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入試情報
2022.10.4

〈2023年度入試〉受験生の疑問に答えるQ&A「成績は伸びているのかと毎日不安です」ほか

Q1 自分の実力より上の学校を狙っています。勉強はしていますが「このやり方でいいのだろうか」「成績は伸びているのだろうか」と毎日不安です。「いっそ志望校を変えたほうがいいのか」と悩んでいます。勉強の結果ってどのくらいででてくるものですか?

 

今の自分の力より少し上に目標を設定するのはいいですね。最終的には力相応のところに落ち着くとしても、努力をしている過程では、上を狙うという考え方の方が自分を伸ばせそうです。成績を元に志望校を変えるのは、今ではありませんので、そこだけは間違えないようにしてください。

勉強のやり方に絶対的なものはありません。上手くいった人の真似をするのもいいですが、他の人にとって上手くいった方法が、自分にとって最適であるかどうかは分かりません。学力が違い、性格も周囲の環境も各々で違うからです。成績が大きく落ち込んでいない限り、今のやり方は間違っていないのだと考えていいと思います。ただ、もっと良いやり方はないのかと、常に追求する姿勢も大事です。先生のアドバイスなどをもらいながら、いろいろ試してみてください。

勉強を続けている限り力が落ちるということはありません。必ず伸びています。ただ、その伸びがただちに模試などの結果として現れるかというと、そう簡単にはいかないと思います。たまたま、まだ自分がやっていない部分が出題されれば、点数や偏差値は上がりません。ですから、模試の結果だけを見て伸びているかいないかを直ちに判断しないほうがいいと思います。

もしあなたが今日から筋トレを始めたとして、効果が明日現れることはないですね。でも、2~3週間も続ければ身体に変化が起きるでしょう。そして1か月もすれば、はっきりと効果を自覚できることでしょう。勉強も、それくらいの時間がかかるのではないかと思います。

Q2 内申点が低くても入試当日の点数が良ければ合格できるのでしょうか。行きたい学校があるので、内申点をどうにかしたいです。なにか方法はありますか。

 

内申点というのは正しくは調査書点のことですね。内申書という書類はこの世に存在しません。ただ、一般には調査書のことを内申書と呼んでも話は通じます。

調査書の書式や記載内容は都道府県によって少しずつ異なりますが、学習の記録や諸活動(部活や生徒会・委員会活動)が記載されるのは共通です。

ご質問にある「調査書をどうにかしたい」というのは、つまり「調査書点を上げたい」ということですね。であれば、学習の記録の評定を上げることを目指しましょう。学習の記録の評定とは、分かりやすく言えば通知表の成績です。3を4に、4を5にと上げていけば、その分だけ調査書点は上がります。授業に積極的に参加する。提出物等は必ず出す。定期テスト(中間や期末)で高い点数を取る。これらにより学習の記録の評定を上げることができるでしょう。

部活動実績などが評価されるとしても、すでに引退している人が多いので、今からでは評価内容を変えることは難しいと思います。

もうひとつ。調査書の点数が低くても当日の点数が良ければ合格できるかという点ですが、合否は学力検査点と調査書点の合計点で決まります。ですから、調査書点があまり良くない人でも、学力検査で高い点数を取れれば総合点が上がり、合格に大きく前進することができます。時間はまだ十分あります。また、どちらかと言うと学力検査点を重く見る学校も多いので、過去問演習を徹底的に行うなどして、学力検査点のアップを目指しましょう。

Q3 勉強をしなければならないと分かっているのですが、どうしても手につきません。平日、学校から帰るとしんどいし、教科書を開くと眠くなります。勉強から逃げてしまいます。そんな自分が嫌になり、つらいです。

 

分かっていても実行できないことは多いものです。他人からは、「実行できないのは、分かっていないからだ。本当に分かっていれば実行できるはずだ」などと言われるかもしれません。でも、頭では分かっていても実行できないことが、やっぱりあるんです。

