いよいよ令和8年度入試本番、志望校決定の時が来た。
12月下旬から1月上旬に開始されるインターネット等を利用した私立高校への出願、1月27日からの公立高校への出願から3月6日の合格発表まで、およそ2か月にわたる高校入試が開始される。※1・2
インフルエンザが流行している。健康に留意すること、強い気持ちで志望校を選択すること、本気で勉強に集中できるかなどが、受験期を乗り越えるためのポイントになるだろう。
今月号では、既報もあるが、現時点のチェックポイントをまとめた。

■※1 「埼玉県公立高校の日程」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県 公立高「入学者選抜の日程」-令和8年度
■※2 「埼玉県私立高校の日程」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県 私立高「入試要項一覧」発表-令和8年度
9月末に来春の卒業予定者の進路希望調査が実施されたが、公立高校志望の皆さんの希望校の倍率はどうだったろうか。※3
まだ漠然とした時点での調査ではあるが、昨年の調査とは異なる傾向が出ていたことには注意が必要だ。
卒業予定者は、6万2,202人で前年より329人減少した。公立高校の募集人員は400人の減となっている。
大きな変化は、公立希望者が約2千人減少し、県内私立で約1,400人、他都県私立で490人余り増加していたことだ。
例年倍率が高かった浦和が1.10倍(前年同時期1.50倍)、浦和第一女子1.08倍(同1.25倍)、川越1.39倍(同1.52倍)、蕨1.47倍(同1.77倍)など倍率が下がった一方で、大宮2.29倍(同1.93倍)、所沢1.89倍(同1.71倍)が上昇、浦和西、越谷北、不動岡、浦和市立などは変化がなかった。
県が男女別学校を今後の志願動向によって共学化を推進することを発表した影響や、現在、国が私学に対する授業料助成の増額を検討していることなどの影響が出ているのかもしれない。
進路希望調査は、もう1回12月第2週にも実施され、1月上旬に新聞発表される予定だ。
この時期は多くの私学の個別相談も終盤となり、志望校も固まってくる時でもある、この2回目の進路先調査は、受験生の動向を見る重要資料となる。
■※3 「9月末に来春の卒業予定者の進路希望調査」結果について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県「進路希望調査結果(10月1日現在)」発表-川口市立3.01倍など
公立高校の入試問題の出題範囲は「中学校の3年間で学習した内容」とされている。また、各学年の学習内容がまんべんなく出題されることも特徴となる。
中学3年次に学んだ内容の復習だけではなく、教科書を中心に中学1・2年生の内容も見直しておきたい。
各教科の知識・理解は無論だが、それに加えて、中学校での学びの目標とされる「思考力・判断力・表現力」などの力を見る出題がされることに注意が必要だ。
令和3年度以降、「資料文の提示」や「対話形式での出題」「問題発見や解決を求める」「自分の言葉で説明する」といった形式が増えてきているようだ。
私立入試でも教育の目標は変わらない。
8年度入試では、入試の解答用紙がA3版片面から、A4版両面になることと、デジタル採点に移行することが発表されている。※4 これは各高校ごとに、スキャナーを使用して読み取り、パソコンに表示して採点することになるということだ。
このため、解答欄からはみ出さないように記入すること、訂正は消しゴムできれいに消すこと、シャープペンシルなどで解答欄を傷つけないことなどが求められる。
ただし、出題の方法や解答方法に変更は無い。
これから冬休み期間中に、過去の入試問題(過去問)に挑戦してみよう。※5 公立・私立ともに過去数年の入試問題を繰り返し解いてみることは参考になるはずだ。
同じ問題は出題されないし、新しい分野が加わる可能性はあるが、入試の出題方法や解答の仕方に変化はない。
■※4 「デジタル採点」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県 公立校「学力検査 解答用紙のサイズ変更」を発表
■※5 「埼玉県公立高校 学力検査過去問題」はこちらで確認できます:埼玉県立総合教育センターホームページ
過去の入学者選抜学力検査結果
11月号でも述べたが、埼玉県の公立中学校の校長先生方の会が進路指導の指針として、
・12月中旬以降、志願先高校の受験資格確認のために評定等の確認の必要が生じた場合は、必要な情報のみを、中学校が、求める生徒と保護者に口頭で伝えることができる。
・12月の最終授業日から2月2日の間に、調査書と同じ内容の「成績及び諸活動等の記録通知書」を保護者に通知する。
などを各中学校に連絡した。調査書の内容は「通知書」で2月⒉日までに連絡されるようになっている。
受験生は、通知書の内容を確認したうえで、最終志願先を決定できる。
8年度入試から、調査書の記載箇所の一部が変更され、部活動、特技、資格取得などの記録が「特別活動の記録」欄から「その他」の欄に変更された。※6
発表された各学校の選抜基準では、これまでとほぼ同様に点数化の方針が決められているようだ。
これから必要なことは、5教科の実力アップ、得点力の強化だ。
■※6 「調査書の記載箇所の一部変更」について詳しくは:よみうり進学メディア
<2026年度>埼玉県公立高校「調査書の一部変更」-令和8年度
県内私立高校の推薦の出願まで6週間、公立の出願までも2か月を切った。
これから冬休み期間中を含めて皆さんにやってほしいことは、計画を立て、それを実行することだ。
これまでのいろいろなテストで間違えた箇所を見直しておきたい。
また、1年生からの教科書やノートを見返すことも必要だろう。
部活を離れた今だからこそ、しっかりと計画して、実行してみることがワンランクアップの秘訣となる。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)
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