ここを伸ばしてみよう
「聞く力」「考える力」「質問する力」
新型コロナの感染拡大は徐々に落ち着き、授業も部活も学校行事も元に戻りつつあります。
3年生の皆さんは、学校生活を思う存分楽しみつつ、
一方で受験準備を着々と進めていかなければなりません。
今号では学力アップのための方法について提案します。
今回は学力を上げるための方法をいくつか提案します。
学力というのは、幅広い意味を持つ言葉ですが、ここでは学校の定期考査や入試学力検査で高得点を取る力と考えることにします。
難しくても心を閉じないこと
まず授業の受け方についてです。
点数が伸びない人の特徴は、ちょっと難しそうな話になると、すぐに心を閉ざしてしまうことです。諦めが早いと言ってもいいかもしれません。
点数が伸びる人は、少し難しいなと感じても簡単には諦めません。何とか理解しようと努力します。すると、最初は難しいと思ったことも少しずつ分かってきます。
初めて習うことは誰にとっても難しいことですが、最初の段階で「無理、絶対無理、分かんない」と心を閉ざしてしまうか、「うーん難しいな。でも、もう少し聞いてみようか」と粘れるか。点数が伸びる人と伸びない人の差は、ここにあります。
質問の仕方が違っている
先生が質問に答えてくれないと不満を言う人がいます。
変ですね。そんなはずはありません。
先生は生徒に教えるのがお仕事です。生徒全員に力をつけて欲しいと願っています。ですから、皆さんが授業中に質問したり、休み時間や放課後に質問しに来たりするのは大歓迎のはずです。
もしかして皆さんの中に「分かりませ―ん」が質問だと勘違いしている人はいませんか。
「分かりません」は状態を言っているだけです。「お腹が空いています」や「眠たいです」と大差ありません。
質問というのは、最後に「?」をつけておかしくない言い方でなければなりません。たとえば、「自分はこう考えたのですが、間違いないですか?」、「ここはこの解き方で合っていますか?」、このような言い方や聞き方です。「分かりません」には「?」は付かないですね。ですから、これは質問ではないのです。
自分の頭で考えてみたか
質問の話の続きです。
質問の前段階には、必ず自分で考えてみるという行動がなくてはいけません。
「分からない」
↓
「自分なりに考えてみる」
↓
「それでも分からない」
↓
「先生に質問してみる」
このような順番になります。
特に「自分なりに考えてみる」の部分が重要です。
この自分で考える時間は長ければ長いほどいいです。もしかしたら、ある日ある瞬間、「分かった!」となるかもしれません。
先生に聞いて、すぐに分かってしまったほうがスッキリします。そして早く次に進めます。受験勉強は短期決戦と言えますから、そうしたい気持ちも分かります。ですが、その場合でも「自分なりに考えてみる」というプロセスを省略しないことです。
書くことより聞くことに集中する
次は授業の受け方の話です。
皆さんは授業中にノートをとります。板書を書きとります。先生の話をメモします。
これは大事なことですからこれからも続けてください。
が、それと同時に、先生の説明や話を聞いて、それを理解することに努めなければなりません。
聞くことと、書くこと。この2つは、どちらか片方に集中すると、もう一方がおろそかになりがちです。ですから先生よっては、今は聞くことに集中する時間、今は書くことに集中する時間と、分けてくれたりもします。ただ、この方法だと授業の進度が遅くなりがちなので、毎回とれる方法とは言い難いです。
そうなると、皆さん自身で、聞くことと書くことのバランスを取るようにしなければなりません。が、もしも、それが苦手とか上手くいかないという人は、聞くことに集中したほうがいいです。もちろん、ただ聞くのではなく、理解しようと努めながら聞きます。これはつまり、頭の中に直接メモする行為と言えます。いくらノートを書いても、最終的にはそれが頭の中に記憶されなければ試験では役立ちません。であれば、最初から頭の中に記憶してしまおうという考え方です。ぜひ試してみてください。
(よみうり進学メディア編集部)
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