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入試情報
2025.11.7

〈2026年度入試〉受験生Q&A 「苦手科目に時間をかけると得意科目の点数が落ちそう」ほか

Q1
数学と理科が本当に苦手で、つい社会や英語ばかりになります。苦手科目に時間をかけすぎると、得意科目の点数が落ちそうで怖いです。残り3か月でどうバランスを取ればいいですか?

 

A
あなたは食事の時、好きなものばかり食べて嫌いなものは残すタイプかもしれませんね。でも、受験勉強は「定食」みたいなものなのでバランスよく全部を食べなくてはいけません。つまり、好き嫌いしてはいけません。

あなたはスポーツをやりますか。まあ、やっていなくても分かると思いますが、多くのスポーツには「攻め」と「守り」がありますね。そして基本、両方やらないと勝てません。

受験も似たようなところがあります。得意科目の勉強は「攻め」に、苦手科目の勉強は「守り」に例えることができます。あなたが受験に勝利したいと考えるのであれば、「攻め」も「守り」も両方やってください。

次にバランスの問題です。いろいろな考え方があって唯一の正解はないのですが、「攻め7割、守り3割」とか「攻め6割、守り4割」とか、どちらかと言うと「攻め」を重視でいいと思います。逆だと気分も乗らず、全体の勉強量が落ちてしまう危険性もあるからです。

あと、1日の中でバランスをとる考え方もありますが、1週間単位で考えて、週4日は「攻め」残り3日は「守り」といったバランスの取り方も考えられます。

残りは3か月ほどしかありませんが「短いようで長い3か月」です。毎日積み上げれば、苦手科目も「まあまあ得意」くらいにはなります。
受験は「総合力の勝負」。好き嫌いせず、バランスよく「定食」を食べて、最後にデザート(合格)を美味しくいただきましょう。

 

 

Q2
模試の判定がずっとC判定で、このまま志望校に突っ込むか、確実なランクの高校に下げておくか、親ともめています。先生は「まだ伸びる」と言うけど、現実的にいつまで引き延ばせるでしょうか?

 

A
模試の結果が思うように上がらず、進路について悩む気持ち、わかりますよ。C判定が続くと不安になるし、ご家族との意見の違いがあれば、さらに迷いを深めてしまいますよね。

まず、C判定というのは「合格の可能性が五分五分」という意味だと考えましょう。今のままでは安心できないけれど、努力次第で合格をつかめる位置にいるということです。

中学3年生の秋から冬にかけては成績が大きく伸びる生徒も多く、先生が「まだ伸びる」とおっしゃるのも、その可能性を見てのことだと思います。

では、志望校を変更するかどうか。また、いつまでに決めればよいのでしょうか。
多くの地域では、私立高校の出願が12月から翌1月にかけて、公立高校の出願が1月から2月上旬にあります。そのため、最終的な判断は12月から1月中旬ごろまでにするのが現実的です。それまでは、模試の結果や学校の三者面談などを参考にしながら、じっくり考えていくことができます。

大切なのは「今の自分がどこまで頑張れるか」を見極めることです。志望校への思いが強く、あと数か月本気で努力できる自信があるなら、挑戦する価値は十分にあります。
一方で、精神的な負担が大きすぎると感じるなら、少しランクを下げて安心して受験に臨むという選択も、決して悪いことではありません。

最終的にどの道を選んでも、それがあなたにとっての「正解」になります。

 

 

Q3
最近すごく焦っていて、不安で頭の中がごちゃごちゃです。先生に相談したいけど、「不安です」としか言えません。こんな状態でも先生に相談に行っていいのでしょうか?

