この記事は2回シリーズの②です。「①」はこちら
〈2026年度入試〉埼玉入試情報「令和7年度公立高校入試の検証から8年度入試を探る」①
公立高校 令和7年度入試の結果から8年度入試を臨む②
夏休みまであと1か月と少々、行きたい高校とは出会えただろうか?
今から夏休み期間にかけて、学校ごとの説明会や、体験入学、多くの学校が参加する大規模な進学フェアが開催される。
志望校との出会いのチャンスだ。こうした機会を活用し「悔いを残さない志望校の選定」をしてほしい。
「学力の向上のための努力」と「調査書対策」を忘れずに忙しい夏を乗り切ろう。
県教育委員会から「令和8年度入試の基本方針」と「選択問題採用校」が発表された。前年と変更点はない。だからこそ過去の入試を知ることで、来春の入試の参考になる事も多いはずだ。
今回は、先月号に引き続き2回目の公立高校の入試の検証をする。
令和8年度の入試日程は、既に発表されている。
7年度入試から全校でインターネット出願が採用され ※1、これに伴って出願期間が1月27日から2月10日までとなった。前年度までは3日間だった出願期間が2週間に広がったことが大きな変更点だ。
具体的な出願手続きは、
出願準備:
①インターネットに接続できるPC・スマホ・タブレットを準備。
②中学校から二次元コードかURLを受け取る。
登録:電子出願システムにアクセスし氏名・住所を登録。
出願:電子出願システムで志願情報を入力。受検票を印刷する。
承認:誤っていないか等を中学校が確認・承認。
・選考手数料:クレジット・コンビニ決済・ペイジーにより納付。
・提出書類:調査書等は中学校がまとめて提出(個人も可)。
・受検票:各自でプリントアウトし入試当日持参。
などとなっている。市立高校では、出願・志願先変更の手続きが異なる場合があることに注意が必要だ。
氏名は常用漢字を用いて入力するが、不可能ならば、ひらがなで入力し、出願情報の欄で外字ありを選択できる。
また、8年度の選択問題採用校は、22校で前年と変わらない。※2
■※1 <参考>昨年度(令和7年度)の「インターネット出願まとめ」はこちら:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉埼玉県 公立高校「インターネット出願について」まとめ-令和7年度
■※2 「出題の基本方針」と「学校選択問題実施校(22校)」について詳しくはこちら:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県 公立高校「出題の基本方針」「学校選択問題実施校」を発表-令和8年度
県が発表した、入試問題の「出題方針」では、
1 中学校における平素の学習を重んじ、中学校学習指導要領に基づいて出題する。
2 基礎的な知識及び技能をみる問題とともに、知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等の能力をみる問題の出題に配慮する。
3 各教科の目標に照らして、受検者の学力を十分に把握できるように、出題の内容、出題数に配慮するとともに、記述による解答を求めるよう配慮する。
とされている。
入試問題は教科書の内容に沿った基礎的・基本的なものという方針に変化はない。
しかし、思考力・判断力・表現力を高めるためには、これからの中学校の授業に集中して臨む必要がありそうだ。
出題内容は同じでも、出題形式によって難易度は変わる。この表を見て欲しい。これは、7年度の出題の内容を分析したものだ。
■※参考 昨年度(令和7年度)の試験問題はこちら:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉埼玉県 2025年度 公立高学力検査「入試問題&正答」-令和7年度
大問の数、小問の出題数は、ここ数年ほとんど変化がない。教科によって、記述式の問題数は増減があるようだ。
記述式の問いには、用語・単語を答えさせる形式と、論述形式の問題がある。
思考力・判断力・表現力を見る問題として、教科ごとに、図表やグラフ、統計資料、実験結果などから、その意味することを読み取り、答えさせる問題が出題される。そんな問題に苦戦する受験生も多いようだ。
令和7年度入試の平均点については、①を参照してほしい。
〈2026年度入試〉埼玉入試情報「令和7年度公立高校入試の検証から8年度入試を探る」①
5教科合計の平均点は、289.7点、選択問題を含む5科が295.6点となり、6年度入試より9.2点、選択問題採択校で15.2点上昇した。
5教科合計では、国語の作文を含み137問の小問で構成(選択問題を含む5科は133問)、このうち76問、55.5%(同72問54.1%)が記述形式の問題だった。
うち、文章表現や作図・証明が33問(同34問)も出題されており、記述形式の問題の配点は全体の61.4%(同61.6%)になる。
文章表現などでは部分点を認める問題も多い。部分点を認める問題の部分点の採点については、高校ごとで検討することになっている。
記述問題が多いこと、記述問題の配点が高いことが埼玉県公立高校入試の特徴と言えるだろう。
入試問題は、「秋以降に解く」という人が多い。
しかし、1・2年生の学習範囲から多く出題されることや、問題の出題方法や、解答の仕方など、早く見ておくことで参考になることは多いはずだ。
今から夏休み期間中にかけて、各学校ごとの説明会や体験入学、あるいは大規模な進学相談会が実施される。
学校行事や部活・検定などで多忙な時期だが、機会を作って是非参加してほしい。行きたい学校にめぐり合うチャンスかもしれない。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)
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