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必見!神奈川公立入試問題(共通選抜)その傾向と対策は?

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◆全体傾向 平均点上昇は英語のみ、社会は大幅ダウン
これからの勉強を計画的・効率的に行っていくためには、
入試問題の特徴をもう一度確認しておく必要がある。
そこで今回は、前年度(30年度)の公立入試問題(共通選抜)
をふり返りながら、傾向と対策を考えてみることにしよう。
まず、全体の問題構成を見てみよう。

国語 大問5 小問30
数学 大問7 小問23
英語 大問8 小問27
社会 大問6 小問36
理科 大問8 小問28

小問数は数え方により若干のずれがあると思われる。
大問ごとの出題内容(分野)については31年度入試においても変化はないであろう。
次に平均点を見てみよう。カッコ内は前年との比較である。

国語65・6(-7・5)
数学56・0(-7・5)
英語56・1(+4・2)
社会41・8(-12・7)
理科45・3(-1・6)

平均点が上がったのは英語だけで、他の4教科は前年より下がっている。
特に社会の落ち込みが激しく、前年から約13点下がっている。
小問数の増加も影響しているかもしれない。
理科や社会の平均点が50点に達しないのは、
受験生の対策の遅れにも原因があるようだ。
後から追い上げられると考える人が多いようだが、
現実は必ずしもそうなっていないことを知るべきだろう。
以下、教科ごとに傾向、特色を見て行こう。

◆国語 記述問題の正答率が極端に低い
大問1は漢字の「読み」「書き」が中心で配点は20点。
ここは確実に点数を積み上げておきたいところだ。
漢字の「読み」では、「苦衷(くちゅう)」が正答率30・8%と出来が悪かった。
「書き」については同じ漢字が使われている熟語を選択する形になっているが、
「洋裁」の「裁」が、「仲裁」か「栽培」かで迷った人がいたようで
正答率は51・2%と低かった。文法(助詞の用法)はまずまずの出来だった。
大問2は古文の読解。問題文は要所に現代語訳もついており、取り組みやすいだろう。
各小問の正答率は45%~65%なので、もう少し頑張ってもらいたいところだ。
大問3は文学的文章(小説)の読解。
設問では、主人公の「気持ち(どう思ったか)」や、
その変化を問われることが多いので、主人公になったつもりで、
そこに注意を払いながら問題文を読むといいだろう。
すべて記号選択なので、全体として正答率は高かった。
大問4は論理的な文章(論説文)の読解。
受験生がもっとも苦戦したのは、(カ)の記述問題だった。
空欄に適する語を本文中から2つ抜き出す問題だったが、
正答率は19・1%と非常に低かった。
大問5は2つのグラフと1つの表を読み取った上で答える問題だったが、
(イ)の記述問題の出来が悪かった。20字以上30字以内という条件がある。
また、書き出しと文末は決まっており、
その間の文を書かせるという形だった。正答率は12・3%。 
漢字以外の記述は2問しかないが、
その2問の正答率が他と比べて極端に低いので、しっかり練習しておこう。

◆数学 三角形の相似の証明は毎年出題
大問1は基本的な計算問題。数字が入れ替わっているだけで、
毎年同じ問題と言っていい。大問2も、因数分解・二次方程式など
標準的な計算問題などでパターンはほぼ一定。
大問1と大問2で約40点の配点があるので、数学が苦手という人は、
ここまでで着実に点数を積み重ねておきたい。
高得点を狙う人は、「うっかりミス」に注意しながら、
後半の問題に余裕を持って取り組めるよう、短時間で解けるようにしたい。
高得点を目指すには大問3から大問7までの出来がカギとなる。
30年度の出題内容は次のとおり。

大問3 平面図形など
大問4 関数
大問5 確率
大問6 空間図形
大問7 平面図形
 
それぞれ2~3問の小問で構成されているが、
そのうち一問はやや難しい設問が含まれている。
大問4(ウ)は、線分の比を用いて、2つの三角形の面積の比を求める
問題だったが、正答率は2・8%と極端に低かった。
大問7(ア)は三角形の相似の証明を完成させる問題で正答率は25・5%だった。
三角形の相似の証明は毎年出題されているので、しっかり準備しておいてほしい。

