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今の段階で「受験に失敗したら」とマイナス思考になるのはどうかと思いますが、事実上一発勝負の高校入試ですから、落ちたらどうしようと不安になるのも無理はありませんね。
ただ、「友達や家族にどう思われるか心配」というのはどうなんでしょう。たしかに気になることではありますが、それよりも大事なのは、自分自身が失敗をどう受け止め、どう立て直して行くかということです。
仮にあなたが受験に失敗したとして、本当の友達だったら、あなたのことを心配してくれるでしょうし、勇気づけてくれるでしょう。受験に成功しようが失敗しようが、そんなことに関係なく付き合ってくれるのが真の友達です。
あなたの失敗を悪く言ったりする人はこの先、友達として付き合う価値はありません。つまり赤の他人ですから、そんな人がどう思うかなど気にするのはまったく意味のないことです。
最初にも書きましたが、「失敗したら」と考えるのは良くありません。失敗した時のことをいくら考えても、それによって合格の可能性が高まるわけではないからです。
それよりも、「失敗しないためにはどうするか」「成功するためにはどうするか」を考えたほうがいいです。
もちろん考えるだけでなく実行しなければなりませんが、その方が合格に近づきます。
あなたが今感じている不安は、受験に真剣に向き合っている証拠です。今後も不安から完全に解放されることはないかもしれませんが、それを乗り越えた先にあるのは一回りも二回りも成長したあなた自身です。成功を祈ります。
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その気持ち、分かります。行きたい高校が決まっているのに、口コミで不安になるのはとても自然なことです。でも、口コミだけで進路を変えるかどうかを決めるのは、ちょっともったいないかもしれません。
口コミというのは、どうしても否定的な(ネガティブな)意見が目立ちやすいのです。満足している人はあえて書かないことも多いし、書く人は何か不満があって発信している場合が多いからです。
口コミが全部ウソだとは思いません。素直な感想や意見を述べている人の方が多いかもしれません。ただ問題なのは、それを書いた人のことを、あなた自身がまったく知らないことです。
自分の親であれば、「うちの両親ならそう言うだろうな」、先生であれば「うちの担任らしい意見だな」、親しい友達であれば、「あの子ならそんな感想を持つだろうな」という具合に背景も含めて受け止めることができますが、なにせ正体不明です。
映画やコンサートのことならそれでもいいかもしれませんが、大事な大事な進路に関わることです。見ず知らずの人の感想や意見よりも、あなたの事をよく知っていて、あたなのことを考えてくれている人の感想や意見を尊重したほうがいいと思います。
そして何よりも重要なのは、自分の目です。自分の目で確かめられるものはすべて確認しましょう。
むろん確かめきれないものもありますが、その際は、あなたが知っている人やあなたのことを知っている人の感想や意見を優先しましょう。
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あなたの体調についての詳細は分かりませんが難しい悩みだと思います。
高校には全日制、定時制、通信制などの区分がありますが、これは優劣の問題ではなく学び方の相違です。
全日制は毎日通学することが前提になっており生活のリズムも整いやすい傾向があります。ただ、あなたのように体調に不安を抱えている場合は、毎日の通学が難しくなり、授業について行けなくなったり、出席日数が足りなくなったりする可能性があります。
通信制の場合は、基本的に通学の負担は少なく、学習のペースも自分の体調に合わせて調整しやすくなっています。ただ、全日制と比べると部活動や学校行事などを通じての友達との交流は少なくなりがちです。
親御さんが全日制をすすめるのは、ご自身が高校生の時には全日制や定時制という選択が一般的で、通信制はどちらかというと特別な選択と見られていたからかもしれません。このような言い方をしては失礼ですが、通信制に対するイメージや情報が何十年も前のもので、その後アップデートされていない可能性があります。仮にそうだとしたら、通信制高校の現在の姿について、親子で研究してみる必要があると思います。
あなたの体調を最優先に考えたとき、通信制はかなり有力な選択肢になりうると思います。しかし、もうひとつ大事なのは、高校で何を学びたいかや、将来どんな方向に進みたいかです。
通信制であれ全日制であれ高校進学には目的があるはずですから、そこも含めて総合的に判断するべきでしょう。
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受験で1点が合否を分けるのはそのとおりです。高校受験では学校の成績や模試の成績などをもとに合格可能性の高い学校を受けるのが一般的です。その結果、それぞれの学校には同程度の学力を持った受験生が集中することになります。ですから1点、2点の差が大きな意味を持つのです。
計算ミスは、軽く見られる傾向があります。つまり、ちょっとした不注意であり、実力がなかったわけでないとみなすのです。しかし、世の中では不注意によるミス(ケアレスミス)はその人の実力の一部とみなされます。今のうちから原因を究明してケアレスミスをしない人になりましょう。
ケアレスミスには人それぞれ傾向があります。ですから、まず自分のミスにはどんな傾向があるかを探りましょう。
たとえば「カッコをはずすときプラスマイナスをしばしば間違える」という傾向があることを強く意識していれば、その場面が来たときに自分自身で注意信号を発することができます。「計算ミスでいつも点を落としている」のであれば、これまで犯したミスの一覧表を作ってみるのもいいでしょう。
計算ミスなどは見直しによってほぼ解消することができます。同じ問題を2回計算すればだいたい誤りは見つかるでしょう。見直しの時間を作るには計算スピードを速くする必要があります。
実力とは、いつ、いかなる状況でも出せる力のことです。リラックスしている時は出せるが、緊張している時は出せないのであれば、それは実力ではないからです。まだ受験までには間があります。真の実力を身につけてください。
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夏休みに計画通り進まなかったからといって、秋以降もそのままということではないので、気持ちを切り替えてください。
夏休みにできなかったことを数え上げてもあまり意味がありません。むしろ、できたことを確認しましょう。夏休みにできたことが、これからの勉強の土台になるわけです。その土台の上にいろいろな知識を積み重ねていけば、それが柱となります。
これは決して、夏休みにできなかったことをそのまま放置していいと言っているのではありません。あなたに今必要なのは不安を消し去り、自信を持つことです。
そのためには、できなかったことよりも、できたことを確認したほうがいいのです。自信がついてきてから、夏休みのやり残しに取りかかりましょう。以上が、何から手をつければいいかについての回答です。
次に勉強モードに切り替えたにもかかわらず、集中が続かなかった問題です。
ひとつの原因と考えられるものに環境作りがあります。勉強しようという気持ちになるかどうかは環境にも影響されます。机の上に勉強と関係ないものが置いてなかったかどうか、手の届く所にスマホを置いていなかったかどうかなど、勉強に集中できる環境を作れていたかどうかを振り返ってみてください。
また、学習計画を立てるときに「できれば~したい」といった願望を含めていなかったどうかも振り返ってみてください。
勉強モードに入るというのは、単に気分のことを言うのではありません。やるぞという意志に、現実的な計画と環境作りが加わってはじめて勉強モードが完成するのです。
(回答者 教育ジャーナリスト 梅野弘之)
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