令和8年度 公立高校入試の注目点
志望校決定の時期、目標を定め、計画を立てていこう
埼玉県教育局は、5月に「令和8年度公立高校の選択問題実施校」※1 と「学力検査出題の基本方針と出題の範囲」※1 「入試実施要項」※2「各校の選抜基準」※3、6月に「入試募集人員」※4 と「リーフレット」※5、9月に「解答用紙の変更とデジタル採点への移行」※6 を発表した。
県内外の私立高校も、9月には各校のホームページや説明会で、入試の日程や入試制度等を発表している。※7
中学3年生の、第1回目の進路希望調査結果が発表され※8、いよいよ志望校選定の時期が到来した。
各高校の学校説明会が最盛期を迎え、実際に高校へ行く機会も多くなってはいるが、インターネット等も利用して各校の状況を調べ、志望高校を決定していってほしい。

■※1 「選択問題実施校」「学力検査出題の基本方針と出題の範囲」について詳しくはこちら:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県 公立高校「出題の基本方針」「学校選択問題実施校」を発表-令和8年度
■※2 「入試実施要項」について詳しくはこちら:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県 公立高校「入学者選抜実施要項」-令和8年度
■※3 「各校の選抜基準」について詳しくはこちら:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県 公立高「各高校の選抜基準」を発表-令和8年度
■※4 「入試募集人員」について詳しくはこちら:よみうり進学メディア
〈2026年入試〉埼玉県 公立高校「募集人員発表 全日制400人減」-令和8年度
■※5 「リーフレット」について詳しくはこちら:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県 「公立高校入学者選抜案内(リーフレット)」公開-令和8年度
■※6 「解答用紙の変更とデジタル採点への移行」について詳しくはこちら:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県 公立校「学力検査 解答用紙のサイズ変更」を発表
■※7 「埼玉県内私立高校」の日程・入試要項について詳しくはこちら:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県 私立高「入試要項一覧」発表-令和8年度
■※8 「第1回目の進路希望調査結果」について詳しくはこちら:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県「進路希望調査結果(10月1日現在)」発表-川口市立3.01倍など
10月27日に「令和8年3月の中学校卒業予定者の進路希望調査(10月1日付)」が発表された。※8
既報の通り、9月末のこの時点での志望校調査は、まだ志望校が漠然としている人が多いため、参考程度にしておく必要があるが、いよいよ志望校決定の期間に突入したことを意識しておいてほしい。
12月中旬に2回目の志望校調査がある。この時点では、調査書の各教科の評定がほぼ決定していること、私学の個別相談が終了していることなどから、志望校も決まっている人が多いようだ。
志望校決定は、12月の中旬が目安になる。
ただし公立の具体的な校名は、出願が1月末からのため、冬休み中の成果を見てから決定することができる。
■※8 「第1回目の進路希望調査結果」について詳しくはこちら:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県「進路希望調査結果(10月1日現在)」発表-川口市立3.01倍など
9月に、公立入試の答案用紙がA3版からA4版両面へ変更になることと、デジタル採点方式の採用が発表されている。※6
設問や解答の仕方に変化はないが、機械読み取りになるため、解答欄からはみ出さないように記入することや、訂正する時には、消しゴムで丁寧に消すこと、シャープペンシルなどで答案用紙を傷つけないことなどが注意点となる。
また10月上旬には、「受検生心得」が告知された。※9
学力検査当日の時間割、携行品、実技検査(実施の場合)の日程・時間、面接(実施の場合)の日程・時間、受検当日の集合に関する注意、合格者発表の時間・方法などが記載されている。
合格発表は、WEBの「合否紹介システム」によって、3月6日の9時からとなる。
入試当日の携行品では、受検票、鉛筆(シャープペンシル可)、消しゴム、三角定規(直定規可)、コンパス、時計(計時機能のみ)、弁当、上履きなどとなっており、学力検査に必要ないもの(下敷き、分度器、色鉛筆、ボールペン、携帯電話、計算機など)の携行は禁じられていることに注意しておきたい。
