令和8年度入試「私立高校の入試変更点(速報)」
オンライン説明会も有効に活用しよう
令和8年度入試に向けて、私立高校の募集要項を調べた。
今春の中学卒業生の進路結果では、都立高校への進学者は1,400人余り減少し、都内私立高校への進学者は1,100人余り増加していた。
都立の在籍減少による定員減や、私立進学者への授業料支援金増額などの影響が大きかったと見られる。
同時に多くの私学が新しい教育、新たな大学入試に対する研究・対策を進めていることへの評価とも考えられる。
私学では来年度以降の入試に向けて、校名変更、共学化、コースの新設や改編が相次ぐ。
高校の説明会や相談会には、できるだけ参加して情報収集をしておきたい。
今春の高等学校卒業生は、令和4年からの高等学校学習指導要領の改訂の完成年度にあたっていた。また大学入学共通テストでは情報科などの新しい教科が加わったことと、思考力・判断力・表現力を求める入試改革が実施された年度にあたる。
このため、都立も私立も高校生の進路希望を実現させるために研究を重ねてきた。
さらにグローバルな視野、探究型授業、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力の育成、英語力の育成、ICT教育などが多くの高校で独自の目標として取り入れられている。
また、ネット社会の進歩や自動運転システム、人工知能(AI)やロボット、チャットGPTなども新たな課題として注目されている。
大学入試改革だけではなく、社会の変化に対応すべく、教育も大きく変化しようとしているのだ。
そんな時代の学校選択は入試制度や基準だけではなく、各校が目指す教育の特色、授業内容などを知ることが必要となるだろう。
令和8年度、都内私立の主な変更点は次のとおりだ。まだ調査中のため、必ず該当する学校の入試情報を確認してほしい。※1
(岩佐教育研究所調べ9月10日現在判明分)
■募集再開
○成女(新宿区)→募集人員100人で再開
■募集停止
○三田国際科学学園 (世田谷区)
■校名変更・共学化等
○明治大学付属世田谷(世田谷区)…旧校名 日本学園、共学化
○北里大学附属順天(北区)…旧校名 順天
○東京文華(西東京市)…旧校名 文華女子、共学化。スクールバス配備予定
■ 学科・コースの変更
○ 和洋九段女子(千代田区)→グローバルコースの1コースからフューチャーデザイン、グローバル、サイエンスの3コース制に再編
○ 品川エトワール女子(品川区)→ネイチャースタディコースを募集停止し、国際キャリア、マルチメディア表現、キャリアデザイン、保育の4コース制に再編
○ 自由ヶ丘学園(目黒区)→プログレス、アドバンス、アカデミックの3コース制のプログレスコースにPGI専攻(難関私大-文・理)が加わり、4専攻制に再編。アドバンス2専攻、アカデミック2専攻と併せ3コース8専攻制に
○ トキワ松学園(目黒区)→文理探究コースをアドバンス、スタンタードの2クラスに再編。美術デザインコースと併せ2コース2クラス制に
○ 目白研心(新宿区)→グローバルサイエンスコースを新設。特進、グローバルサイエンス、スーパーイングリッシュ、総合の4コース制に再編
○ 文化学園大学杉並(杉並区)→特進コースの国公立クラスと文理クラスを統合、イノベーションリーダーズコースを新設。特進、進学、ダブルデュプロマコースと併せ4コース制に再編
○小石川淑徳学園(文京区)→特別選抜コースのデジタル教養クラスと特進クラスを統合。特別選抜と選抜の2コース制に再編
○桜丘(北区)→Sアカデミック、Aアカデミック、グローバル、キャリアの4コースをスーパーアカデミック、アカデミック、インターナショナルリベラルアーツの3コースに再編
○フェリシア(町田市)→保育、総合の2コースを普通科として一括募集。2年次にコース選択
○八王子実践(八王子市)→特進コース特選クラスの募集停止。特進コースはJ特進と特進クラスに、選抜、総合進学コースと併せ3コース2クラス制に再編
○帝京八王子(八王子市)→普通科を特進と進学の2コース制に再編
○東海大菅生(あきる野市)→医学・難関大コースを設置。特進PBL、進学コースと併せ3コース制に改編
■※1 東京都内の各私立高校の入試要項が発表されています、こちらで令和8年度の募集学科やコースを高校別で確認できます:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉東京都 「私立高入試要項一覧」発表-令和8年度
私立高校の学校説明会や個別相談会が佳境に入った。申し込み制や定員制などにしている学校も多いが、ぜひ参加しておきたい。また、オンラインでの説明会を開催する学校もあるので有効に活用しよう。
説明会に参加することで各コースの内容、教育課程、進学実績、入試の種類や基準などの詳細な情報を得ることができ、学校での開催では、校舎や施設の見学もできる。
「この学校に入学したならば」と想定しながら校内見学してみるのも学校選択の有効な方法だ。
私立では各学科に多様なコース、類型などを設けている場合がある。
また第一志望者を対象とする入試と、都立や他の私立との併願を前提とした入試を設けている学校が多い。
ほとんどの学校で、第一志望者と併願での受験生に対して、独自の優遇制度を設けている。これらの優遇制度の利用が私立受験で合格を勝ち取るカギとなる。
具体的には、優遇制度の基準を聞き取ったうえで個別相談に臨むことが必要になるだろう。
都内受験生対象の私立高推薦入試は1月22日から、一般・併願入試は2月10日から開始される。
出願日や入試日程、手続き締切日などを調べ、受験カレンダーを作っておきたい。 ※1
■※1 東京都内の各私立高校の日程も入試要項で確認できます:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉東京都 「私立高入試要項一覧」発表-令和8年度
9月上旬、東京都の教育庁と私立中学高等学校協会との8年度入試に於ける定員分担の会議が開催された。
都内公立中学校の3年生は、前年より約240人減少し7万7,800人余りとなる(東京都就学計画より)。
このため都立・私立高校の募集定員は、それぞれ100人定員減とすることが決定された。都立の募集人員は前年より2~3学級減少すると見られる。
前年の都立入試では、全日制の推薦で2.28倍、第一次・選抜前期で1.27倍となっていた。※2・3 8年度の都立入試では、同様の倍率で推移すると考えられる。
ただし、8年度の都立入試では全日制の後期選抜が廃止され、前期募集に一本化される。このため第一次募集は、学校によりやや倍率の変動があるかもしれない。
都立入試では、6年度入試から推薦に基づく選抜を含め、全選抜で男女合同選抜に移行している。
5年度まで、女子の倍率が男子よりやや高くなっていたようだが、定員枠の撤廃によりほぼ同率になったと予想される。
性別による有利・不利は無くなったが、都立入試では、推薦・一般とも高い倍率で推移している。都立高希望者は、併願での私立受験をぜひ検討してほしい。
■※2 都立推薦の検査終了時倍率はこちら:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉東京都 「都立高推薦 合格発表!」-令和7年度
■※3 都立一般の学力検査終了時倍率はこちら:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉東京都 都立高校一般合格おめでとう「合格者数・各校倍率」-令和7年度
■※3 都立一般の学力検査結果調査も発表されています:
東京都 都立高「2025年度/令和7年度 都立高校入学者選抜学力検査結果調査」発表
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)
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