◆英語 「聞く」「読む」「書く」の基本的な力が問われる
大問1は放送を聞いて答える問題(リスニング)で配点は21点。
会話文が中心なので、難しい表現はほとんど使われていない。
文を聞いた後に、「Which」「What」などの形で問われるので、
そこに注意しながら会話を聞きとるようにすればいい。
放送時間は約10分かかるので、残りの40分でそれ以降の問題を解かなければならないが、
小問数が多く、長文を読んだり、作文を書いたりしなければならないので、
時間配分が難しい。
大問2は対話文の完成。対話の流れを理解して適語を入れるが、
最初の一文字が示されているので分かりやすいだろ。スペルの間違いに注意しよう。
大問3も適語補充だが選択技があるので、難しくはないだろう。
小問が4問あるが、いずれも正答率は70%を超えている。
大問4は整序問題。単語を並べ替えて、正しい文章を作る問題だ。
各問とも1語ずつ不要な言葉が含まれているが、
基本的な文法事項を理解できていれば、それほど難しくはないだろう。
大問5は作文。条件作文と呼ばれるもので語数や書き出しの文章が決められている。
内容もさることながら、条件をはずさない英文を書くことに注意を払いたい。
作文では、教科書に出てくる重要構文や慣用表現を覚えておくと役に立つだろう。
言えるだけでなく、書けるようにしておかないと点数にはつながらない。
大問6から大問8までは長文読解だが、記号選択問題ばかりであり、
極端な難問もないので、確実に点数を積み上げたいところだ。

◆社会 資料を読み取り、思考・判断し表現する力を問う
全体の構成は次のとおりだ。

大問1 世界地理
大問2 日本地理
大問3 歴史(古代から近代の日本と世界) 
大問4 歴史(近代~現代の日本と世界)
大問5 公民
大問6 公民
 
地理・歴史・公民の3分野からまんべんなく出題されている。
記号選択問題の割合が多いので、比較的取り組みやすいと考えられるが、
その割には平均点が伸びない。
30年度では大問6に1問(6点)だけ論述問題が含まれていた。
ここで試されているのは、知識があるかどうかではなく、
資料やグラフを読み取った上で、思考・判断し、文章で表現する力である。
知識の内容は教科書レベルで十分だが、考える習慣や、
文章を書く習慣をつけておかないと高得点は望めない。

◆理科 教科書にある実験や観察を中心にした問題
大問1から大問4までは各分野からの小問集合で、ここまで36点。
基礎的な知識を問うもので、かつ記号選択式問題なので点数は取りやすいはずだが、
点数を伸ばせない人も多い。前述したように、対策の遅れが影響していると考えられる。
大問5以降は各分野に関する問題だ。

大問5 物理
大問6 化学
大問7 生物 
大問8 地学
 
大問5(物理)の(ウ)、大問6(化学)の(ウのⅰ)、大問7(生物)の(イ)、
大問8(地学)の(イ)(エ)など、非常に正答率が低い問題があった。
これまでの例だと、物理分野と化学分野の出来が悪いことが多かったが、
30年度に関しては、生物分野と地学分野の出来の悪さが目立った。
出題は基本的には教科書に出てくる実験や観察が中心になっているので、
実験や観察の目的、手順、結果などをていねいに復習しておく必要がある。

◆まとめ 効果の高い過去問学習
一見難しそうに見える入試問題も、整理してみると、実は同じ形式、
同じ内容の繰り返しであることがわかる。
そこで重要なのは過去問題による反復学習だ。
過去問で練習する場合は、同一教科の同一分野・同一単元の問題を
集中的にやってみるといいだろう。
そのほうが出題傾向をつかみやすく、過去問学習の効果が出やすい。