よみうり進学メディア

埼玉 入試情報
2022.10.13

〈2023年度入試〉埼玉入試情報 「令和5年度私立高校入試変更点、私立高校の『入試要項』出揃う」ほか

令和5年度入試に向けて、私立高校の募集要項が出揃った。
今春から学習指導要領が改訂され、各高校で実施。それらに向けて、研究・対策を進める学校は多い。
また、新しい教育を目指し、コースの新設や改編が相次ぐ。
コロナ禍のなか、高校の説明会や相談会は、申し込み制やウェブを利用したものになるなど制約は多いが、できるだけ参加して情報収集をしておきたい。

志望校選択は、9月の進路希望調査でスタート

9月号で既報の通り、9月末に中学校を通じて、皆さんの第1回進路希望調査が実施された。
はっきりと目標校が決まっている人がいる一方、まだ漠然としている人もこの時期では多い。
焦る必要はないが、将来就きたい職業や、やってみたい事を考えて、志望する高校の候補を挙げられるようにする時期が来ていることを知っておいてほしい。進路希望の調査は、そんな皆さんの背中を押してくれる重要な意味合いがある。
学校説明会や私学の個別相談、模擬テストの結果などから、志望する高校は変化することも多い。
2回目の進路希望調査は12月中旬に実施される。この時点までには多くの受験生が、公立か私立かを決めているようだ。

■公立校受験スケジュールについて詳しくは:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉埼玉県 「公立高校入学者選抜案内(リーフレット)」公開-令和5年度

コロナ禍の中、急ピッチで進む、変化への対応

現中学3年生は、大学入試改革の6期生となる。今春から高等学校の学習指導要領が改訂された。
現在の高校1年生が、新しい指導要領で3年間学ぶことになる初めての学年だ。大学入試はこの時、第二段階目の改革を迎えると考えられる。
中学3年生の皆さんは、この新たな改革の2期生となる。
情報などの新しい教科に加え、思考力・判断力・表現力を育む教育を視野に、改革を推し進める学校が増加している。
グローバルを視野にした教育や探究型授業、コミュニケーション能力の育成、英会話、ICT教育などだ。
また、Society5.0の進行やネット社会の進歩、人工知能の発達などで、社会の変化も激しくなっている。
そんな時代の学校選択には、希望する学校を調べ、入試制度や基準だけでなく、教育の特色や授業時間などを知ることが必要となるだろう。

令和4年度と5年度の県内私立高校の主な変更点は次のとおりだ。5年度については、まだ調査中のため、必ず該当の学校の入試情報を確認してほしい。
また、コロナ禍により、学校情報のウェブ配信、出願や合格発表でのインターネット利用も増えてきている。これらへの対応も注意が必要だ。

私立高校今年度(令和4年度)実施された変更

(岩佐教育研究所調べ9月20日判明分まで)

■学科・コースを変更
○浦和麗明(さいたま市)⇒特進コースⅡ類募集停止。Ⅰ類を特選コースに改称。特選Ⅰ類、Ⅱ類、Ⅲ類と併せ4コース制に。
○淑徳与野(さいたま市)⇒選抜(A、B、C)、S類(文理、MS)の2類型5コース制から、T類、SS類、SA類、R類、MS類の5類型制に改編。
○山村国際(坂戸市)⇒特進A、特進B、進学の3コース制を特進選抜、特別進学、進学の3コース制に改編。
○山村学園(川越市)⇒特別進学コース(SA・文理)、総合進学コース(選抜・進学)の2コース4クラス制から、特別選抜SA、特別進学EL、総合進学GLの3コース制に再編。
○細田学園(志木市)⇒進学βコース募集停止。特進H、特進、選抜G、選抜L、進学αの5コース制に。
○秋草学園(狭山市)⇒特進選抜、進学選抜(α類・β類)、進学、幼児教育保育進学の4コース制から、特選(Sクラス・Aクラス)、選抜、AG、幼保の4クラス制に再編。
○聖望学園(飯能市)⇒S特、特選、選抜、総進の4コース制から、特進(選抜クラス・一般クラス)、進学(選抜クラス・一般クラス)の2コース4クラス制に再編。

私立高校令和5年度の変更点

■定員増
臨時学級増により細田学園(50人)、山村学園(40人)、山村国際(40人)の募集定員が増加。
■コースの変更
○浦和麗明(さいたま市)⇒特選Ⅰ類・Ⅱ類・Ⅲ類の3コースに再編
○開智(さいたま市)⇒T、S・Dの3コースをT・S1・S2の3コースに再編。
○西武台(新座市)⇒STEAMコースを新設。特進S、選抜Ⅰ、選抜Ⅱ、進学コースと併せ5コース制に再編。

私学独特の入試制度を研究しておこう

今年度も、県内外の私立高校の学校説明会や入試説明会、個別相談会が佳境に入った。
コロナ禍も3年目を迎え、説明会や相談会の開催はより慎重になり、各校での工夫が見られる。
ただし、申し込み制や定員制とするなど制約は多くなっているようだ。
これらの説明会や相談会に参加することで、教育課程、進学実績、入試の種類や基準などの詳細な情報を得られる。学校で開催される場合には、校舎施設の見学も可能だ。
同時に実施される個別相談では、色々な質問に直接答えてもらえるだけでなく、「合格の可能性」などを聞くことができる。
私立の各校では、普通科や専門学科等の中に、多様なコース、類型などを設けている場合がある。自分に適したコースの選択も重要な確認要件だ。
また、推薦・専願・単願などの第一志望者を対象とする入試と、公立や他の私立との併願を前提とした入試を設けている学校が多い。ほとんどの学校で、併願での受験生に対して、第一志望者には独自の優遇制度がある。
コースや類型の内容、入試制度を調べ、これらの優遇制度を利用することが、私立受験で合格を勝ち取るカギとなる。

■詳しくは:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉高校受験ってなんだろう?-入試の基本Q&A 目指せ合格!
→「課程やコース」についてはQ3
→「私立高の単願、併願」についてはQ6

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

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