A1
そのまま続けてください。もちろん、やり方を変えてみるなどの工夫はいくらでもやっていいのですが、始めたことは最後まで続けましょう。
一単元終わらせるのに時間がかかるのは、理解が不十分だからでしょう。思い出そうにも最初から頭に入っていないので思い出しようがないのです。1・2年でもう少しちゃんとやっておけば良かったですね。
と言って、今から1・2年の過去に戻ってやり直すわけにも行かないので、これから頑張ってください。
勉強というのは、前に覚えた知識が次の問題に応用できるという面もあるので、一つひとつの知識を確実なものにしていけば、少しずつ時間短縮できるのは間違いありません。
ただ、仮に時間短縮できたとして全範囲を終わらせることができるかどうか。これは残念ながら予見できません。終わらせられるか、終わらせられないか。やってみなければ分かりません。終わらせられると信じてやってみましょう。
ひとつ注意しておきたいのは全範囲終わらせることに固執しないことです。前述したことと矛盾するように聞こえるかもしれませんが、全範囲終わらせることにこだわるあまり、一つひとつの単元の理解が不完全であったら何にもならないということです。
あいまいな知識がいくらたくさんあっても、そんなものは入試当日、何の助けにもなりません。なぜなら、入試で求められているのは完全な理解だからです。
理想は全範囲ですが、「少しやり残した部分はあるけれど、それ以外はパーフェクト」という状況に持っていったほうがいいと思います。
A2
合同説明会でいろいろな学校を見て、あそこもいいな、ここもいいなと目移りしてしまったのかな。
でも、これは決して悪いことではないと思いますよ。レストランでメニューを見て、あれも食べたい、これも食べたいと思ってしまう人は、たいていは好き嫌いがなくて食欲もある健康な人ですね。それと一緒にするわけではありませんが、「あそこも嫌、ここも嫌」という人よりずっといいと思います。そういうタイプの人は、どこの学校に入ってもちゃんとやっていけると思います。
とは言え、時期が来れば「本命1校、押さえ1校プラスアルファ」と数校に絞らなければなりません。ただし、今(9月)はまだその時期ではないので無理に絞り込む必要はないでしょう。逆にもっと増えてもいいくらいです。
外さないほうが良いポイントということですが、この回答は難しいです。なぜなら、あなたがどんな高校生活を送りたいのか、高校卒業後どんな将来像を描いているかなどがまったく分からないからです。
これらに正解はありません。もしたったひとつの正解があるとしたら、受験生全員が同じ高校を選ぶことになってしまうでしょう。
先生やご家族など身近な人の意見は参考になります。聞いておいて損はありません。そのうえで、外せないポイント、外しても差し支えないポイントを自分で見つけ出してください。
A3
夏休みの計画が半分くらいしかできなかったのは、計画の立て方に問題があった可能性が高いですね。最初からできるはずのない計画を立ててしまったのでしょう。そのあたり、もう一度振り返ってみてください。
たとえば、「これくらいできたらいいな」というのは計画と言うより願望ですね。「ここまでやる」というのが計画です。まあ大人でも願望と計画をごっちゃにしてしまうのはよくあることなので中学生なら仕方ないとは思います。
いずれにしても半分はできたのだから、これを「糧(かて)」として次に進みましょう。
想像ですが、夏休みにやろうと思ったのは1・2年と3年1学期(夏休み前)までの復習でしょう。それが半分しかできなかったということは、夏休み40日として20日分、30日として15日分の遅れとなります。
これは一気に取り戻せる遅れではありません。2学期の授業が始まると予習復習が必要になるでしょうし、宿題や課題も出るでしょう。ですから遅れのばん回だけに時間を使うわけにはいきません。
たとえば1週間あたり2日分の遅れを取り戻せたとしたら2か月で16日分のばん回となりますから、これくらいなら何とかなりそうですね。半分だけでもやっておいて良かった。
遅れというのはどうしても一気に取り戻したくなるものですが、それは考えないほうがいいと思います。無理した結果が別の遅れを生じさせてしまう危険があるからです。
まだ9月。あわてる必要はありません。
A4
入試本番まであと5~6か月ありますから、現時点の学力が志望校にとどいていないとしても直ちに変える必要はありませんね。合格可能性を高めることに全力をあげてください。
ただ、現実問題としては、学力がとどかず志望校を変えなくてはならない場面がやってくるかもしれません。また、合格確実と言われとしても万一に備えて押さえ(俗に言うすべり止め)を考えておくのが入試の常道です。ですから本命(第一志望)以外の学校も見ておくべきです。
果敢にチャレンジする姿勢は好ましいものですが、第二、第三の手を打っておくことや最悪のケースに備えておくことも重要です。そして、その方がチャレンジ成功の可能性が高まると思います。
以上のことを人生の先輩としてアドバイスしてあげるのはいいと思います。
子供抜きで情報収集に行くのはありかどうかですが、高校選びではあまり意味があることとは思えません。子供とは言っても中学3年生15歳は、あと3年すれば成人です。将来に関わる大事な選択は本人にさせたほうがいいと思います。
食べるものや着るものの選択であれば何度でもありますが、高校選びは後にも先にもこの1回だけです。
人生でたった一度の選択。だから「それだけはあなた自身で決めなさい」。わが子の成長を願うならそうしていただきたいと思います。
お子さんの選択を信じましょう。それとも、うちの子の選択なんか信じられないとでも言うのでしょうか。そんなことありませんね。
子供たちは親が思っている以上にものごとを深く真剣に考えているものです。
(回答者 教育ジャーナリスト 梅野弘之)
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