令和7年度の都立高入試は、私立高校の授業料助成金制度の年収制限が撤廃されたことが影響し、過去最も低い応募倍率を記録しました。
一方、都内私立高入試においては、私立志向がさらに高まり受験生が都立高から私立高の推薦入試に向かいました。
特に進学校でその傾向が目立ち、附属校では難関校より中堅上位校で同様の動きがみられました。一方で女子校は今回の私立志向の影響はあまりみられませんでした。
そんな令和7年度、都内の私立高入試を振り返ってみましょう。
明治大学や中央大学の附属校など系列大学への進学率が高く、併願優遇制度を導入していない附属校の応募者数は推薦では微増、一般は微減となりました。
応募増で目立ったのは明治大学の付属で、明大八王子と明大明治は推薦・一般ともに増、明大中野は推薦が増加しました。
また、男女の募集定員を同じにした早稲田実業も推薦・一般とも増、中央大学杉並は推薦入試で女子の応募者が増加傾向です。
しかし中央大学と法政大学は推薦・一般ともほぼ前年度並み、早稲田高等学院は推薦が減、一般は変わらず、中央大学附属、青山学院、慶應義塾女子、明治学院は推薦・一般とも応募減になりました。
都立高では進学重点校の応募者が全体的に増加していることから、私立の難関大学附属校はやや伸び悩んだようです。
通常は出願条件の変更によって応募者が増減するのが一般的で、今年度も条件を利用しやすいように変更した錦城、駒込、郁文館、成立学園、豊島学院、東亜学園、啓明学園などで推薦応募者が増加しました。
しかし大きな変更がないのに応募者が増加した学校が目立ったのが今年度の特徴といえるでしょう。しかもそれらの学校が錦城学園、実践学園、岩倉、杉並学院、東洋、正則、八王子実践、昭和第一学園など、都立高との併願校として利用されていた中堅校で目立ったことが、都立高から私立高への移動を感じさせました。
大学附属校でも工学院大学附属、中央学院大学中央、東海大学菅生、東京成徳大学、二松学舎大学附属、文化学園大学杉並、武蔵野大学などで推薦応募者が増加しています。一方、女子校ではそれほど大きな変化はなく、例年通りの入試で留まりました。
このような私立志向の高まりと合わせるように、私立高校自体が大きく変わってきています。
7年度は東京女子学院が英明フロンティアとなり、科学技術学園が全日制に移行しました。
8年度は日本学園が明治大学付属世田谷になるほか、順天が北里大学の系列校になる予定です。
昨年度21万ユーザーが利用した検索サイト「併願ドットコム」のデータから、都内私立高校のエリア別検索ランキングを見てみましょう。結果として、次のような学校が上位となっています。
【23区エリア】
駒澤大学・目黒学院・駒場学園・自由ヶ丘学園・専修大学附属・実践学園・豊島学院・杉並学院・日本大学鶴ヶ丘・国士舘
【多摩エリア】
昭和第一学園・明星・八王子実践・明治大学付属明治・法政大学・錦城・拓殖大学第一・八王子学園八王子・大成・桜美林
豊富なコースや特色のあるコースを持っている学校、高校募集だけの学校などを中心に、受験生が興味を示していたことがうかがえます。
可能な限り多くの学校に足を運び、自分にあった志望校選びをしていきましょう。
監修:株式会社 リヴィジョン
■私立高校の動きについては過去の概況も確認しておきましょう。
・「東京都 私立高校令和6年度」:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉東京都 私立高校「令和6年度 私立高入試の概況」
・「東京都 私立高校令和5年度」:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉東京都 私立高校「令和5年度 私立高入試の概況」
・「東京都 私立高校 令和4年度」:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉東京都 私立高校 「2022年度(令和4年度) 東京都内私立高入試の概況」
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