自分を鍛えて、この夏を乗り切ろう
令和3年度都立入試の日程と、入試への配慮事項(7頁参照)及び、2年度の入試平均点が発表された。現時点では、入試制度の大きな変更は無いようだ。
私立の各高校でも入試要項のほかに、学校説明会や施設見学等の日程が発表され始めた。新型コロナウイルス感染症予防のため、ホームページやネットを使った開催や、定員制などの制約がある実施となるが、こんな機会を是非利用しておきたい。
入試制度の理解が高校入試の第一歩
都立全日制の一般入試の学力検査では、共通問題で実施する学校は、マークシート方式となる。
また、学力検査と調査書の比率7対3(分割後期、二次募集は6対4)となり、実技系教科の調査書点は2倍にされる。
進学指導重点校グループと進学重視型単位制高校グループ、併設型中高一貫校では、国語・数学・英語の3教科の入試問題は自校作成の形(一部共通テスト問題も可)となっている。3年度では、併設型中高一貫校のうち、富士、武蔵の高校募集が停止となることから、両国、大泉、白鴎は共通問題での入試となる。
ただし、都立高校改革推進計画の実施に伴い、赤羽商業の跡地に家庭・福祉高校(仮称)が開校し、江北‐定時制を閉課程し全日制のみへの改編等が予定されている。
入試日程は、ほぼ前年を踏襲しているが、出願については、郵送等が検討されており、変更される可能性がある。
推薦出願 1月21日
受験 1月26・27日
合格発表 2月2日
一般出願 2月5・8日
受験 2月21日
合格発表 3月2日
私立高校でも、推薦や併願優遇などの制度の具体的な内容や、その基準が決定し、説明会などで告知が開始されている。
都立高校の選抜基準や私立高校の入試制度を研究すること。
各教科の評定や学力は、「自分なりの目標」を決めること。
さらに、それを達成するための努力をすることなどが、変則的な授業形態の中での、今後の皆さんの課題となるだろう。
学力検査は、教科により平均点にバラツキが
6月末に都立高校の第一次・分割前期の共通問題の学力検査結果が発表された。
学校独自問題での実施を除き、国語と数学は約34,780人、英語は約34,550人、社会と理科は約38,950人の平均となっている。
国語81.1点(71.0)
数学61.1点(62.3)
英語54.7点(54.4)
社会57.0点(52.7)
理科53.4点(67.1)
( )は前年度の平均
5教科合計では、前年度より0.2点下がり307.3点となっていた。
国語が10.1点上がり、理科が13.7点下降したが、共通問題の平均点は、これまで、国語は65~70点、他教科は55~60点になることが多く、作問の目標点とも考えられる。
この平均点は、自校問題実施校は入っていないため、数値だけで教科の難易度は測れないことに注意が必要だ。
調査書の重要度は変わらない
調査書といえば、中学校での3年次の成績(各教科の評定、観点別評価)、総合的な時間の内容と評価、出欠の記録、諸活動の記録が記載されている。
都立高校の入試では、各学校が定める基準によって、評定もしくは観点別評価が点数化される。
推薦入試では、各教科の評定、または、その基になる観点別評価が選択され、学校ごとに定めるウエイトによって点数化され、作文・小論文、面接・集団討論、実技等の点数と合算され、選抜に使用されることになる。
一般入試では、学力検査に調査書の各教科の評定点が合計(実技系教科は2倍)と、面接、小論文・作文、実技など(注)が点数化され加算され選抜される。学力検査が重視されるのは勿論だが、各教科の評定も重要な選抜資料だ。
注・学校によって実施しない検査がある。
前年の論文、作文、実技検査のテーマが発表に
集団討論では、外国の人との接し方、オリンピックやパラリンピックの開催、学校活動や学級活動について、人工知能やインターネット、プラスチックごみの問題などテーマは多岐にわたる。
小論文では、「日本と世界の税制度に関した発表分を読み、それに関する資料から問いに答え、税制度の制度としての共通点と相違点を述べる→新宿」、「各国のキャッシュレス決済比率の状況と日本におけるキャッシュレス決済の地域別利用比率に関する図表を読み取り、文章にまとめる→豊島」など、普段から話題になっている情報や資料等に接し、自分の意見を持つことが必要となりそうだ。
作文では、高校での学びや高校生活の目標などテーマに沿ってまとめるという形式が目立った。
これらのテーマの一覧表は東京都のホームページに掲載されているので、推薦入試を希望する人は、是非研究しておきたい。
計画を立てて、夏に伸びよう
変則にはなるが、夏休みを境に、受験で最も重要な時期に突入する。
9月になれば、私立高校の推薦入試が開始される1月22日まで140日余りだ。
また、実力養成をしながら、定期テストや、会場テスト、校内実力テスト、各種検定などを受け、さらに、各高校の体験入学や説明会に参加し、志望校を見つけるなどの重要な事項が控えている。
体調に留意して、学力の上昇と、志望高校の選定を意識して、これからの日々を過ごしていって欲しい。