よみうり進学メディア

東京 入試情報
2024.10.18

<2025年度入試>東京入試情報「私立高校の入試要項出揃う」

令和7年度 私立高校入試変更点
私立高校の入試要項出揃う
ネット説明会も有効に活用しよう

令和7年度入試に向けて、私立高校の募集要項が出揃った。※1

今春に4回目の大学入試改革が実行され、高校では新学習指導要領の完成年度を迎えた。現在の中学3年生は、中学・高校で新課程が完成した2回目の学年となる。

新しい教育、新たな大学入試に対して、多くの学校で研究・対策が進められている。同時にそのための校名変更、共学化、コースの新設や改編が相次ぐ。

また、都立高校では、6年度入試から男女合同選抜となっている。併願での私立高校受験が必須だ。

高校の説明会や相談会は、申し込み制や定員制など制約はあるが、できるだけ参加し情報収集をしておきたい。

■※1 令和7年度の「東京都私立高校の募集要項」について詳しくはこちら:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉東京都 「私立高入試要項一覧」発表-令和7年度

 

急ピッチで進む、社会の変化への対応

令和4年4月からの学習指導要領の改訂を機に、高校では新しい教科に加えて、思考力・判断力・表現力を育む教育を視野に改革を推し進める学校が増加している。
グローバルな視野、探究型授業、コミュニケーション能力の育成、プレゼンテーション能力の育成、英語力の育成、ICT教育などだ。

また、ネット社会の進歩や自動運転システム、人工知能(AI)やロボット、チャットGPTなどの発達で、社会の変化も激しい。

そんな時代の学校選択では、希望する学校を調べ、入試制度や基準だけでなく、施設や教育の特色、授業内容などを知ることが必要となるだろう。

志望校の入試変化に注意

令和7年度都内私立の主な変更点は次のとおりだ。まだ調査中のため、必ず該当する学校の入試情報を確認してほしい。
(岩佐教育研究所調べ9月10日現在判明分)

■募集停止 
東京農大第一(世田谷区)

■校名変更・共学化等
英明フロンティア (練馬区)→旧校名 東京女子学院、共学化、セレクトラーニング、スタディアブロード、フードカルチャーの3コース制からフロンティアα、フロンティアの2コース制に再編。

千代田(千代田区)→旧校名 武蔵野大千代田高等学院、選抜探求、附属進学の2コース制から研究、開発の2コース制に再編。

■ 学科・コースの変更
東京実業(大田区)→探究、総合の2コースは、特別進学、総合進学の2コース制に再編。総合進学コースはⅠ類(旧探究+総合)クラス、Ⅱ類(旧総合)クラス、Ⅲ類は総合のサッカークラスの2コース3クラス制に。

朋優学院(品川区)→国公立TGコースをTGコースに国公立AGコースをAGコースに特進SGコースをSGコースに再編。全コース1年次は共通カリキュラム、2年次国公立、文系、数理の3コース制に。

自由ヶ丘学園(目黒区)→アカデミックコースグローバル専攻、サイエンス専攻を募集停止。プログレス、アドバンス、アカデミックの3コース制へ。

日本工業大駒場(目黒区)→理数特進コースを募集停止。特進、総合進学、文理未来の3コース制に再編。

佼成学園女子(世田谷区)→国際コース留学クラスを留学コースへ、国際コーススーパーグローバルクラスをスーパーグローバルコースに再編。特進、進学の2コースと併せ4コース制に再編。

東京家政大附女子(板橋区)→特進E、進学ⅰ の2クラス制をSAコース特別選抜(SA)、CAコース特別進学(CA)、内部進学(TKU)の2コース3クラス制に。

成立学園(北区)→スーパー特進、特進の2コースを特進、総合の2コース制に再編。

サレジアン国際学園(北区)→本科、グローバルスタディズの2コースから、本科、インターナショナルの2コースに再編。インターナショナルは、AG(アドバンストグループ)とSG(スタンダードグループ)に分かれる。

関東第一(江戸川区)→特進、進学A、進学G、スポーツの4コースをハイパー、アドバンスト、アグレッシブ、アスリートの4コースに再編。

東京純心女子(八王子市)→特進プログラム・セレクトデザインの2コース制を、特進、セレクトの2コースに改編。

昭和第一学園(立川市)→特別選抜コースを英語コースに再編。選抜進学、総合進学、デザインの各コースと併せ4コース制に。

サルジオ高専(町田市)→デザイン、電気工学、機械電子工学、情報工学の4学科制から、情報工学の1学科制に改編。

 

私学独特の入試制度を研究しておこう

都内外の私立高校の学校説明会や個別相談会が佳境に入った。申し込み制や定員制など制約は多いが、ぜひとも参加しておきたい。
説明会に参加することで、各コースの内容、教育課程、進学実績、入試の種類や基準などの詳細な情報を得ること、学校での開催では校舎施設見学もできる。

個別相談では、いろいろな質問に答えてもらえるだけでなく、「合格の可能性」を聞くことができる。

私立では、各学科に多様なコース、類型などを設けている場合がある。自分に適したコースの選択も重要な要件だ。

また、第一志望者を対象とする入試と、都立との併願を前提としての入試を設けている学校が多い。さらに、ほとんどの学校で、第一志望者と併願での受験生に対して、独自の優遇制度がある。
これらの優遇制度の利用が、私立受験で合格を勝ち取るカギとなる。

都内生対象の推薦入試は1月22日から、一般・併願入試は2月10日から開始される。
出願日や入試日程、手続き締切日などを調べ、受験カレンダーを作っておきたい。

 

令和6年3月卒業生の進路状況が発表された

7月末に今春に公立中学校を卒業した先輩たちの進路状況が発表された。※2
卒業生は7万8,953人、高等学校等への進学者は、7万7,591人で98.3%となっている。
また、全日制課程は6万8,282人で86.5%、定時制課程は2,829人で3.6%、通信制課程は5,450人で6.9%だった。

全日制課程では、都立進学者が4万215人で58.9%、同私立が2万4,554人で36.0%、他県進学者が3,259人で4.8%などとなっていた。

単なる数字の羅列と見えるかも知れないが、一人ひとりの進路には、先輩たちの喜怒哀楽の歴史が詰まっている筈だ。
これから皆さんの歴史が開始される。

■※2 「令和6年3月卒業生の進路状況」について詳しくはこちら:よみうり進学メディア
東京都 令和5年度公立中学校等卒業者(令和6年3月卒業)の進路状況調査の結果(速報値)について

 

都内の在籍はやや減少、都立募集定員は前年並みに

9月上旬に、東京都の教育庁と私立中学高等学校協会の定員分担の会議が開催された。

都内公立中学校の3年生は、前年より約220人減少する(東京都就学計画より)。また、都立高校の募集定員は、前年とほぼ同数になる見込みだ。

前年度は、推薦で2.47倍、第一次・選抜前期で1.35倍となった都立入試だが、7年度も高倍率で推移すると見られる。

都立入試では、6年度入試から推薦に基づく選抜を含め、全選抜で男女合同選抜に移行した。
5年度までは女子の倍率が男子よりやや高くなっていたが、定員枠の撤廃により男女はほぼ同率になったと予想される。

性別による有利・不利は無いが、都立入試では、推薦・一般とも高い倍率という壁が存在する。
都立希望者は、併願での私立受験を検討してほしい。

 

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

 

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