いよいよ令和7年度入試本番、志望校決定の時期となった。
1月9日からの都立高校の推薦入試への出願から、1月26・27日の都立推薦入試、15日からの私立高校の推薦出願から22日の推薦入試、2月21日の第一次・分割前期の入試(以降は一般入試と呼ぶ)、3月3日の合格発表まで、およそ2か月に及ぶ高校入試が開始される。
これからの時季、インフルエンザなどの感染症の流行もあるで、健康に留意すること、強い意志で志望校を選択すること、本気で勉強できるかなどが、受験期を乗り越えるためのポイントになるだろう。
今号では、既報もあるが、現時点のチェックポイントをまとめた。
12月中旬には、調査書が確定する。同時に、中学校校長会の「都立高校への進路希望調査」が実施され、冬休み明けには、学校ごとの希望人数が発表される。令和7年度入試への受験生の動向を知るための重要な資料だ。
1月中頃までに発表される志望状況は、君たちの志望校選定のための参考になるはずだ。
都立希望者は、推薦・一般と2回の受験チャンスがある。私立併願を含め、受験作戦を立てて本番に備えてほしい。
都立の全日制の推薦入試は、6年度入試では、平均倍率2.47倍、一般入試でも、1.35倍となり高倍率が続いている。※1
また、6年度入試から、男女合同選抜が実施された。男子だけではなく女子も、倍率以上に厳しくなる学校があるようだ。
そのため、私立高校の併願制度を利用した受験を検討しておきたい。
ただし、私立高校の併願受験は、2月10日から開始されるため、一般入試の出願の時点では、まだ受験前となる。
このため、都内私立高校の多くが設ける「併願優遇制度」を利用するケースが多いようだ。
また、私立第一志望の場合は、単願・推薦の優遇制度があり、各校が発表する基準をクリアした生徒は、12月中旬から中学校の先生を通しての(入試)相談を受け付ける高校が多い。
担任の先生への報告・連絡・相談を欠かさないことが何より重要だ。
■※1 昨年度(2024年度)都立合格発表時の数値について詳しくは:よみうり進学メディア
・推薦:〈2024年度入試〉東京都 「都立高推薦 合格発表!」-令和6年度
・一般:〈2024年度入試〉東京都 都立高校一般合格おめでとう「合格者数・各校倍率」-令和6年度
■※2 東京都内私立高校の入試要項・学校別日程表はこちら:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉東京都 「私立高入試要項一覧」発表-令和7年度
都立高校の入試問題の出題範囲は「中学校の3年間で学習した内容」とされている。また、各学年の内容がまんべんなく出題されることも特徴となる。
令和3年から新しい学習指導要領の施行があり、同時に、教科書が改訂された。皆さんは、中学入学時点から新課程で、これまでにない分野を学んでいる。
7月号の本誌の再掲になるが、数学では、中1の時に「累積度数・累積相対度数」、中2で「箱ひげ算」「四分位数・四分位範囲」「反例」などが加わり、英語では、単語数が増加するとともに、「感嘆文」「仮定法」「原形不定詞」「現在完了進行形」、理科では、「ダニエル電池の実験」が加わっている。
特にこの分野は復習しておいてほしい。
学習指導要領で目標とされた教育の目標として、各教科の知識・理解は無論だが、それに加えて思考力・判断力・表現力などを重視することになっている。
このため「資料文の提示」や「対話形式での出題」といった形式が増えてくるかもしれない。
先日実施された「令和6年度 中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J YEAR 3)」も、これまで行われていなかった英語の4技能(読む・書く・聞く・話す)のうち、話す力を見るためのものだ。
入試問題は中学3年生で習った範囲の出題が多いが、各学年の履修内容から万遍なく出題される。教科書を中心に中学1・2年生の内容から見直しておきたい。
また、都立・私立ともに過去数年の入試問題(過去問)を繰り返し解いてみることは参考になる。
同じ問題は出題されないし、新しい分野が加わる可能性はあるが、入試の出題方法や難易度に変化はないはずだ。
都立一般入試の学力検査に基づく選抜では、独自問題実施校を除く全校でマークシート方式によって実施される。
マークシート方式では、記述式解答と異なる点があるので注意が必要だ。
・H、HBなどのやわらかめの鉛筆を使用する。
・解答用紙に傷がつかないよう筆圧に注意する。
・書き直す場合、消しゴムであとが残らないようきれいに消す。
・「消しゴムのかす」が残らないよう注意。
・解答欄のずれや、2重マークを見直す。
などを特に押さえておいてほしい。
私立高校の推薦の出願まで6週間、公立の出願までも2か月を切った。
これから、冬休み期間中を含めて皆さんにやってほしいことは、計画を立てて、それを実行することだ。
苦手とする教科を中心としても良いし、得意教科をさらに強めるのも良いと思う。
また、1年生からの教科書やノートを見返すのも良い。
入試までの期間、しっかりと計画して、実行できたなら、それはこれからの自信に繋がるに違いない。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)
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