 

A
もちろん、先生に相談して大丈夫です。

と言うか、今このタイミングで相談に行かなくていつ行くのでしょう。不安な気持ちを抱えているときこそ、誰かに話すことがとても大切なのです。「不安です」としか言えない状態でも、先生はきっとあなたの気持ちを受け止めてくれるはずです。
言葉にならない思いを、少しずつでも伝えようとすることが、心を軽くする第一歩になります。

受験が近づくにつれて、焦りや不安が募るのは自然なことです。頭の中がごちゃごちゃしてしまうのも、ある意味頑張っている証拠でしょう。ただ、そのまま抱え込んでしまうのはよくないですね。心も体も疲れ切ってしまい、勉強にも集中できなくなるでしょう。
そういう時は、誰かに話すことで、気持ちを整理する時間を持つことです。すっきりとまでは行かないかもしれませんが、ごちゃごちゃはかなり解消されます。

先生は、あなたのことを応援している存在です。多くの言葉は必要としません。「なんだか不安で…」と一言でも伝えれば、あなたの気持ちに寄り添いながら、どうすれば少しでも安心できるか、一緒に考えてくれるでしょう。

あなたはひとりではありません。不安な気持ちを抱えているのはあなただけではないし、それを話すことは弱さではなく、強さです。
どうか勇気を出して、先生に相談してみてください。きっと、心が少し軽くなるはずです。 

 

Q4
推薦入試で面接があるのですが、自分の考えをすぐ言葉にできないので、絶対上手くいかないと思います。面接のとき急いで考えないとダメですか?

 

A
推薦入試の面接に不安を感じるのは、誰にとっても同じでしょう。特に「自分の考えをすぐに言葉にできない」と感じているなら、なおさら心配になるかもしれません。
しかし、面接で大切なのは「急いで答えること」ではなく、「自分の考えを誠実に伝えること」です。面接官は、あなたの人柄や考え方を知りたいと思っているので、沈黙を恐れず、落ち着いて話すことが大切です。

面接では、質問に対してすぐに答えられなくても構いません。何なら「少し考えさせてください」とお願いしてもいいくらいです。そうすれば時間を取って考えることができます。
じっくり考えてから答える姿勢は、真剣に向き合っている証(あかし)として好印象を与えることもあります。

よく聞かれる質問には事前に答を用意しておきましょう。例えば「志望理由」「中学校生活で頑張ったこと」「将来の夢」などは必ず尋ねられる「鉄板の質問」です。
紙に書き出してみたり、家族や先生と練習したりすることで、少しずつ言葉にする力がついてきます。

また、面接では完璧な答えよりも、あなたらしさが伝わることが大切です。失敗を恐れず、素直な気持ちで話すことを心がけましょう。

面接はあなたの魅力を伝えるチャンスです。緊張しても大丈夫。準備を重ねて、自分のペースで話せば、きっと伝わります。あなたの努力は必ず力になります。

 

Q5
(保護者より)子どもは「絶対にこの高校が良い」と熱望していますが、現在の成績では厳しいです。子の気持ちを尊重すべきか、現実的な合格可能性を優先して説得すべきか、どう判断すれば良いでしょうか?

 

A
お子さまが熱望している学校がある一方で、成績面での不安があるとのこと、保護者としてのご心配はもっともです。お子さまの夢を応援したい気持ちと、現実的な進路を考える責任との間で葛藤されているお気持ち、よく理解できます。

まず大切なのは、お子さまがなぜその高校に「絶対に行きたい」と思っているのか、その理由を丁寧に聞いてみてください。
部活動、校風、進学実績、友人関係など、そこにはお子さまなりの強い動機があるはずです。その思いを共有することで、保護者としても納得感を持って進路を考えることができるかもしれません。

ただし、受験には現実的な側面もあります。模試の結果や学校の先生の見立て、過去の合格実績などを踏まえ、合格の可能性を冷静に見極めることも必要です。
志望校一本に絞るのではなく、併願校や安全校も含めた複数の選択肢を持つことで、万が一のときにも安心して進学できる道が確保されます。

判断のタイミングとしては地域によって異なりますが、私立高校の出願が始まる1月上旬ごろまでには方向性を固めておくのが一般的です。それまでの間に、模試や三者面談を通じて情報を集め、親子で何度も話し合いを重ねることが大切です。

保護者としては、現実を踏まえつつも、お子さまの気持ちに寄り添い、前向きな挑戦を支える姿勢が何よりも大切ではないかと思います。

 

(回答者 教育ジャーナリスト 梅野弘之)

 

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