暑かった夏が過ぎ、これからは、少しずつ秋の風に変わってくる。
そんな中で、調査書の項目の変更や、学校ごとの設定検査の内容が発表され、8月には、令和8年度も840人の大幅な減少となる公立高校の募集人員が発表された。
令和5年に開始した、公立高校の改革推進計画は、5年度では1校、6年度では16校に及ぶ大規模な課程・学科・コースの変更が実施された。
7月には、9年度から開始される第2次計画案が発表されている。
これらの内容を、調べておく必要がありそうだ。
いよいよ秋の陣、志望校の選択の時期が来た。
令和8年度公立高校の募集定員が発表された。※1
千葉県では、令和8年3月の国・公・私立中学校の卒業予定者は、約51,900人で前年度と比較して約420人減少する(教育庁発表)。
また、前年度、通信制への進学者が増加し全日制への進学率は、やや低下していた。
このため、本年度(令和8年度)の公立高校・全日制の募集人員は、卒業予定者の減少を超える21学級840人減少し29,040人となる。
また、後述の改革推進計画・第2次で9年度以降に統合(予定)対象となる6校の定員減を含む。
定員減
千葉工業・電子機械、千城台、船橋古和釜、船橋法典、行徳、松戸向陽、鎌ケ谷西、野田中央、関宿、佐倉東、九十九里、銚子商業・商業
統合(予定)による減
八千代東(2)、八千代西(2)、船橋豊富、船橋北、沼南(2)、沼南高柳
※学科ナシは普通科、( )内は減少学級数、なしは1学級
なお、定時制課程では、船橋で1学級減となる。通信制課程の変更は無い。
定員の増減は、当該校の倍率だけでなく、競合する学校の応募者にも影響する。さらに、在籍の減少数を上回る定員の減少は、公立高校の全体倍率にも影響しそうだ。
■※1 千葉県公立高校「募集定員」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉千葉県 公立高「第1学年生徒募集定員」を発表-令和8年度
県教育局では、7月末に出題の基本方針※2 と、学校選択問題で採用されている「思考力を問う問題」の基本方針※2 が発表された。いずれも、一般入学者選抜の「本検査」と「追検査」が対象となっている。
学力検査問題の出題の基本方針では、「学習指導要領に基づき」とされ、8年度入試でも、基礎的な問題と共に、思考力、判断力、表現力を問う問題が多くなりそうだ。
出題の基本は、「中学校での学習内容」であることは変わらない。
出題の基本方針には「学校の授業を大切にして欲しい」というメッセージが込められている。
■※2 千葉県公立高校「出題の基本方針」「思考力を問う問題の基本方針」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉千葉県 公立高校「学力検査の実施教科及び出題方針等」発表-令和8年度
7月に発表された各校の全日制一般募集(全日制)の各校の検査内容※3 では、出願時志願理由書の提出を求める学校は、幕張総合・看護が取りやめ、安房拓心が加わり、3校3学科となった。⇒薬園台・園芸、君津・園芸、安房拓心
学校設定検査では、面接、集団討論、自己表現、作文、小論文、適性検査、学校独自問題による検査、その他として思考力を問う問題などの検査が全校・全学科で実施される。
学校選択問題で「思考力を問う問題」は、東葛飾で実施される。検査時間内で、国・数・英の小問を、より正確に、深く思考する力が問われる。県立千葉は作文に、千葉東は小論文に変更された。
面接と自己表現、作文など複数の課題を課する学校も10校11学科ある。
学校設定検査では、面接が73校118学科、自己表現が43校58学科、作文が10校16学科、適性検査が8校12学科などとなっており、学校ごとの内容を調べ研究しておく必要があるだろう。
検査の結果は、調査書等の書類審査を含め、得点化し、総合的に合否を決定するとされている。
例年9月中旬に発表される「入学者選抜実施要項」で学校ごとの得点化の方法が明示される。※4
■※3 千葉県公立高校「検査の内容」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉千葉県 公立「一般入学者選抜」等における検査の内容等について
■※4 千葉県公立高校「入学者選抜実施要項」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉千葉県 公立高校「入学者選抜実施要項」発表-令和7年度
公立高校の改革推進計画の実行中
令和5年から実行されている「県立高校改革推進計画」※5 は、令和13年までの時代に合わせた県立高校改革を目指す。
5年度では、船橋豊富に普通科・福祉コース設置。
6年度では、教員養成コース/国府台、成東、大多喜、保育基礎コース/鎌ケ谷西、医療系コース /小見川、グローバルスクール/松戸国際、理数教育 船橋 などを設置。
また、職業系専門として、農業経営者育成コース/茂原樟陽、起業家育成コース/千葉商業、観光コース/一宮商業、コンソーシアム/松戸向陽、先進ITコース/袖ヶ浦
さらに、匝瑳に総合学科が、行徳と市原に地域連携のアクティブスクールが、銚子商業に通信制課程が設置された。
7年度には、土気に保育基礎コースが設置されている。
7月に発表された第2次計画(案)では、9年度以降に、地域連携協働校や水産系学科の設置、工業系学科の設置など複数の新学科が設置される。
■※3 千葉県公立高校「改革推進計画」について詳しくは:千葉県ホームページ
県立高校改革推進プラン
県内公・私学の高校募集するほぼ全校で、学校説明会や体験入学等が実施される。各学校の日程を調べ、ぜひ参加しておきたい。
また私学では、12月中旬までに、生徒・保護者対象の個別相談を実施する学校が多い。
個別相談とは、通知表や各種検定、その他の資料などの実績をもとに「合格の可能性を判定する機会」とする高校が多いようだ。
説明会や相談会への参加は、合否の予測だけでなく、学校との相性や、高校生活を垣間見る機会としても利用できる。
個別相談の結果は、担任の先生に報告しておこう。きっと、有効なアドバイスがもらえるはずだ。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)
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