よみうり進学メディア

東京 入試情報
2025.5.21

〈2026年度入試〉東京入試情報「令和7年度入試の結果から8年度入試を臨む」①

入試を知り、志望校を見つけ、目標を立てよう

連休が明け、中学3年生はいよいよ令和8年度入試に向けて本格的に始動する時節が到来した。

都立高校の入試では、令和5年度入試から英語スピーキングテストの実施、6年度に男女合同選抜への移行などの変化があった。

また前年から私立高校入学者に対して、世帯の所得上限と授業料の助成の上限が拡大され、最大49万円までの授業料の無償化が実施された。

これらに伴い、入試にも変化が起こっている。
今回と次回、7年度の都立入試を振り返りながら、8年度入試を予測する。

 

在籍減に都立は8学級320人の定員減を実施

令和7年度入試に臨んだ受験生は、前年より約210人減少した(令和6年公私連絡協議会資料)。都立全日制では、8学級分320人の募集人員減が実施された。
学校ごとでは、竹早、広尾、府中の3校で1学級増となり、城東、狛江など11校で1学級減となった。

さらに工業科の学科改編では、六郷工科で工学科(プロダクト・オートモビル・システム・デザイン・デュアルシステム)が募集停止となり、ものづくり工学科5学級が新設されている。

令和8年3月の公立中学校の卒業予定者は、前年より1,000人程度減少する(6年5月1日現在 学校基本調査)。 都内への人口流入が続く中、このままだと都立高校の募集人員は13~14学級程度減少すると見られる。

志望校の選択では、前年の倍率や募集人員の増減が影響することも多い。変更があった学校や学科の動向に注意が必要だ。
募集人員は10月中旬に発表される。

 

公立中学校卒業予定者の進路希望調査から

2024年12月12日に実施された進路希望調査は、今春の公立中学校卒業予定者の第一志望を調査する目的で行われた。

卒業予定者7万7,856人のうち、全日制課程志望者が全体の88.0%となっていた。うち都立高校志望者が58.7%、国立・私立志望者が29%などだった。

通信制希望者が3,795人、卒業生の5.1%に増加し、都立希望者が4.6%減少し、国立・私立希望者が4.3%増加していた。
東京都の私学進学者に対する授業料助成が最大で49万円、通信制が27万6,000円と、拡大したことが影響したと考えられる。

 

7年度の倍率は推薦・一般とも減

 令和7年度の都立入試では、12月の進路希望調査の結果の通り、推薦に基づく選抜(以下推薦)は前年の2.47倍から2.27倍に、普通科合計でも2.86倍から2.59倍に減少した。※1

また、第一次・分割前期(以下一般)も、最終倍率で前年の1.35倍から1.27倍へ、普通科も1.38倍から1.30倍に低下していた。一般の最終応募総数では、募集定員が前年より265人減少したが、同3,177人減少していた。※2

不合格者も前年の10,058人から7,689人へと減少したが、受験生の2割強が不合格になる厳しい状況は続いている。

※1 令和7年度都立高校「推薦」合格発表時の詳細はこちら:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉東京都 「都立高推薦 合格発表!」-令和7年度
■※2 令和7年度都立高校「一般」合格発表時の詳細はこちら:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉東京都 都立高校一般合格おめでとう「合格者数・各校倍率」-令和7年度

 

東京都中学校英語スピーキングテストの実施

 英語4技能(読む・書く・聞く・話す)のうち「話す」ことを評価する英語スピーキングテスト(ESAT‐J YEAR3)が令和5年の入試選抜から本格的に実施されている。

テストは11月24日に230の外部会場で実施、12月15日に15会場で追検査が行われた。参加者は70,741人、平均点は68.3点と発表されている。

結果は1月中旬に個人・中学校へ返却され、A~Fの6段階で評価される。

各高校では、調査書に記載された評価を0点から20点に換算し、入試得点と調査書得点の合計値に加1,000点点満点の合計得点への加算ではあるが、この加点は大きい。

なお12月に実施された中学校長会の進路希望調査では、卒業予定者7万7,856人のうち全日制志望者が6万8,529人となっていたが、卒業予定者の91%、全日制志望者のほぼ全員がテストに参加したことになる。

7年度の実施日は、本試験が11月23日、予備日が12月14日に実施されることが発表されている。ESAT‐J YEAR3の受験を予定しておいてほしい。

■「英語スピーキングテスト(ESAT-J)」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉東京都 都立高「令和6年度ESAT-J YEAR 3 実施状況」

 

 

評定を意識して受験期を過ごそう

 今春の卒業生の評定調査が都教育庁から発表された。
教科により多少の違いはあるが、全体では、
5…12.4%
4…23.1%
3…47.1%
2…13.5%
1…3.9%

となっていた。

評定3以上は、卒業生全体の82.6%になることに注意が必要だ。

令和8年度入試に臨む際のポイントは、各教科の評定をしっかりと獲得し、さげないようにすることだ。
各教科の評定の基となる観点別評価は、全教科「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点から構成される。

すべての観点がA~Cで評価され、それを基に評定が決まることになる。
定期考査の結果はもちろんだが、日々の授業態度や授業に臨む姿勢、発表する内容、提出物なども大きなウエイトを占めることになる。

さらに調査書は、1・2学期(前後期制の場合は前期と12月末まで)の評定で作成される。
受験生には、授業への集中力や緊張感などが求められている。

 

連休が明け、いよいよ受験期に突入

連休が明け、いよいよ受験を意識する時期となった。
進学相談会への参加など、早めのスタートで志望する高校と出会い、目標をもって進めていこう。

 

(岩佐教育研究所:岩佐桂一)

 

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