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入試情報
2025.6.6

〈2026年度入試〉受験生Q&A 「英語の長文読解が苦手です」ほか

Q1
英語の長文読解が苦手で、いつも時間が足りなくなります。6月からどんな勉強法で英語を強化すればいいですか?おすすめの問題集やアプリがあれば教えてください。

 

A1
英語の長文読解で時間が足りなくなるのはよくある悩みですが、これは見過ごすことができない大問題です。なぜなら長文読解問題は英語の試験のメインと言ってもよく、配点も非常に高いからです。

最近よく言われる克服法のひとつがスラッシュリーディングです。これは英文を意味のまとまりごとに区切って読むことです。「返り読み」が減るので、読む時間が短縮されスムーズに英文が理解できるようになります。
紙数の関係もあり、ここで具体的なやり方を解説することはできませんので、ネット動画なので確認してみてください。「スラッシュリーディング」で検索すればいくらでも解説動画が出てきます。

多読、つまりたくさん読むことも読解スピードを上げる有効な方法です。その際、難しすぎないレベルの英文を読むようにしましょう。

最終目的は入試ですから、制限時間内に解く練習をすることも必要です。時間を計って解くことで時間配分の感覚が身につきます。

語彙(ごい)力(単語力)の強化も必要です。
長文読解では、知らない単語が多いと理解に時間がかかります。毎日少しずつ単語を覚えていくと、読むスピードが上がります。
また、それと合わせて基本的な文法をマスターしておくようにしましょう。

問題集やアプリについてはここで具体的な商品名をあげることは差し控えます。ネットで「英単語おすすすめ」「長文読解おすすめ」などと検索したうえで、実際に本屋さんで手にとってみて、自分に合いそうなものを選んでください。

 

 

Q2
最寄りの公立高校に行きたいけど、親からは「進学実績が良くないからもっと上の高校を目指しなさい」と言われます。でも、進学実績が良い高校は自分には難しそうで、入学しても授業についていけるか不安です。

 

A2
高校選びは本当に悩ましいですね。たったひとつしか選べないし、通常たった1回しか選べません。しかも、往々にして自分の希望と親の期待が一致しないのですね。さあ、どうしましょう。

高校は何となく行くところではありません。高校は義務教育ではありませんから別に行かなくてもいいのです。また、全日制でもいいし、定時制でも通信制でもいいのです。さらには普通科ではなく専門学科や総合学科でもいいのです。大事なのは行く目的です。何か実現したいことがあって、そのために高校に行くのです。

さて、そう考えたとき、あなたが最寄りの公立高校を選んだのはなぜですか。そのあたりをもう一度考えてみてください。
その高校があなたの希望を実現するためのベストの選択なのかどうかを考えてみましょう。

進学実績の良い学校に進むことへの不安があるようですが、難しい学校であっても努力と工夫次第で十分ついて行ける場合があります。それに、ついていけないレベルの人はそもそも合格しません。合格したということはついていけるということです。

おそらく、あなたには得意教科もあれば苦手教科もあると思いますが、得意教科についてはついていけるかどうか心配する必要はないでしょう。
問題は苦手教科です。こちらはちょっと苦労するかもしれません。ただ、そのことはあらかじめ分かっていることですから、今から少しずつ努力を始めましょう。そうすれば入学までには何とかついていけそうだと思えるレベルに到達できるでしょう。

 

 

Q3
志望校の候補に部活が強い学校と、勉強に力を入れている学校があって迷っています。高校選びで部活と勉強のバランスを考えるとき、どんなことを基準に選べばいいですか?

 

A3
あなたが高校生活に何を期待するかの問題ですね。あるいは、あなたは将来どうしたいかの問題です。

部活で結果を残したい場合やその経験を活かした進路を選びたいなら、迷うことなく部活が強い学校です。
一方、大学進学を重視するなら、勉強に力を入れ進学実績を出している学校の方が有利でしょう。

難しいのは、部活でも結果を残したいし、大学進学も重視したいという場合です。
でも、こういう人は結構たくさんいます。たくさんいるので、それに応えようとする高校もたくさんあります。

