よみうり進学メディア

〈2024年度入試〉神奈川県 私立高校「令和5年度 私立高入試の概況」

今年度の神奈川県私立高入試はどのような特徴があったのか、振り返ってみましょう。

難関校はさらに志願者増える

コロナ禍の中での最初の入試となった令和3年度は安全志向となり、難関校の志願者が軒並み減少しました。
しかし翌令和4年度は志願者が戻り挑戦志向に転換、令和5年度はさらに増加もしくは前年度並みを維持し、挑戦志向が維持されました。しかし合格者数を増やした結果実質競争率が下がった学校が多く、これが今年度の特徴のひとつになりました。

慶應義塾の志願者は約50人4・0%の微増でしたが、合格者を約100人増やしたため実質倍率は2・45倍から2・10倍にダウン、法政大学第二(学科)も志願者は約50人、7・0%の増でしたが、合格者を20人ほど増やしたため実質倍率は3・11倍から3・00倍に下がりました。
法政大学国際(学科)の志願者数は前年度並みだったもののやはり合格者を増やし3・16倍から2・86倍にダウン、桐光学園も同じ理由で1・31倍から1・22倍に下がりました。
合格者が増えたということは複数の高校を受験する併願者が増えたことを示しており、これも挑戦志向の表われといえるでしょう。

オープン入試の応募増

挑戦志向を示すもうひとつの動きがオープン入試の志願者増です。
日本大学は31・3%増、桐蔭学園13・9%増、横浜創英17・9%増、山手学院17・4%増、このほか藤沢翔陵、アレセイア湘南も増加しました。また、中央大学横浜は前年度より減ったものの400人台を維持、横須賀学院も前年度に倍以上増加、今年度も同様の志願者数でした。

オープン入試は試験当日の学力検査の結果を中心に選考されるので、調査書等に縛られることなく実力で勝負できます。また県内の私立高校は併願入試を受ける場合、他の私立高を受験することはできませんが、オープン入試は可能です。したがってこれも挑戦志向と私立高同士の併願者増の結果といえます。

書類選考型入試 

県内私立高入試では書類選考型入試を実施している学校が多く、他地域では見られない特徴となっています。コロナ禍によって導入校は増え、今ではすっかり定着。今年度は一般入試の応募者の6割弱が書類選考利用者で占められました。

このほかの動き

このほかの目立った動きを挙げると、鵠沼や麻布大学附属、向上、横浜清風、横浜創学館では出願基準を厳しくしたため志願者は減少、しかし同じくアップした横浜は逆に志願増となり共学化以来高い人気が続いていることを示しました。
これらの学校は学力レベルが上がっているので、志願する際には注意が必要です。東海大学相模と日本女子大学附属は志願減で実質倍率もダウン、来春は厳しくなりそうです。

 

「併願ドットコム」から見た検索校

首都圏16万ユーザーが利用している検索サイト、「併願.com」のデータから、県内私立高校のエリア別検索ランキングを見てみましょう。次の様な学校が上位にきています。

【川崎・横浜エリア】
横浜翠陵・日本大学・橘学苑・桐蔭学園・鶴見大学附属・横浜清風

【横須賀・鎌倉エリア】
湘南学院・横須賀学院

【県央・湘南エリア】
麻布大学附属・柏木学園・光明学園相模原

【小田原・足柄エリア】
相洋

また、これらの学校群に加えて複数の学校を早い段階から検索し情報収集していたことも伺えます。
さらに、川崎・横浜エリアや相模原エリアを中心に、東京の品川区・大田区・港区・目黒区・世田谷区や町田市などの私立高校を検索している動きも見られます。広い視野で志望校選びをしている受験生が多かったのも特徴と言えるでしょう。

来年の受験に挑戦する皆さんも、これからは更に情報を先取りし、自分にあった志望校選びをしていきましょう。
監修:高校入試活性化委員会(株式会社リヴィジョン)

■私立高校の動きについては過去の概況も確認しておきましょう。
・「神奈川県 私立高校 令和4年度」:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉神奈川県 私立高校 「2022年度(令和4年度) 神奈川県内私立高入試の概況」
・「神奈川県 私立高校 令和3年度」:よみうり進学メディア
神奈川県 「2021年度(令和3年度) 神奈川県内 私立高入試の概況」

☆よみうり進学メディアではTwitterで記事更新をお知らせしています☆
Twitterのフォローをすると、随時掲載情報が受け取れます。受験情報をお見逃しなく!
■よみうり進学メディアTwitterはこちらをクリック
Twitter.com@yag_ysmedia

関連記事