よみうり進学メディア

入試情報
2025.3.17

〈2026年度入試〉受験生Q&A 「効率のよい勉強法を教えてください」ほか

Q1
受験勉強は何から始めるべきですか? 効率の良い勉強方法を教えてください。


受験勉強を始めるには、まず基本的な計画を立てることが大切です。この場合の計画は細かく立てる必要はなく、大ざっぱなもので構いません。

志望校や志望学科などが具体的に定まると勉強が進めやすくなりますが、初期の段階では1校に絞らなくても大丈夫です。ただ、志望校の決定はできるだけ早いほうがいいです。

自分の強みや弱みを把握するために外部の模擬試験などを受けてみるのもいいでしょう。ある程度受験勉強が進んでからと考える人も多いようですが、自分の現在地(=今の実力)を早く知ったほうが対策は立てやすいでしょう。対策とは、どの教科、どの分野に力を入れるべきかなどのことを言います。

入試問題の大部分は基本問題で構成されています。このことは実際の入試問題を見てもらえれば分かります。もちろん応用的な問題も出るわけですが、配点のほとんどは基本問題に当てられています。基礎基本を固めるには、教科書の復習が最適です。いきなり難しい参考書などに手を出すとかえって時間をロスしてしまう危険性があります。

以上が効率の良い勉強法という質問に対する回答です。

効率の良い勉強法とは、決して「楽をして成績を上げられる勉強法」というわけではありません。効率の良い勉強をすれば無駄を省くことができ短い時間で済ますことができるでしょう。しかし、こうして生み出された時間は次の勉強、もっと上の勉強に当てるわけなので最後まで楽になるということはないのです。

 

 

 

Q2
苦手科目を克服したいのに、数学の復習が進みません。塾に行ったほうがいいですか。


数学に限らず、苦手教科の学習が思うように進まないというのは多くの人が経験することです。そのような場合、塾に行くこともひとつの選択肢ですが、その前にいくつかの方法を試してみて、それからでも遅くはないでしょう。

苦手を克服するという決心はすばらしいものですが、あまり自分自身を追い込まないほうがいいと思います。たとえば、人前で話すことが苦手という人がいたとしましょう。努力で克服し、得意にすることもできるかもしれません。でも、その努力を元々ある程度得意だったことに振り向けたとしたら、さらに良い結果が待っていたかもしれません。苦手というのは、それが極端なものでなければあってもいいのです。そう考えれば、取り組み方も変わってくるでしょう。

目標はどちらかというとやや低めに設定し、小さな成果を喜ぶことにしましょう。達成感が次の頑張りにつながります。

学習スタイルにも変化を与えてみましょう。今は動画解説やオンライン授業も無料で見られます。

それと、あなたの実力をよく分かっている学校の先生(数学担当の先生)に相談してみましょう。これは今すぐやってほしいことです。あなたがどのあたりで躓(つまづ)いているのかは専門家である数学の先生ならすぐに分かります。何をやったらいいか、どのようにやったらいいか、それらについてアドバイスをもらいましょう。

それでも何も変化せず、効果が感じられなければ、その時は塾に通うことも考えてみてください。

 

 

 

Q3
「偏差値だけで志望校を決めないように」と先生から言われましたが、他に思いつきません。

 


高校にはそれぞれ教育方針があります。その方針に基づいて教育課程(カリキュラム)が作られ、学校行事なども計画されています。中学校は義務教育なので、日本全国の中学生が同じ教科を同じ時間だけ学んでいますが、高校はそうではないのです。

ですから、偏差値的には同じであっても、勉強の内容やレベルが同じということにはなりません。先生が「偏差値だけで決めないように」というのは、そういうことを言っておられるのです。志望校を決める際には、偏差値だけでなく、さまざまな要素を考慮することが大切です

まず、自分が興味を持っている分野や学科が充実している学校を探してみましょう。好きことを学べる環境は勉強への意欲を高めるでしょう。

キャンパスの雰囲気や施設・設備、交通アクセスなども重要です。通学方法はどうなるのか、時間はどれくらいかかるのかなどは3年間毎日通うことを考えればかなり重要です。学校見学や説明会で実際に確かめましょう。

やりたい部活がある人は、部の雰囲気や練習環境なども実際に見ておきましょう。部活体験などがあれば参加しましょう。

卒業生の進学先や就職先も大きな判断材料になります。また、学費や奨学金制度なども重要な要素です。自分だけで判断できない場合はご家族の意見も聞きましょう。

このように、高校は偏差値だけでは見えない部分の方が多いのです。それらをしっかりと確認し、自分にとって最適な学校を見つけてください。

 

 

 

Q4
将来の希望も、好きな学科も特にありません。普通科に行けばなんとかなりますか。

 


「なんとかなる」というのがどういう状態を指しているのかは分かりかねますが、普通科に進学することは、多くの選択肢を持てるという意味では良い選択と言えるでしょう。

普通科の学習は基本的には中学校の延長的な面もありますが、学ぶ内容が深まるので自分の興味や得意な分野を見つけるチャンスは広がるでしょう。将来の進路が明確でないとき、広範な学びを通じて自己発見をすることができるのは普通科の大きなメリットです。

しかし、以上のことは普通科というシステムの利点を述べているのであって、普通科に入りさえすれば、将来の希望が自動的に決まるわけではありません。一つひとつの教科・科目の学習に真剣に取り組まなければ自分の適性を発見することはできません。その意味では「普通科に行けばなんとかなる」わけではないのです。

中学生の段階で将来の職業まで決めている人はそれほど多くはないと思います。試しに両親、祖父母など身近な大人に「中学生の時に希望した職業に就けたかどうか」を尋ねてみましょう。おそらく、そうはなっていない場合が多いのではないでしょうか。ただし、それは、どうせ変わるのだから考えなくていいとか、考えても無駄ということではありません。常に考えてください。映画やドラマを見ても、本や漫画を読んでも、人の話を聞いても、自分に置き換えて考えてみたり、将来と重ね合わせて考えてみたりできるのが中学生なのではないかと思うのです。

 

(回答者 教育ジャーナリスト 梅野弘之)

 

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