■※6 「解答用紙の変更とデジタル採点への移行」について詳しくはこちら:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県 公立校「学力検査 解答用紙のサイズ変更」を発表
■※9 「受験生心得」について詳しくはこちら:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県 公立高校「受検生心得」-令和8年度
10月上旬に、埼玉県の中学校の進路指導の指針が示されている。主な内容は次のとおり。
①中学校から高校に調査書以外に、通知表、通知書、公的テストの結果等を提供することはできないが、保護者から提出する場合は、保護者の判断による。
②12月中旬以降、志願先高校の受験資格確認のために評定等の確認の必要が生じた場合は、必要な情報のみを、中学校が、求める生徒と保護者に口頭で伝えることができる。
③12月の最終授業日から2月2日の間に、調査書と同じ内容の「成績及び諸活動等の記録通知書」を保護者に通知する。
などとなる。
受験する高校へ提出される調査書の内容は「通知書」で確認できるようになっているのだ。
確認しておきたいことは、評定の数値や特別活動の記録だけではない。校外の活動でも、選抜において「特技」や「文化活動」などで加点される可能性がある。
各種検定や舞踊、書道、華道、茶道、囲碁、将棋など師範や段級位等の特技、あるいはクラブチームでの活動実績等は担任の先生に報告しておいてほしい。
調査書の「各教科の評定」の確定時期が迫ってきた。定期テスト対策は無論だが、宿題の提出を忘れないことや、積極的に日々の授業に参加する事を心がけて日々を過ごそう。
中学校での学習の指針となる学習指導要領では、「グローバル」を合言葉に、「思考力・判断力・表現力」を重視し、「コミュニケーション能力」「問題発見・解決能力」などを養うという方針が示され、その下で日々の授業が行われている。
読み取ること、聞き取ること、それを基に考えること、自分の言葉でまとめること、英語では「読む、聞く、書く、話す」という力を養うことが学習の大きな目標となっている。
このため入試では「資料文の提示」や「対話形式での出題」、「自分の言葉で説明せよ」といった形式が増えてきている。
各教科の設問の仕方や解答方法などで、公立高校も現在の教育目標に合わせた入試に移行してきているともいえる。
入試で重視される内容に合わせ、勉強の仕方も単に言葉や事象を覚えるのではなく、内容を理解し、自分の言葉で組み立てられるようにしていく必要があるだろう。
いよいよ過去の入試問題を解いてみる時期だ。
時間を合わせて、解いて、時間配分や出題傾向、解答方法などを知るなどの早めの対策が重要となる。
コロナ禍は弊害も多かったが、学校内外のインターネットや人工知能などの技術が急速に進んでいることにも注目したい。
インターネットを駆使して各学校の情報を収集し、自分に合った学校選びを行ってほしい。
中学校では、実力テストや校長会テスト等での入試分析が進み、確実な進路指導が受けられるようになってきている。
これらのテストは公立入試に準拠しているケースが多いようで、受験の模試の意味合いも強い。
また、個人成績表に記載される偏差値などの指標は、公私立の入試得点のシミュレーションともいえる。得点力を高めるためにも、しっかりと準備して、全力で受験してほしい。
公立高校の出願まであと2か月と少々、これから皆さんにやってほしいことは、計画を立てて、それを実行することだ。
自分なりの勉強のスケジュールを作ってほしい。そして、強い意志で実行して行ってほしい。
定期考査、校内実力テストや会場テスト等で間違えた箇所は、教科書に戻って確認しておきたい。
学校や塾での勉強とは別に、自学・自習の必要があるということだ。
計画が実行できたなら、それは受験だけに限らず、今後の皆さんの自信につながるはずだ。
朝晩冷え込む時節に急速になってきた、インフルエンザも流行しているようだ。今日から受験までの日々の、皆さん自身の健康管理も重要な入試の対策といえる。
無駄なことを省いて睡眠時間を確保すること。外から帰ったら手を洗い、うがいを忘れないこと。
風邪の症状や腹痛、発熱などがあったら、早めにお医者さんに行っておこう。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)
☆よみうり進学メディアではX(旧Twitter)で記事更新をお知らせしています☆
X(旧Twitter)のフォローをすると、随時掲載情報が受け取れます。受験情報をお見逃しなく!
■よみうり進学メディアX(旧Twitter)はこちらをクリック
x.com@yag_ysmedia