解決策のひとつとして考えられるのは、目標の高さを少し下げてみることです。

教科書を開いたまま寝てしまっても、そのこと自体は許してしまいましょう。だって眠いんだから仕方ないでしょう。それに、ボーッとした頭で勉強したって効果なんて出ないですよ。その代わり、目覚めた後で少しでも勉強できたとしたら、それでいいじゃないですか。

つまり、出来ない自分を責めるのではなく、出来た自分を誉(ほ)めるということですね。

こうありたいという目標や、こうあるべきだという理想を持つのは良いことですが、目標や理想が高ければ高いほど、辿り着くのに時間がかかるものです。小さなことを積み重ねるしかありません。そして、その小さなことをひとつでも実行できたら、自分自身で正しく評価しましょう。

「十のうちひとつしか出来なかった」。これもひとつの評価です。一方、「十のうちひとつは出来た」というのもひとつの評価です。あなたの場合、後者の評価の仕方が少し不足しているんじゃないかと私は思います。ある意味自己満足とも言えますが、それでもいいです。他人に言いふらしたり、自慢しなければいいだけの話です。

Q4 高校受験生をもつ保護者です。子どもが今、進路を決められず悩んでいます。部活も引退したのにあまり勉強している風に見えません。志望校が決まっていないせいでしょうか。もっと真剣に取り組んでもらいたいのですが、どのように声かけするのが良いでしょうか。

 

進路を決められずにいる中学生はたくさんいます。早々に決めている子もいれば、ぎりぎりまで決まらない子もいます。そのことを前提に、何が理由で決まらないかをじっくり聞いてあげてください。

親として、わが子にこうして欲しい、こうあって欲しいという願いがあるのは当然ですから、意見も言いたいし、アドバイスもしたいところでしょう。であれば、まずお子さんの考えを聞くのが先です。大人同士でも同じですが、考えを押し付けたり、否定されたりしそうな相手には腹を割って話す気にはならないものです。たぶん、その点は注意されているとは思いますが、さらに徹底してください。

「どのように声かけすれば」というご質問が、どんな言葉をかければ子供が勉強するようになるかという意味だとすれば、少し発想を変えてみてはいかがでしょうか。子供を勉強に向かわせる言葉は、プロ(先生)でも難しいものです。中学3年生にもなれば言葉によって行動を変えるのは、ほぼ無理です。

ただ彼らは、他人の言葉で行動を変えることはなくても、自分の発した言葉により自らの行動を変えることはできます。

毎日顔を合わせているのですから、親の意見や考えと違っていても、その場で即座に否定したり反論したりする必要もないでしょう。否定や反論は3日後でも1週間後でも手遅れということはありません。

Q5 いろいろ事情があって、高校見学が出来ていせん。今から行こうと思いますが、個別説明会って、志望していない高校に行ってもいいのですか。

 

学校説明会や個別相談会は、これからがピークと言ってもいいので、ぜひ参加してみてください。

その際、まず考えてもらいたいのは、説明会や相談会は、志望校をはっきり決めてから行くものなのかという点です。

私は、必ずしも、決めてから行くべきだとは思いません。
むしろ、まだ決まっていない人が、はっきり決めるために行くものだと思います。

「志望していない高校に行ってもいいか」という点ですが、おそらく高校側は拒まないでしょう。実際に学校を訪れ、話を聞いているうちに、気持ちが変わる受験生も多いからです。実際、友達の付き合いで行ったつもりが、自分の方が本気になり、そのまま第一希望になった人もいるくらいです。

まずはどこかひとつでも説明会や個別相談に行ってみましょう。繰り返しになりますが、高校側は、できるだけ多くの受験生に、その存在や特色などを知ってもらいたいと考えており、志望の程度(強く志望しているか、それほどでもないか)は問題にしていません。

個別相談で志望について尋ねられたら、「まだはっきり決まっていない」と正直に答えれば良いと思います。そうすれば、それを前提として、いろいろアドバイスがもらえると思います。その点、高校の先生方はとても親切です。

いくつかの説明会や相談会に参加しているうちに、だんだん自分の考えも固まってくるでしょう。

それと、現在多くの学校が1か月ぐらい前からの事前申込による定員制をとっているのでその点も注意してください。

(回答者:教育ジャーナリスト 梅野弘之)

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