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2024.7.3

埼玉県 「教育DXがもたらす変革・埼玉県のDXハイスクール34校決定」

ICTは飛躍的進展、教育現場のDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進へ

 

FireShot Capture 028 - 教育DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進について:文部科学省 - www.mext.go...新型コロナ禍をきっかけとして、学校のICT教育環境は飛躍的に進展しました。
「GIGAスクール構想」は学校ICT環境の整備を進めるための政策で、1人1台のPC、タブレットなどの端末配備、高速大容量の通信ネットワークの構築を推進するものです。
この構想はコロナ禍に対応するため大幅に前倒しされ、進行しました。
全国の小・中学校では、1人1台の端末が配布され、高校でも同様に端末の活用が当然となりました。授業のみならず、学校生活全般での活用が進んでいます。

今後は、これらのICT教育環境を活用し、新しい価値を創造していくことが求められています。こうした動きは、DX(デジタル・トランスフォーメーション)と呼ばれています。

埼玉県は令和4年(2022年)、県総合教育センターに「教育DX担当」を設置しました。
担当は「目指す学習の姿、目指す校務の姿の先進的事例の提示や、ICT(デジタル)技術を活用した教育活動の『変革』を促進し、学校現場のDX推進、DX人材の育成の手助けを行っていく」そうです。

(編集部注)
画像は、文部科学省「教育DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進について」のページです。
DXのルール/ツール/利活用についての資料が確認できます
教育DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進について:文部科学省

 

ICT教育と教育DXの違い

ICT教育と教育DXは、どちらも教育現場におけるデジタル技術の活用を推進する概念ですが、その範囲と目的において重要な違いがあります。

ICTは、Information and Communication Technology(情報技術)の略称で、教育現場におけるコンピュータやインターネットなどのデジタル技術の利用を指します。
具体的には、以下のような取り組みが含まれます。
・デジタル教材や学習ソフトの活用
・オンライン学習プラットフォームの導入
・タブレット端末やノートパソコンなどのICT機器の整備
ICT教育の目的は、従来の教育方法では難しかった個別最適な学習や協働的な学習を実現すること、また、情報収集能力や情報活用能力などのスキルを育成することなどでした。

一方教育DXは、ICT教育をさらに発展させた概念です。
ICT教育に加え、人工知能(AI)やビッグデータなどの先進技術を活用することで、教育の質の向上、効率化、新たな教育サービスの創出などを目指します。
具体的には、以下のような取り組みが含まれます。
・AIによる学習診断や個別指導
・学習データの分析に基づいた教材開発
・オンラインによる教職員向け研修や情報共有
・教育機関の経営管理の効率化

教育DXの目的は、ICT教育の効果を最大限に引き出すこと、そして、教育現場全体の変革を推進することです。

 

全国1,010校の「DXハイスクール」が決定、
埼玉県では34校が採択

文部科学省は、2024年4月、全国の公・私立高校計1,010校を本年度の「DXハイスクール(高校DX加速化推進事業)」に採択しました。
これは、高校段階でデジタルなどの成長分野を支える人材育成を抜本的に強化するために実施する事業です。
この事業は、2023年度補正予算に盛り込まれ、今年度が初年度となります。
情報や数学教育を重視したカリキュラムの実施や、ICTを活用した文理横断的・探究的な学びを強化する学校に、1校につき最大1,000万円を給付するものです。
給付金は、パソコンや3Dプリンター、遠隔授業用の通信機器、専門高校での高度な実習施設の整備、文理横断的な探究的な学びを実施するための専門人材の派遣費用などに活用できます。

採択校には、2022年から必修となった「情報Ⅰ」より更に高度な内容を学ぶ「情報Ⅱ」の開設と、「デジタルを活用した課外活動又は授業を実施するための設備」を整備し、活用することが条件として課されています。

埼玉県では、以下の34校が採択されました。

児玉、所沢商業、川越工業、久喜工業、越生、川口工業、秩父農工科学、大宮工業、大宮東、大宮、不動岡、川口北、大宮中央、熊谷工業、新座柳瀬、秩父、草加、草加南、川越総合、所沢、いずみ、岩槻、松山女子、小鹿野、杉戸、朝霞西、飯能、蕨、本庄第一、武蔵越生、国際学院、東京成徳大学深谷、西武学園文理、浦和実業学園 ※順不同

 

DXハイスクール「国際学院高校(伊奈町)」に聞く

そのうちの一校である国際学院高校(伊奈町)を取材しました。
同校ICT推進室の吉田貴将先生は「本校が予定しているのは3Dプリンターと高性能PCを中心とした各種環境づくりです。3Dプリンターを用いたものづくりはもちろん、3Dソフトや各種プログラミング言語を扱える環境を整え、新たなものづくりの拠点としたいと考えています」と話しました。

また、同校の広報室室長の伊藤尭先生からは「こうした環境を活用し、便利なものを作り出していく、さらに新たな価値を創造していける人材を育てていきたいですね。情報Ⅱを使って進学する生徒も輩出したいです」との考えをお聞きしました。

従来からICT機器を積極的に利用してきた同校ですが、これを機に更に高度な運用へ向け模索していくということでした。
他のDXハイスクール採択校も、それぞれ独自の取り組みを計画中とのことで、今後が注目されます。

 

(編集部注)
画像は、文部科学省「令和6年度高等学校等デジタル人材育成支援事業費補助金(高等学校 DX 加速化推進事業)について、1,010校を採択校」のページです。
採択された学校のリストが確認できます
■文部科学省報道発表資料(PDF)
「令和6年度高等学校 DX 加速化推進事業(DX ハイスクール)」の採択校

■DXについて詳しく調べたい場合は
高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール):文部科学省

 

(よみうり進学メディア編集部)

 

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