一般に強い部活は練習時間が長くなることが多いです。休日も練習や遠征や大会でつぶれることが多いです。そういう中で、どれだけ学習時間を確保できるかが課題となります。顧問や監督の先生は両立を目指す部員を応援してくれると思いますが、問題は学校全体として両立を支援する仕組みがあるかどうかです。
部活の練習後に自習室が使えるかとか、大会などで授業を欠席した場合のフォローがあるかとか、補講などが部活の練習と両立できる日程になっているか、などです。学習サポートの仕組みをしっかり調べると良いでしょう。

学校説明会のほかに部活体験(部活見学)などを計画している学校も多いので、それらに参加してみましょう。部活の雰囲気も知ることができますし、在校生の先輩たちからアドバイスがもらえるかもしれません。部活と学業の両立は難しいことですが、得られるものも2倍ということですから頑張ってみてください。

 

 

Q4
中2です。高校受験のことを考えると、そろそろ勉強を頑張らないといけないと思うけど、スマホやゲームに時間を使っちゃいます。勉強のやる気を出す方法や、スマホを触らずに集中するコツを教えてください。

 

A4
ついついスマホに手を出してしまうのは中学生あるある、いや全日本国民あるあるかもしれません。電車に乗ってみれば分かりますが、スマホを手にしていない人を探す方が難しいくらいです。

スマホを触らないためには物理的に遠ざけることです。
机の上に置いておくと、つい手が伸びてしまいます。視覚の範囲からスマホを追放しましょう。アプリの通知などもオフにしておきましょう。

とはいえ、スマホにまったく触れない生活など現代では考えにくいので、使っていい時間と使ってはいけない時間を分けるとか、使っていい場所と使ってはいけない場所を分けるなど自分なりのルールを設けることです。

やる気を引き出す方法のひとつは目標を明確にすることです。
実現したい目標が特にないのに頑張れる人などたぶんいません。「〇〇高校に合格する」と具体的な目標を決めることでモチベーションがアップします。
さらに「〇〇高校に入ったら〇〇をしたい」など入学後の楽しみもイメージすると意欲が湧くでしょう。

ただし、いきなり目標が大き過ぎると意欲が出てこないことが多いです。ですから「30分だけがんばる」とか「1ページだけやる」といった形で、少しハードルを下げたほうがいいです。それにより小さな達成感を味わうことにしましょう。
また、ついでに自分へのご褒美を用意してみるのもいいでしょう。「1時間勉強したら好きな音楽を聴く」など楽しみを作ると続けやすくなります。人はそれぞれ性格が異なるので、やる気が出てくる方法もさまざまです。いろいろ試してみましょう。

 

 

Q5
中3の保護者です。志望校選びで、子供は部活や友達の雰囲気で高校を選びたがっていますが、親としては学習環境や進学実績を重視したいです。子供の希望と親の意見が対立したとき、どうやって話し合えばいいですか?

 

A5
子供が部活や友達の雰囲気で高校を選ぼうとし、親は学習環境や進学実績で選ばせようとする。よくあることです。なぜこのような食い違いが生まれるかというと人生経験が違うからです。
子供たちも高校選びが今までの決断とは違い、人生を左右するかもしれない重要な決断だというのは何となく分かっていますが、なにせ経験不足なので、誰と一緒がいいとか、どっちが楽しいとか、まるで遊園地や旅行にでも行くような選び方をしてしまうのです。
まあ、部活や友達の雰囲気も高校生活を楽しむうえで大切な要素であることも確かなので、親としては感情的にならず、冷静に話し合うことが大切です。

高校選びは子供にとって成長の機会である、そう考えましょう。
どんな高校生活を送りたいのか、なぜ部活や友達の雰囲気を重視しているのか、どうしてその高校がいいと思うのかをじっくり聞いてみましょう。
親としては、それは違うだろうという部分もあろうかと思いますが、途中で否定し反論することなく聞きましょう。発していい言葉は「それで?」「なるほど」「そうなんだ」の三つです。これらは話し合いを前に進めるための言葉です。

もちろん、これは話し合いですから、子供の考えを聞くだけではなく親としての考えも伝えましょう。そのうえで、お互いの共通点と相違点を整理します。

最終的には子供の選択を尊重するとして、何度か話し合いをしたり、一緒に学校を見に行ったりしながら、現実的な視点をできるだけ共有できるよう努力してみてください。

 

(回答者 教育ジャーナリスト 梅野弘之)

 

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