の3万3640人となった。大網・農業で学科再編、他に柏井、柏の葉など9校で1クラス減、船橋芝山など3校で1クラス増を実施したため、13校に募集定員の変化があった。
前期の募集人員を普通科定員の30‐60%、専門学科・総合学科を50‐100%とする前期募集の定員割合が継続された。
専門学科・総合学科高校53校(普通科併置を含む)中、38校75学科が前期募集人員を100%としていた(くくり募集を含む)。在籍の減少により前期募集人員は、224人減少し、受験生は761人減少していた。
前期選抜の募集予定人員は、2万2482人。これに対して受験生は、3万8862人、合格内定は2万2051人で、1.76倍と前年より0.1倍低くなった。前期の不合格者は、1万6811人で、前年より466人減少した。
また、後期選抜の志願確定者は1万6281人、前期不合格者の100.3%となっており、ほぼ全員が、前期から受験していたと考えられる。
後期選抜の受験者は1万6256人、合格者は1万1181人で前年と同じ、1.45倍となっていた。
受験生に2回の受験機会はあるが、選抜の割合は、大きく前期に偏っているということだ。

高倍率は続く。前期・後期とも受けきる覚悟で
前期選抜で普通科の実質倍率が高かった学校は、県立船橋の3.50倍を筆頭に、千葉東3.25倍、東葛飾3.07倍、県立千葉3.00倍、鎌ケ谷2.91倍、成田国際2.83倍、柏の葉2.83倍などだった。 全体では、1.76倍だったとはいえ、人気校では、2.5倍を超える厳しい入試となっていた。

現在の中学1年生から入試は1回に
前期選抜・後期選抜の入試制度は、2回の受験機会があるが、専門学科・総合学科受験生の多くは、志望校への受験機会は1回になる。
また、2回の受験機会でも募集定員が増える訳ではないため、前期選抜の倍率は高騰する。
また、後期の定員が少ない分、後期受験のプレッシャーは大きい。
千葉県では、受験の期間の短縮も含め、これらの課題を解決するために、現在の中学1年生が受験する3年後から入試を1回とする改善の方針を固めた。

公立志向だが、私学も見直されている
公立志向は依然として根強いが、30年度では、私立第一希望者の増加などの変化があった。私立の生徒に対しての国と県からの授業料の助成は充実してきている。
また、今春の卒業生から高校卒業時に、大学入試改革が実施される。
29年春の県内高校生の大学等進学率では、公立・全日制の卒業生50.0%に対して、私立・同69.4%となっていた。
全体では、現役進学率は、56.3%になる。さらに、いわゆる浪人を加えれば、6割を超える。
このため、大学付属を含め私立高校への期待が大きくなっていることで、大学附属を中心に志願動向の変化が感じられた。
しかし、公立高校でも、冷房設備の設置、補習・補講の充実、アクティブラーニングの実践・研究、授業時間の確保など大学入試改革に対応するための努力を続けている。
学校ごとの取り組みをいろいろな機会を通じて知ることが益々重要になっているのだ。

31年度入試の募集人員はやや減少か
来春の千葉県内の国・公・私立中学校の卒業予定者は、5万3661人で、今春より1100人余り減少する。(29年度学校基本調査より)
これに合わせ、公立全日制の募集定員は15学級程度の減少になると見られる。ただし、臨時定員増、減あわせると20校を超える定員変化が予想される。募集定員は、例年8月に発表される。

学力検査の平均点は、隔年で上下降、来年は?
30年度の前期選抜での各教科の平均点は、次のように発表されている。
(カッコ内は29年度)
▷国語63.2(60.8)
▷社会52.9(53.8)
▷数学58.5(51.4)
▷理科60.0(56.4)
▷英語59.7(53.7)
5教科合計の平均点は、前年より約18点高い294・3点になった。

また、後期選抜では、
▷国語55.7(67.2)
▷社会56.0(61.6)
▷数学62.0(58.8)
▷理科67.5(61.6)
▷英語49.7(57.7)
全体では、290.9点と前年より16.0点下がった。

前期の合格者は、後期の学力検査を受けていないこと等を考えると、単純に平均点の高低で入試の難度を測ることは避けたほうがよさそうだ。
入試問題は、中学校での3年間の学習内容から万遍なく出題される。
過去の入試問題を見ておくことで、1・2年生の復習に取り掛かる準備ができるはずだ。
しっかりと日々の授業に臨み、計画を立てて学力の向上と、調査書対策を心がける時期に差し掛かっている。