学校の個性や特色はミッション、ポリシーの違い
偏差値や進学実績だけではないもうひとつの視点
学校選びもいよいよ最終段階に差し掛かります。
そこで今回は「こんなところにも目を向けてみては」というひとつの提案をします。
最終的には自分の考えに基づいて決めるべきですが、
視点を変えることによってそれぞれの学校の違った姿が見えてくるかもしれません。
自分だけの志望理由があってもいい
高校の選び方には唯一の正解はありません。
他の人から見たら「なぜそんな理由?」と思われる理由であっても、あなたにとっては、これだけは譲れないという確かな根拠があるはずです。ここは他人に無理に合わせてはいけないところなのです。
以上を前提として、今回は「こんなことも考えてみたら?」と、いくつか提案します。
スクール・ミッション、ポリシーを見たことがあるか
公・私立問わず、すべての高校は、スクール・ミッションとスクール・ポリシーを策定しています。そして、これを何らかの方法で公開することは法律により義務付けられています。
多くの学校はこれらを学校ホームページや学校案内パンフレットに掲載しています。また都立や県立であれば各都県教育委員会ホームページにも一覧の形で掲載されています。
どんな内容かは、実際に見てもらうのがいちばん早いのですが、簡単に言えば、その学校がどんな生徒を育てようとしているか、そのためにどんな教育活動を行おうとしているかが書かれています。
学ぶ内容はもとより、皆さんの関心が高い学校行事や部活動も、すべてこのミッション、ポリシーに基づいています。
人を外見だけで判断してはいけませんね。その人がどんな考え方を持っているかを知るのも大事なことです。それと同じで、その学校がどんな考え方で皆さんの教育に取り組もうとしているかを知るのはとても重要なことなのです。
学ぶ科目が一人ひとり違うのが高校の授業
各高校は、ミッションやポリシーに基づいて教育課程というものを編成します。カリキュラムという言い方をしている場合もあります。
詳しく述べるとかなり専門的になりますので、ここでは、何年生で、どの教科・科目を、何時間学ぶかだと考えることにします。
高校は義務教育ではないこともあり、どんな科目を学ぶかは、学校や学科、あるいはコースによって違います。なんとなく中学校の延長で考えている人がいるかもしれませんが、入学から卒業まで、すべての高校生が同じ科目を学ぶわけではありません。同じ学校の同じ学科・コースであっても、個人個人で違うことさえあるのです。
1年生のうちは、どの学校、どの学科・コースに入っても、あまり大きな違いはないでしょう。高校を卒業するために全員が学ばなければならない科目があるためです。
しかし、2年3年と進むにつれて、学校や学科・コースの違いが鮮明になっていきます。
どの学校でもホームページや学校案内パンフレットに教育課程表というものが載っているはずです。ここに示された教科・科目が、入学後、皆さんが学ぶことができる教科・科目であり、学ばなければならない教科・科目なのです。
表の見方はやや難しいかもしれませんが、説明会や相談会でよく聞いて理解するようにしましょう。
行事にもそれぞれの学校の考え方が
各高校では特色ある学校行事が行われていますが、それらの行事やその内容については、必ず理由があります。そして、その理由というのが前述したスクール・ミッションやスクール・ポリシーであるわけです。
ときどき「マラソン大会があるから嫌」とか「水泳大会があるから嫌」と言う人を見かけます。人には得手不得手があるので気持ち的には分かります。しかし、学校はあなたを成長させる場なのです。
食卓にあなたの嫌いな食べ物が並んだ場面を想像してみてください。それはあなたを苦しめるためですか、それともあなたへの愛情ですか。ただ嫌いだから、なんか苦しそうだからというのでは、自身の成長につながりません。
すべては学校の目標、方針とリンク
ここまで、皆さんがあまり聞いたことがないと思われる言葉を使って、学校の選び方について述べてきました。
しかしこれは、やりたい部活があるから、大学受験や就職に有利そうだから、通学が楽そうだから、施設設備が整っているからといった選び方を否定するものではありません。
最初に述べたように、選び方は人それぞれでいいのです。ただ、皆さんが考えている選択基準は、そのほとんどが各高校の目標や方針とどこかで結びついていることを知ってもらいたいのです。
(よみうり進学メディア編集部)
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