
高校改革Ⅲ期の来年度全日制では、田奈高校と麻生総合高校の再編、校名は「青葉総合高校」。単位制総合学科のクリエイティブスクールになり、校舎・敷地は田奈高校を使用する。
小田原城北工業と大井高校の再編、校名は「小田原北高校」。普通科クリエイティブスクール・機械科・電気科・建設科・デザイン科の高校になり、校舎・敷地は小田原城北工業高校を使用する。
県立ではないが、横浜市立南高校が高校の募集を停止する。
定時制では次の6校(横浜翠嵐・向の岡工業・磯子工業・茅ケ崎・秦野総合・伊勢原)が来年度から募集停止となる。
また、神奈川工業高校定時制に普通科が新設され、単位制となる。
神奈川総合産業高校定時制の単位制総合学科が単位制普通科に改編される。
神奈川県教育委員会は、来春の公立高校各校の選考基準を発表した。
第一次選考における調査書の評定:
学力検査の取り扱い比率で前年度から変更があったのは、横浜桜陽・光陵・松陽・湘南台の4校・4学科コース。
光陵・松陽・湘南台の3校は調査書の評定:学力検査の取り扱い比率が5:5から4:6となり学力検査の比重を高くし、横浜桜陽は5:5から6:4へ調査書の比重を高くした。
その結果、5:5のバランスをとった型を採択する学科コースは96に減ったが、依然として全体の半数を占めている。
第二次選考では、調査書の「主体的に学習に取り組む態度」の観点評価の比重が2:学力検査8を採択する学科・コースが122で全体の6割以上となった。次に多い3:7と合わせ8割を占めている。全体的に観点別評価が選考に与える影響を小さくしようとしている傾向が見受けられる。
そのような中、来年度に基準(観点評価:学力検査の比重)を変えたのは横須賀大津で8:2から6:4へ観点評価を重視するようにした。観点評価は27点満点なので、観点評価1点に相当する学力検査の得点は採択比率によって大きく変わる。観点別評価の差が合否にかかわったと思われる事例が見られたので、受験生は注意が必要だ。
「主体的に学習に取り組む態度」の観点は、中学校の授業や課題への取り組み、日常の学習から始まっていることを意識しよう。
新制度では、面接の取り扱いが変わったが、学校を知る、自分が納得する受験校を決めていく際の調査の必要性は変わらない。公表されている「入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)」は、確実に読み込んでおいてほしい。
公立高校入試は全日制・定時制・通信制で同日程の「共通選抜」が2月17日(火)に学力検査、17日(火)~19日(木)に特色検査、24日(火)追検査、2月27日(金)合格発表。
※定時制と通信制の一部で「共通選抜」の後にある「定通分割選抜」が3月16日(月)に学力検査、特色検査、19日(木)合格発表。
※追検査とは:
学力検査を、感染症等のやむを得ない事情で受験できなかった場合、後日行われる追検査を受験できる(中学校を通して所定の手続きが必要)
●会場は志願先の高校
●追検査の対象となるケースは:月経随伴症状等の体調不良等の場合・インフルエンザ等の感染症に罹患した場合・自然災害や検査会場に向かう途中の事故や事件に巻き込まれた場合・痴漢の被害にあった場合等のやむを得ない事情受験できなかった生徒が対象
●追検査の受験を希望する場合、中学校を通して手続きを行う。中学校長から高校へ、追検査を希望する事由を記した追検査受検願を提出
●追検査の問題は:追検査も元々の本検査も、どちらがどちらに使用されてもおかしくないような精度で、本検査よりやや難しいと判断する人もいれば、同じようだと判断する人もいる。受験対象者数が異なることは確かではあるが。メリット・デメリットを説くケースを散見するが、そういった意識こそ本来の趣旨から外れている。体調不安や緊急的事項を想定しての方策だ。
学力検査は思考力・判断力・表現力を見る内容で、全国の入試問題の中でも良問だ。もちろん、教科による平均点の差などは出るし、年度ごとの各教科の平均点の上下等は必ず出る。そういったことに一喜一憂せず、過去問の研究や演習も行ってほしい。
解答方法は記号式選択問題でマークシート方式(記述問題はあり)。問題の作成は年度ごとに工夫されている。
過去3年分の検査問題は、県政情報センター行政資料コーナーで見ることもできるし、コピー(有料)もできる。他の方法でも入手可能なので一度は過去問にチャレンジしてみてほしい。
合格発表がWebサイト上で行われるだけでなく、6年度受験からはインターネット出願も導入された。もちろん資料の提出などは学校を通してとなるが、願書の提出などでインターネットを使用する。パソコン、スマホ、タブレットでのアクセスとなるが、通信環境がない場合は、学校に相談すればよい。
2年前の導入年度では種々の課題が見つかったが、昨年度を見る限り、システムに関わる問題はクリアされた。しかし、人為的ミス等によるトラブルは、いかなる場合にも発生しうる。
神奈川県の高校入試のインターネット出願から合格発表の流れについて、中学校でもシミュレーションが行われたりもしている。インターネット出願が導入され、受験生と保護者の負担軽減につながる変更が加えられたが、受験生は試験当日までの準備と心構え、インターネット出願の流れやスケジュールに注意し、事前にしっかりと対策を行うことは忘れないでほしい。
「入学定員目標」は毎年度、県内の公立中学校卒業予定者数に基づいて、公立・私立の入学定員目標を、まず神奈川県公私立高等学校協議会の議論の結果を受けて、例年9月上旬に神奈川県公私立高等学校設置者会議において決定している。
来年度の入学定員の策定も、全日制進学実績の向上に向けて、公私おのおのが自らの責任において実現を目指す定員目標を設定する方式を継続し、公立中学校の卒業予定者数や、県立高校の施設等の状況や、私立高校の募集計画の状況などを考えて総合的に判断し決定する。
こうした背景のもと定員策定は行われているが、毎年、定員割れが発生している、ここ数年はその数は増えている状況にある。その要因には公立離れといわれている現象がある。
定員割れも要因のひとつ、また人気校と不人気校の固定化もあるのではないか。県は、県立高校の学校の質の向上や魅力づくりを進め、種々の改善改革を行ってきたが、原資たる予算にも限界がある。その結果は思惑通りにはいっていない。そこに高校無償化の渦、どうなるのだろう。
私立も実質的に授業料は無償化になる。注意してほしいのは、公立高校11万8,800円(公立高校の年間授業料相当額)を支給、私立高校に通う生徒も世帯年収にかかわらず支援対象となり、上限額も45万7,000円(私立高校の全国平均授業料相当)へ引き上げられる予定だ。
『高校無償化』と聞くと、入学から卒業までお金がかからない印象を受けるが、実際に対象となるのは『授業料』のみ。
そのため、次のような費用は今まで通り自己負担。入学金(神奈川は補助金あり)・施設使用料・通学費用・教材費・制服備品代・修学旅行費・部活動費等々、もちろん公立でも同様で、費用の一部は同じようにかかる(金額は公私の差がある)。
高校の不登校、中退等は毎年増え続けている。高校の間を楽しく元気に通い、卒業することまで考えて志望校は選んでほしい。
(かながわ民間教育協会・掛川忠良)
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