部活の仕上げに、勉強に、志望校の選択に、受験生の夏がスタートする。
夏休みが明ければ、いよいよ志望校の選択の時節だ。
今から夏休み期間にかけて、学校ごとの説明会や、体験入学、多くの学校が参加する大規模な進学フェアが開催される。
志望校との出会いのチャンスだ。こうした機会をぜひ活用し「悔いを残さない志望校の選定」をしてほしい。
部活の大会、会場テスト、各種検定の資格挑戦など、多忙な日々が続くが、万全の体調管理でこの夏をのりきろう。
学力検査の平均点は3教科で前年より難度上昇
令和7年度入試の学力検査の各教科の平均点は、次のように発表された。
(カッコ内は前年度)。
▽国語 56.6(50.4)
▽社会 51.7(57.5)
▽数学 52.0(51.9)
▽理科 55.4(59.1)
▽英語 47.1(56.4)
平均点の5教科合計は、前年より12・5点下がり262・8点になった。
7年度入試は、デジタル採点システムが採用されて2年目となる。マークシートに合わせた出題だが、前年より社会が5・8点、英語が9・3点、平均点が下降しており、問題の難度は上がっていたようだ。
自分の考えをまとめ、適切に書く力を見るような論述問題が増えてきているともいえる。
令和7年度の公立高校入試は高倍率で推移
令和6年度の県内公立中学校卒業予定者は、約4万8,230人で、5年度より約1,130人減少した(6年度学校基本調査から)。
そのため、7年度入試の公立高校の全日制募集人員は、960人減の2万9,720人だった。
7年度入試では、出願が3万4,003人で応募倍率1・14倍、志願確定が3万3,854人で確定倍率1.14倍、実受験は、当日欠席が338人で3万3,516人となり1.13倍で推移した。また、感染症の罹患(り かん)者(しゃ)などを対象とする追検査には、93人が受験していた。
3月4日に発表された合格者は2万7,964人で、追検査を含めた実質倍率は1.20倍となっていた。
今年の公立中3年生は、前年より約570人減少し、約4万7,660人となる。
公立高校の募集定員は7~8学級の定員減になると見られ、例年8月下旬に発表される募集人員が注目される。
調査書が変わる! ポイントを押さえてワンランクアップだ
前年まで公立高校の調査書には、中学校3年間の記録―各教科の評定、総合的な学習の時間の記録、生徒会や学級活動、部活動の記録、特記事項、出欠席の記録、総合所見―などが記載されていた。
8年度入試から、総合的な学習の時間の記録、出欠の記録、行動の記録(第3学年)、総合所見の項目が削除される。
調査書の内容は、各教科の学習の記録(3年間)、特別活動の記録(学級活動、生徒会活動、学校行事)、部活動の記録及び特記事項となる。
各教科の学習の記録とは、3年間の各教科の評定のこと。3年次は12月中旬に確定される。
評定は、観点別評価を基として決定される。
「知識・理解」は定期テストが大きなウェイトを占める。
「思考・判断・表現」は、日々の授業の中で問題意識を持って、自ら考え、判断し、発表することが必要となる。
「主体的に学習に取り組む態度」は、積極的に授業に臨(のぞ)むことや、宿題の提出などが重要な評価の対象となるだろう。
これから受験まで、定期テストだけではなく、日々の授業を真剣に、積極的に取り組む必要があるということだ。
自ら考え、判断し、発表することや主体的に学習に取り組むことは、今後、ますます重要になっていくに違いない。
志望高校の決定は、学校を見て、聞いて、感じて
5月に公立高校の令和8年度入試の選抜要項が発表された。
例年、7月には各学校の検査内容、8月には、募集人員が発表される。
私立高校でも、学科やコース、募集人員、単願や併願などの制度や基準などが決まってきている。
各学校のホームページで説明会の実施予定を調べ、参加してほしい。
また、私学の学校を知る機会として、大規模な私学展が実施される。
7/26・27柏の葉、8/2・3幕張、8/24成田、9/7木更津の各会場で進学フェアが予定されている(NPO親子進路応援センター主催)。
9/21には幕張メッセで、県内私立全校が参加する進学相談会が予定されている(千葉県私立中学高等学校協会主催)。
予約制などの制約はあるが、話を聞いてみたい学校を絞り、聞くポイントをまとめて参加してみよう。きっと有意義な1日が過ごせるはずだ。
公立も私立も各学校で、学校説明会や相談会、見学会、体験入学、部活体験など、受験生に学校を知る機会が提供される。
夏の課題は4つ、計画を立てて、夏に伸びよう
夏休みを境に、受験で最も重要な時期に突入していく。9月になれば、私立高校の前期入試が開始される1月17日まで140日余りだ。
この間、定期テストや校内実力テスト、各種検定などを受け、さらに各高校の体験入学や説明会に参加し、志望校を考えるなどの重要な事項が控えている。
体調に留意し、計画を立てて、実行してみよう。
体調に留意すること、2学期(後期)に向けての調査書対策、学力の向上、志望校と出会うこと、この4つが皆さんの夏の課題だ。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)