よみうり進学メディア

東京 入試情報
2024.8.1

〈2025年度入試〉東京入試情報「志望校選択の夏、計画をたてて、着実に」

志望校選択の夏、計画をたてて着実に
説明会に参加して、志望校とめぐり合おう

1学期も後半となり、受験生の夏が到来した。

都立・私立高校のホームページなどで、学校説明会・体験入学等の日程が発表され始めている。
コロナ以降、申し込み制や定員制など制約は多いが、積極的に参加しておきたい。

多くの3年生は、夏の大会で部活を卒業する。力いっぱい戦い抜いてほしい。

多忙な日々が続くが、そんな中でいろいろな機会を生かして、情報を集め、高校生活を体験し、自分を伸ばしてくれる学校とめぐり合ってほしい。

 

入試問題の研究を始めることも夏の課題

6月末に昨年度(令和6年度)の都立高校の第一次・分割前期募集(以下一般入試と呼ぶ)の学力検査結果が発表された。※1

教科別受験者は、国語34,467人、数学34,465人、英語34,270人、社会と理科38,042人。

教科別の平均は(学校独自問題での実施を除く)
国語75.9点(80.8)
数学61.7点(57.6)
英語66.9点(62.8)
社会55.5点(55.6)
理科66.8点(59.4)
( )は前年度の平均
5教科合計では、前年度より10.6点上昇し326.8点となった。
また、一昨年と比較すると、27.3点の上昇となっていた。

教科別では、理科が7.4点、国語が4.9点、数学と英語が4.1点上がり、社会が0.1点下がっていた。

令和3年度からの学習指導要領の改訂に伴って、新たに「課題を考えること」「気づくこと」「自分の言葉で説明すること」などの出題が増える傾向があるが、入試問題はマークシート導入以降、多少解きやすくなっているようだ。

学力検査問題の平均点は、これまで国語は75~80点、他教科は55~65点になることが多く、作問の目標点と考えられる。

 

■※1 令和6年度(昨年度)都立高校・一般入試の学力検査結果について詳しくは:よみうり進学メディア
東京都 都立高「2024年度/令和6年度 都立高校入学者選抜学力検査結果調査について」発表

 

3年度からの新単元に注目、英単語の量は増加に

令和3年に教科書改訂があり、数学では、中1の単元で「累積度数・累積相対度数」、中2で「箱ひげ算」「四分位数・四分位範囲」「反例」などが加わった。

英語では、単語数が増加するとともに、「感嘆文」「仮定法」「原形不定詞」「現在完了進行形」が、理科では「ダニエル電池の実験」が加わるなどの変化があった。

7年度入試で新たに加わる単元はないが、英単語は増加する。

 

入試制度の理解は高校入試の第一歩

都立全日制の一般入試の学力検査では、共通問題で実施する学校は、マークシート方式となる。

また、学力検査と調査書の比率は7対3(分割後期、二次募集は6対4)となり、実技系教科の調査書点は2倍にされる。

進学指導重点校グループと進学重視型単位制高校グループでは、国語・数学・英語の3教科の入試問題は、自校作成の形(一部共通テスト問題も可)となっている。※2

6年度入試での、自校作成問題採用校は、日比谷、戸山、青山、西、八王子東、国分寺、国立、新宿、墨田川、立川(普通・理数)の10校で、それぞれ国語・数学・英語を自校作成とし、他の教科は共通問題を実施した。国際は、英語のみ自校作成となっている。

7年度については、入学者選抜実施要綱として9月下旬に発表される。

私立高校は、推薦の解禁が1月22日、一般が2月10日となっている。入試日程や推薦、併願優遇など、制度の具体的な内容、その基準などは、各学校の説明会などで知ることができる。

まず都立高校の選抜基準や私立高校の入試制度を研究すること。各教科の評定や学力は「自分なりの目標」を定めることなどが、今後の皆さんの夏の努力目標となるだろう。

 

■※2 (編集部注)
「進学指導重点校」7校、「進学指導特別推進校」7校、「進学指導推進校」15校、「進学指導研究校」14校の、キャリア教育や大学進学指導対策の取組を紹介するイベントが2024年8月25日に開催されます(東京都教育委員会)。詳しくは:よみうり進学メディア
東京都 都立高「進学指導指定校フェア 2024年8月25日(日)」開催を発表

過去の入試問題を見て研究してみよう

夏休み期間中に、過去の入試問題を見て、解答の仕方や、記述問題の内容などを調べておくことも重要なポイントだ。

現時点では習っていないことも多いが、中学1・2年次に習った内容が各教科で数多く出題されていることに気づくに違いない。
忘れていた1・2年生の学習内容や復習ポイントを知ったり、出題の形式や各教科の文章題の量を見ることで、今後の勉強方法を考えることができる。

このため、できるだけ複数の年度の過去の入試問題を手に入れ、研究しておきたい。ただし、4年度以前の出題には前述の単元がないことに注意が必要だ。

 

公私の学校展に参加して情報収集も

7月28日に教育庁主催の都立工科高校ドリームフェスタが新宿住友ビルで、8月25日に東京都教育委員会主催の都立進学指定校フェアが新宿ベルサールで、8月17・18日に都内私立の進学相談会が東京国際フォーラムで開催される(東京都私立高協会主催)。※3・4・5

それぞれ予約制ではあるが、出来るだけ参加して公立・私立の情報をゲットしておきたい。
あらかじめ気になる学校をリストアップし、知りたいことをまとめておいてほしい。

受験生の重要な課題は、自分に合った、伸ばしてくれると確信が持てる志望高校とめぐり合うことだ。

■※3 都立工科高校ドリームフェスタについて詳しくは:よみうり進学メディア
東京都 都立高「都立工科高校ドリーム・フェスタ2024」開催を発表

■※4 (前述※2)都立進学指定校フェアについて詳しくは:よみうり進学メディア
東京都 都立高「進学指導指定校フェア 2024年8月25日(日)」開催を発表

■※5 都内私立の進学相談会について詳しくは:東京都私立中学高等学校協会
「2024東京都私立学校展」開催のお知らせ 8月17日(土)・18日(日)

 

課題は4つ、計画を立てて、夏に伸びよう

夏の大会までで部活動を引退する人も多いと思う。そこからが本当の受験生だ。3年生の夏は忙しい。

実力養成をしながら、定期テストや会場テスト、校内実力テスト、各種検定などに挑戦すること。

さらに、各高校の体験入学や説明会に参加し、志望校を見つけるなどの重要な事項が控えている。

ふだんからの生活や健康に留意し、これからの日々を過ごしていってほしい。健康管理も、皆さんの重要な受験対策だ。

学力の向上、調査書対策、志望校の研究、健康管理が夏の課題だ。

 

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

 

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