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2023.3.9

〈2024年度入試〉受験生の疑問に答えるQ&A 「受験勉強は中学1年生のところから順にやっていけばいいですか」ほか-令和6年度

Q1 「春から受験生だね」と言われますが、どう勉強すればいいのか分かりません。同級生たちは、勉強を始めている人もいない人も、両方います。塾に通っている人もいますが私は通っていません。はじめは中学1年生のところから、順にやっていけばいいですか。なにかコツはありますか。

A:
「春から受験生」。これは4月からという意味でしょうか。たぶん、そうですね。まあ、他人からそう言われるのは4月からでいいことにしましょう。でも、本人が自覚するのは今からにしてください。

次の入試が来年であることには違いありませんが、正しくカウントすれば10か月か11か月後です。「春から」などとのんびりしたことを言っている場合ではありません。あなたも「勉強を始めている人もいない人も、両方います」と言っているではないですか。ちゃんと始めている人は始めているのです。そういう人が今のところ合格にいちばん近いところにいると思います。

勉強の仕方についてですが「中学1年生のところから、順にやっていく」ことにこだわる必要はないと思います。何なら中2の3学期とか2学期とか、記憶に新しい近いところからでも構いません。順番よりもやり方の中身ですね。

これまでの定期考査の問題をとってあれば、それを引っ張り出してきて、間違った問題や手がつけられなかった問題を中心にもう1回やり直してみましょう。その際、重要なのは必ず教科書を再確認することです。教科書を見た回数に比例して入試に必要な得点力は上がっていきます。まさか古い教科書を処分する人はいないと思いますが、5教科の1・2年生の教科書は、いつでも使えるように目に見えて、手が届く場所に置いておかなければなりません。教科書を探しているようでは、その時点で負けが確定ですね。

Q2 高校生になった自分が想像できません。高校でなにをしたいのかもぼんやりしています。
部活は続けたいし、大学に進学もしたいと思います。部活であこがれた先輩が進学した高校に興味がありますが、自分の成績で入れるのか不安です。あれやこれやいっぱいあってまとまりません。高校を決めるポイントを教えてください。

A:
質問の中に、「高校でなにをしたいのかもぼんやりしています」とありますね。ポイントは正にそこです。

今はまだ、自分自身でも心の整理ができていなくて「ぼんやり」しているのですね。それでいいと思います。その「ぼんやり」をこれから数か月かけて「はっきり」させましょう。

では、どうやって「はっきり」させたらいいのでしょう。
いろいろあると思いますが、ここではふたつの方法を提案します。

ひとつは誰かに話すことです。
友達でも、先生でも、親でも、誰でもいいです。「ぼんやり」考えている自分の将来を人に話してみることです。つまり、言葉にしてみるということですね。ですから、他人と話すのが苦手な人は、書いてみてもいいでしょう。

「あれやこれやいっぱいあってまとまりません」というのは、頭の中だけで考えているからです。全部言葉にしましょう。ノートに書き出しましょう。人に話してみましょう。これによって、かなりのことが「ぼんやり」から「はっきり」に変わります。

もうひとつは行動することです。
当面の課題は高校選びですから、いろいろな機会を利用して実際の高校を見に行きましょう。高校は頭の中で想像して選ぶものではありません。現地に足を運び、直接説明を聞き、授業や実習や部活を体験して選ぶものです。

想像力より行動力。いくつもの学校を回っているうちに「ぼんやり」が「はっきり」に変ってくるはずです。

 

Q3 高校選びに悩んでいます。自分に合った学校を選ぶことは大切だと思います。
でも、自分の好きなことや得意なことは何だろう?将来何になりたいんだろう?そんなこともわからず迷っています…。

A:
「自分に合った学校を選ぶ」。これはまったく同感です。他の人には合っていなくても、自分に合っていればそれがいちばん。

学校はあなた1人のために作られたわけではないので、何から何まですべて合っているというわけにはいかず、多少は譲らなければならない部分があるとしても、だいたい合っていると言える学校を選んでください。

「将来何になりたいんだろう」ということですが、無理に結論を出さなくてもいいと思います。ただ、考えたり、想像したりする習慣は持ったほうがいいです。想像の上なら何にでもなれますから楽しいですよ。

昔の人は、好きこそものの上手なれと言いました。好きなことは上達しやすいという意味です。必ず上達するかどうかの保証はありませんが、好きなことは飽きずに繰り返しやるし、向上心も持ちやすいので、嫌いなことを嫌々やるよりは得意になる確率は高そうです。

もちろん、今は嫌いであったり、不得意であったりすることでも、工夫を重ねれば得意になることだってあります。

食わず嫌いという言葉がありますが、つべこべ言わず、とりあえず試しにやってみるという態度は好ましいものです。そうすると、これはどうも自分には向かないなとか、あまり好きになれそうもないなとか、これは意外と面白そうとか感じられます。ちょっとした冒険のつもりで、いろいろなことにチャレンジしてみてください。

あなたに欲しいのは想像力と冒険心。これが本日のお答えです。

 

Q4 私は今まであまり勉強してこなかったので不安がいっぱいです。
特に勉強する時間や計画を作ることが苦手で、いままで、試験勉強なども上手くやれたことがありません。何からはじめれば良いでしょうか。

A:
勉強不足に今気付いてくれて良かったと思います。世の中にはずっと後になってそのことに気付く人がいます。ほぼ手遅れです。また、そのことに一生気付かない人もいます。まあ、それはそれで幸せとも言えますが、どこかで気付けばもっと違う人生になったかもしれません。

受験勉強に限った話をすれば、今すぐ始めれば不足分は十分に取り戻せるでしょう。受験勉強は上限が決まっています。1教科当たり教科書3冊分(1~3年なので)です。これくらいなら今からでも何とかなります。しかも、「あまり勉強してこなかった」というだけで、全然勉強してこなかったわけでもないですから。

計画については、私(回答者)も誰かに聞いてみたいくらいです。予定通りうまく運んだためしがありません。今日の予定とか明日の予定とか、短いのは何とかなりますが、1か月とか1年とか3年とか、長くなればなるほど、ダメです。

長いのがダメな理由は、自分でもある程度分かっています。計画といいながら「こう出来ればいいな」というような願望が入ってしまうからです。もちろん、夢とか願望はあってもいいわけですが、計画の中にこれらを入れてはいけません。このことを自覚してからは、少しはまともになったと思います。

というわけなので、まずは短い期間の計画から始めたらどうですか。それと、願望を極力排し、絶対に実行しなければならないことのみで計画を作ることだと思います。それと、状況は刻々変わるので、繰り返し修正するという柔軟性も必要だと思います。

(回答者:教育ジャーナリスト 梅野弘之)

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