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入試情報
2025.10.3

〈2026年度入試〉受験生Q&A 「模試など広い範囲からの問題が苦手です」ほか

Q1
過去問に挑戦してもほとんど解けませんでした。中間、期末テストの点は取れるのですが、模試など広い範囲からの問題が苦手です。対策はありますか?

 

A
定期考査では点が取れるのに、模試や過去問になると解けないという悩みは、多くの受験生が経験するものです。これは決して能力の問題ではなく、出題範囲や問題の性質の違いによるものです。

定期考査は、一定の期間に学校で習った範囲に絞って出題されるため、授業内容をしっかり理解していれば対応できます。しかし、模試や過去問は、広い範囲から出題されるうえ、応用力や思考力を試す問題も多く含まれています。ですから、普段の勉強法に少し工夫を加えることで、模試への対応力を高めなければなりません。

模試や実際の入試では「単元をまたいだ問題」が出されます。
例えば、数学では「図形」と「関数」は別々の単元であり別々に学びますが、模試や実際の入試ではこれらを組み合わせた形で出題されることがあります。それぞれの単元について知識はあったとしても、このような出題形式に慣れていないとすぐには解法が思い浮かばない可能性があります。

もしあなたが中学3年生だとすれば、過去問学習を始めていなければいけない時期です。過去問学習を進めるということは「単元をまたいだ問題」や「同時に複数の知識が求められる問題」に取り組むことになりますから、徐々に力がついてくるでしょう。すぐに取り組んでください。

それと、模試や過去問で「間違えた問題の分析」を必ずやっておくことです。「難しかった」で終わらせるのではなく「なぜ解けなかったのか」を考えることが大切です。原因を具体的に突き止めることで、次に同じタイプの問題に出会ったときに対応できるようになります。

 

 

 

Q2
志望校はいわゆる地域の進学校です。でも内申は足りず、偏差値も上がらず、模試の結果もD判定でした。今さら変更もしたくはないのですが、実力に見合った高校に変えるつもりでいます。これで良いでしょうか?

 

A
志望校を変更するかどうかの判断は、受験生にとって非常に悩ましい問題です。実力に見合った高校を選ぶという考え方は、冷静で現実的な判断とも言えます。
しかし、その決断を下す「時期」が重要です。結論から言えば、今はまだその時期ではありません。出願直前まで、第一志望校への挑戦を視野に入れて努力を続けるべきです。

まず、「内申が足りない」と感じているなら、まだ定期考査や提出物などで挽回のチャンスがあります。学校生活を丁寧に過ごし、授業態度や提出物の質を高めることで、内申点は少しでも上げることが可能です。

次に、「偏差値が上がらない」「模試がD判定」という点についてですが、模試はあくまで現時点での到達度を示すものです。今後の学習次第で結果は大きく変わります。
特に、苦手分野の克服と過去問演習を重点的に行うことで、得点力は確実に伸びます。模試の結果を分析し、どの科目・単元で失点しているかを把握し、そこを集中的に補強することが大切です。

また、志望校の過去問に取り組むことも有効です。最初は難しく感じるかもしれませんが、繰り返すことで出題傾向や時間配分に慣れ、合格ラインに近づくことができます。

最終的に志望校を変更するかどうかの判断は、出願直前に行えばよいのです。
それまでは「合格するために何ができるか」を考え、全力で取り組むことが最優先です。努力の先に、思いがけない成果が待っていることもあります。今はまだ、夢を手放す時ではありません。

 

 

 

Q3
無理して学力の高い高校に行くのが良いか、それとも自分と同じくらいのレベルの学校にいくのが良いのか悩んでいます。心惹かれる私立学校があるのですが、親にはやんわりと別の公立進学校を勧められています。

 

A
まず、「学力の高い高校に行くべきか、それとも自分のレベルに合った学校にするべきか」という悩みは、多くの受験生が抱えるものです。そして、心惹かれる私立高校がある一方で、保護者の方からは公立進学校を勧められているとのこと。このような状況では、進路選択に迷いが生じるのも当然です。

あなたは、学力の高い高校を受けて不合格になることを恐れているのでしょうか。それとも、入学後に授業についていけるかどうかに不安を感じているのでしょうか。
もし後者であるなら、あまり心配は要りません。なぜなら、合格したということは、その学校でやっていけるだけの力があるという証(あかし)だからです。もちろん、入学後の努力は欠かせませんが、仮に少し遅れをとることがあったとしても、先生方や周囲のサポートを受けながら、着実に成長していけるはずです。

