よみうり進学メディア

入試情報
2020.5.15

〈2021年度入試〉5月のテーマ「いま受験生が出来ること」

臨時休校で得た自学自習力がこれからの受験勉強で生きてくる

長期にわたる臨時休校措置は皆さんに辛い経験をさせてしまいました。不安も与えてしまいました。

しかし、それにより自ら計画し学習するという大変貴重な経験をすることもできました。これは必ず今後の受験勉強に生きてくるでしょう。

私たちは今、未曾有の事態に直面しています。(未曾有<みぞう>は、今までに一度もなかったことを言います)
戦後の歴史の中で、これほど長期間にわたり学校が休みになったことはありません。ですからこれは、学校の先生にとっても、皆さんのお父さんお母さんにとっても、人生で初の経験なのです。
ふつうは、初めての経験であっても、それまでに似たような経験をしていることが多く、それが参考になるのですが、今回はそれもありません。

不安を抱いているのは皆同じ
この先どうなるのか。たとえば修学旅行は行けるのだろうか、部活の大会は開かれるのだろうかなど不安は尽きないと思います。そして何よりも心配なのは高校入試のことです。
そこでまず、皆さんに大事なことを伝えます。
最初にも述べたように、日本中、いや世界中の人が今、初めての経験をしています。また、似たような過去の経験も持っていません。つまり、この点において誰もが同じ条件下にあるのです。
不安なのはあなただけではありません。みんなで助け合い、励まし合って、この苦しい状況を乗り切りましょう。

条件の違いより、考え方・行動の違いが大きい
さて、条件はみな同じという話をしました。その点において有利不利はないということです。しかし、同じ条件下であっても、人々の考え方や行動はそれぞれ異なります。
厳しい状況の中でも、何とか勉強時間を確保し、学力の維持・向上を図ろうとしている人がいます。一方、学校や授業という束縛がなくなったため怠惰な生活になってしまっている人もいます。これは条件の違いではなく、ものごとの考え方から来る行動の違いなのです。

自学力が必要な夏休みと似た状況
今年は授業の遅れを取り戻すため、大幅に短縮される見通しですが、通常ですと7月下旬から夏休みに入ります。
この夏休み期間は、受験生の間に大きな差がつきやすいと言われています。課題などは出されると思いますが、基本的には、受験生それぞれが自分で計画を立てて学習します。時間も内容も自由です。目の前に指示を出してくれる先生はいません。
ですから、自学自習が得意な人と、苦手な人との間に大きな差がついてしまいます。それが夏休みです。
さあ、そうなると、4月新学期以来続いている状況は、夏休みと非常によく似た状況であると思えてきませんか?

2年までの復習なら出来る
もちろん、外出自粛が求められていて、友達と自由に会えないなど異なる部分が多いのですが、受験生にもっとも必要な自学力が求められている点は共通です。
まだ授業で習っていない内容を自力で進めるのは難しいかもしれません。しかし、すでに習った内容を復習することはできます。
臨時休校のない通常の状態でも、2年までの復習は結局のところ自力でやらなければならないのです。休校が長引くようであれば、今のうちに2年までの復習をしっかりやっておきましょう。

高校ホームページで情報収集
今年は各種進学イベントが中止または延期になっています。が、その分各高校ともホームページによる情報発信に力を入れています。オンライン説明会を行ったり、ツイッター・ラインなどSNSによる情報発信を行っている学校も少なくありません。
公立高校入試に関しては、県教育委員会から発信される情報をチェックしておきましょう。もっとも信頼できる情報です。
このような非常事態のときは、さまざまな噂が飛び交うものです。デマに踊らされないようにしましょう。

※編集部からのお願い
新型コロナウィルス感染症をめぐる世の中の動きは刻刻変わっています。ですから、ここに書いた内容の中には、実情に合わない部分があるかもしれません。その点についてはどうかお許しいただきたいと思います。
なお、本紙WEBサイトでは、随時最新情報をお伝えしています。