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平成30度公立高校入試の注目点 大きな変化は、市立の再編のみ。定員は全体で800人減少

2017年11月号ダウンロード

埼玉県教育局は、6月に平成30年度公立高校の入試募集人員、入試実施要項、各高校の選抜基準を発表、10月には、受検生心得が発表され30年度入試の全容が出そろった。中学卒業予定者の1,150人の減少に伴い、募集人員は800人の大幅な減少となる。
 前年から理科・社会の学力検査実施時間が50分になり、数学と英語では、学校選択問題が採択校で実施できるようになった。選択問題実施校は、全20校で前年と変更はない。

定員減は800人と大きく、増減は31校に及ぶ

既報(7月号)のとおり、現在の中学3年生は、前年より約1,150人減少する(29年度学校便覧による)。このため、公立高校の募集人員は、20学級800人の大幅な減少となった。
また、市立川口、県陽、川口総合の3校は、平成30年度に合併し、川口市立に再編、現在の川口総合の場所に開校する。(理数科1クラス、普通科11クラスの480人定員)
さいたま市立大宮西は、31年度に中等教育学校に再編される。このため30年度から高校は募集停止となる。
また、上尾橘・情報と白岡・情報コミュニケーションの各コースは普通科に再編される。
募集停止を含め、全体で定員の増減は31校に及ぶ。定員の増減は、倍率への影響が大きい。該当する高校だけではなく、競合する学校の志願動向にも注意が必要だ。

30年度の倍率は前年並みか?

今春の全日制の入試では、出願1・20倍、志願確定1・20倍で推移した。実質倍率でも、約500人の合格者の超過はあったが1・19倍となった。前年に引き続き7千人を超える不合格者が目立っていた。
入試の内容では、社会、理科の実施時間が増えたことや、数学・英語で学校選択問題を実施する学校が発表されるなどの変化があった。
30年度入試に臨む中学3年生は、公立中学校で約900人、私立中学校で約250人減少する。私立の場合、ほとんどが内部進学者するため、公立高校への受験生は、公立中学からといえよう。800人の定員減少だが、私立志向の上昇があり、平均の倍率は、前年並みに推移すると考えられる。
一方で、中学校で実力テストや校長会テスト等での入試分析が進み、確実な進路指導が受けられるようになってきている。
受験生を応援する態勢が整ってきているともいえよう。

共通問題も選択問題も出題の基本方針は変わらない

5月に「30年度公立高校入試における学力検査問題の出題の基本方針」が県から発表された。

1 中学校における平素の学習を重んじ、中学校学習指導要領(注)に基づいて出題する。
2 基礎的な知識及び技能をみる問題とともに、思考力、判断力、表現力等の能力をみる問題の出題に配慮する。
3 各教科の目標に照らして、受検者の学力を十分に把握できるように、出題の内容、出題数に配慮するとともに、記述による解答を求めるよう配慮する。

となっており、学力検査の出題は、「中学校で学習した内容」とされる。
一般の学力検査問題と数学・英語に学校選択問題が用意される30年度入試も、出題の基本方針は、前年から変わっていない。
注意することは、知識や技能を重視するとともに「思考力・判断力・表現力」をみる問題の出題がされるということだ。
つまり、読み取ること、聞き取ること、それを基に考えること、自分の言葉で書くことが求められていることになる。
見方を変えれば、読み取る問題や記述解答の問題が増えたということになる。
29年度入試でも、共通問題では、143問の問題中記述問題が88問と61・5%を占め、作文や英作文、作図・証明などの部分点のある解答を含め、配点では全体の69・4%となっていた。
数学・英語の選択問題を含む5教科では、141問で記述問題が84問と59・6%を占め、配点では全体の68・4%だった。
なお、県教育局の分析では、共通問題の記述形式の出題には、用語・単語、文章表現、作図の3種類あり88問中54問が用語・単語、32問が文章表現、数学と理科に作図が出題されていた。
文章表現と作図は部分点を認める場合が多いようだ。
これに対応するためには、勉強の仕方も、単に言葉や事象を覚えるのではなく、内容を理解し、自分の言葉で組み立てられるようにしておく必要があるだろう。
また、方針が変わらないため、過去の入試問題を解き、出題や解答方法などを知り、対策することが重要であり、その時期が来ているともいえる。

注 学習指導要領 全国の小学校・中学校・高等学校の学習の基準となる方針。

10月の進路希望調査で各校の倍率に驚くな

本紙が皆さんの手元に届く前に、「30年度中学校卒業予定者の進路希望調査10月1日付」が各新聞で公表されている。
学校ごとの倍率の高低に驚いたり、安心したりしてはいないだろうか?
これは、9月末に提出した「進路調査票」を全県で集計したものだ。
前年の同時期と比較して、公立や国立・私立への希望者がどのくらいいるかという動向調査の資料となる。
まだ、志望校が確定していない人も多いと思われるので、各校別の倍率などは参考程度に見ておいてほしい。
今後、12月中旬にもう一度、調査がある。1月10日頃に発表されるこちらの数値は信頼度が高い。
例年、今の時期から、およそ一か月の間に志望校を確定する受験生が多いということでもある。
ただし、公立希望の場合、志望校の確定は、1月末というケースも多い。
公立無償化に所得制限、私立入学者への助成金は充実
現在の公立高校の授業料は、世帯年収がおよそ910万円という限度額が設けられ、それ以上では、月額約1万円の授業料が発生する。
私立高校入学者については、限度額は同じだが、590万円までは、これまでと同額の11万8800円。590万円未満では、これまでの支援額に約6万円上積される。
授業料が「安い公立、高い私学」というこれまでの定評が大きく変わってきているのだ。(年収は標準世帯のもので、実質は市町村民税所得割学による。)
さらに県内生の県内私立高校への入学者には、埼玉県独自の、授業料減免制度(父母負担軽減事業)が用意されている。
これは、国の支援金と併せて、保護者の年収が500万円から609万円未満には入学金10万円と授業料37万5千円、500万未満には、入学金10万円、授業料37万5千円、施設費等20万円の助成となっており、私立入学生の学費等の負担を、大幅に軽減させるものだ。
受験生にとっては、学費にこだわらない学校選択が可能になったということだ。
軽減内容についての詳細は、各私立高校に問い合わせてほしい。