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平成29年度公立入試の検証 後編

2017年6月号ダウンロード

入試平均点10・6点下降  選択問題は数学43・2、英語71・9点

埼玉県教育局は、平成29年度入試の各教科の平均点を発表した。
28年度は5科合計で269・4点だったが、29年度の一般問題では、258・8点と10・6点下降した。
平均点には、選択問題採用校20校の受験生9,942人は算入していない。点数は下降したが難度は前年とほぼ同じと見られる。
数学と英語の選択問題では、英語の平均点は、一般問題より約20点高かったが、数学は1・2点低くなっており難しかったようだ。
今号では、入試問題などを報告する。

4教科で平均点が下降 数学に苦戦

平成29年度公立高校入試の学力検査の各教科の平均点は以下のとおりだった(カッコ内は29年度の平均点、数学、英語以外は、全受験生平均)。

  • 国語53・3(57・9)
  • 社会60・6(63・7)
  • 数学44・4(51・1)
  • 理科48・5(39・2)
  • 英語52・0(57・4)

5教科合計では、258・8点となった。理科以外の4教科が前年より下がり、5教科合計の平均点は前年より10・6点下降した。
数学と英語で初めて実施された選択問題では、採用校20校での受験生は、9,942人、平均点は

  • 数学43・2点
  • 英語71・9点

となっていた。
選択問題採用校が、学力上位校となっているようだが、英語は長文が1問多いのにもかかわらず、一般問題の平均点より19・1点高くなっていたが、数学は、1・2点低かった。
選択問題採用校への挑戦は、数学の発展的問題への対策がカギになりそうだ。

問題は易しくなったのか?

例年、県は入試直後(採点が行われる前)に入試予想点を発表している。目標平均点とも呼ばれる。
これによると、今年の予想点は前年の263点に対して、一般問題256点、選択問題を含む5科が285・4点だった。 
実際の平均点とは、多少の誤差がある入試問題だが、52%から55%前後が、県が目標とする平均点と考えられる。
記述問題の量や、問題構成により、平均点は、変化すると考えた方がよいようだ。
29年度入試の各教科の問題構成を見てみよう。

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全体では、国語の作文を入れて143問の小問で構成(選択問題は141問)されているが、このうち88問、61%(同84問59・6%)が記述形式の問題である。うち、文章表現や作図・証明が34問(同36問)も出題されており、記述形式の問題の配点は全体の69・4%(同68・4%)にもなる。文章表現などには、部分点を認める問題も多い。
ただし、部分点を認める問題の部分点の採点については、高校ごとで検討することになっている。
厳しく採点する学校と、そうでない学校があるということだ。
記述問題では、できる限り空欄(無解答)を作らないことが点をとるための第一歩となるだろう。
配点では、ほぼ全問が記述の数学91%(選択問題95%)、70%の国語、60%の理科、英語67%(選択問題58%)、社会が59%となっていた。
記述問題が多いこと、配点が高いことが埼玉県公立高校入試の特徴だ。
入試問題は、3年生の学習内容と勘違いして、「秋以降に解いてみる」という人が意外と多い。
しかし、1・2年生の学習範囲から多く出題されることや、問題の出題方法や、解答の仕方など早く見ておくことで参考になることも多いはずだ。
数学・英語の学校選択問題でも、記述問題の量は変わっていない。

30年度出題の基本方針発表

県は、平成30年度入試の「出題方針」を発表した。
1 中学校における平素の学習を重んじ、中学校学習指導要領に基づいて出題する。
2 基礎的な知識及び技能をみる問題とともに、思考力、判断力、表現力等の能力をみる問題の出題に配慮する。
3 各教科の目標に照らして、受検者の学力を十分に把握できるように、出題の内容、出題数に配慮するとともに、記述による解答を求めるよう配慮する。
とされており、前年と同じ内容となっていた。
前年度入試から、理科と社会の実施時間が10分増え、5教科とも50分で実施される。また、数学と英語で、基礎的な問題で構成される「一般問題」と、応用的な問題を含む「学校選択問題」が用意される。出題方針は変わっていない。
つまり、入試問題は教科書の内容に沿った基礎的・基本的なものということだ。中学校の授業を真面目に受けていれば十分に対応できるはずだ。
しかし、出題内容は同じでも、出題形式によって難易度は変わる。同じことを聞かれても、選択肢があって記号で答える場合と、言葉(記述)で答える場合とでは、難しさが違ってくるからだ。
さらに、記述式の問いには、用語・単語を答えさせる形式と、文章で答えさせる形式がある。いわゆる「論述形式」の問題である。
思考力や判断力、あるいは、表現力を見る問題として、教科ごとに、作文、図表やグラフ、統計資料、実験結果などから、その意味することを読み取り、答えさせる問題が出題され、それらの配点は、他の問題より高く設定されていた。
資料などを読み取り、そこから答を導きだすような問題に苦戦する受験生も多い。
各教科の満点は、100点で、5科500点満点で実施される。

30年度入試日程は、やや早まる

入試日程及び、30年度入試の実施方針については、既に発表されており、曜日による変化があり、29年度より1日早まっている。
 また、今後では、7月上旬に各学校の選抜基準及び、入試選抜実施要項・入試選抜要領が発表予定だ。
また、9月末と12月上旬には、中学校を通じて、進路希望調査が実施される。
10月末には、各高校の募集人員が発表される。
公立も私立も30年度の入試準備が着々と進められている。

■平成30年度入試日程
 出願:2月19日・20日
 志願先変更:2月22日・23日
 学力検査:3月1日
 実技検査・面接(一部の学校):3月2日
 合格発表:3月9日