志望校について本人と保護者の意見が食い違うことはよくあります。親御さんは、あなたの将来を思って慎重に選択肢を提示しているのだと思います。
いっぽうで、あなた自身が「この学校に行きたい」と感じる気持ちも、非常に大切です。だからこそ、じっくりと話し合う時間を持ちましょう。あなたは「なぜその学校に惹かれるのか」、親御さんは「なぜその学校を勧めるのか」、それぞれの理由を冷静に伝え合うことが大切です。話し合いは決して言い争いではなく、理解と協力を深めるための場です。

今の不安や希望をしっかり言葉にして、周囲と共有することから始めましょう。

 

 

 

Q4
中3です。2月までに偏差値を10上げる方法を教えてください。数学と理科、社会が苦手です。勉強方法と、1日何時間くらい勉強すれば良いか、お願いします。

 

あなたの偏差値が具体的にどれくらいかは分かりませんが、「偏差値を10上げたい」という言葉から察するに、現在は50前後、あるいはそれ以下かもしれませんね。偏差値70や65以上の人が「あと10上げたい」とはあまり言わないからです。
偏差値を10上げるというのは、点数に換算すると1教科あたり約10点、5教科で50点ほどのアップが必要になります。数字だけ見るとそれほど難しくなさそうですが、実際にはどんな分野・難易度・形式で出題されても安定して得点を伸ばす必要があるため、簡単なことではありません。しかも、入試本番まで残り4か月ほど。時間的にも厳しい挑戦です。

しかし、数学・理科・社会が苦手ということは、逆に言えば伸びしろが大きいということです。
まずは教科書を中心に、基礎の確認を徹底しましょう。特に理科や社会は、暗記が得点に直結する部分も多いので、用語や図表を繰り返し見て、覚えることが効果的です。
数学は、苦手な単元を絞って、例題→類題→応用と段階的に練習するのがコツです。過去問や模試の問題を使って、実戦形式の演習も取り入れてください。

勉強時間についてですが、平日は学校から帰ってからの時間のうち、睡眠8時間と食事・入浴などの生活時間を除いた残りすべてを勉強に充(あ)てる覚悟が必要です。休日は、起きている時間のほとんどを勉強に使うくらいの意識で取り組みましょう。
もちろん、適度な休憩や睡眠は大切です。体調を崩しては元も子もありません。集中力を保ちつつ、計画的に勉強を進めてください。努力は必ず結果につながります。

 

 

 

Q5
保護者です。スマホ依存がひどいです。今の時期になっても動画を見て笑っていたり、疲れたから眠いとか言ってすぐ寝たり、ろくに勉強もせず過ごしています。もっと真剣に勉強に取り組んでほしいのですが、どうしたらよいでしょうか。

 

スマホ依存の問題は、今や子どもだけでなく大人にも広く見られる現象です。電車の中を見渡せば、ほとんどの人がスマホを手にしているのが現実です。かつては本や新聞を読んでいた光景も、今では珍しくなりました。ですから、スマホに夢中になること自体は、現代社会のひとつの傾向とも言えます。

とはいえ、受験を控えた時期に動画を見て笑っていたり、「疲れたから眠い」と言ってすぐ寝てしまう様子を目の当たりにすれば、保護者として不安になるのは当然です。

ただ、第三者的に見れば、スマホ依存の根本には「勉強への興味・関心の低さ」があるように思われます。勉強に対して前向きな気持ちがあれば、自然とスマホに向かう時間も減っていくものです。つまり、スマホを取り上げることよりも、勉強の面白さや必要性を伝えることが、より効果的なアプローチになるかもしれません。

もちろん、すべてが保護者の責任というわけではありません。子ども自身が自覚を持ち、行動を改めることも必要です。
ただ、スマホを与える際にルールを設けていたかどうか、いまいちど振り返ってみることも大切です。もし明確な制限がなかったのであれば、今からでも「使用時間」「使用目的」などのルールを話し合って決めることは可能です。

そして何より、勉強が「やらされるもの」ではなく、「自分の未来につながるもの」だと気づかせることが重要です。そのためには、保護者の方が一方的に叱るのではなく、子どもの話に耳を傾け、対話を重ねることが求められます。焦らず、少しずつ関心を引き出していくことが、スマホ依存の改善にもつながるはずです。

 

(回答者 教育ジャーナリスト 梅野弘之)

 

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