いよいよ令和8年度入試本番、志望校は決まっただろうか。
1月9日からの都立高校の推薦入試への出願から、1月26・27日の都立推薦入試、2月21日の第一次入試(以降は一般入試と呼ぶ)、1月15日からの私立高校の推薦出願から22日の推薦入試、2月10日の一般入試、都立一般入試3月2日の合格発表まで、およそ2カ月に及ぶ高校入試が開始される。※1・2
インフルエンザが流行している。健康に留意すること、強い意志で志望校を選択すること、本気で勉強できるかなどが、受験期を乗り越えるためのポイントになるだろう。
今月号では、既報もあるが、現時点のチェックポイントをまとめた。

■※1 「都立高校の日程」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉東京都 都立高「入学者選抜の日程決まる」‐令和8年度
■※2 「都内私立高校の日程」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉東京都 「私立高入試要項一覧」発表-令和8年度
12月中旬には調査書が確定する。同時に中学校校長会の「都立高校への進路希望調査」が実施され、1月には全体動向と都立高校ごとの希望人数が発表される。令和8年度入試への受験生の動向を知るための重要な資料だ。
前年のこの資料では、卒業予定者が250人余り減少し、都立希望者は約3,700人減少し、国立・私立・他県公立への希望者は約3,300人増加していた。
実際の推薦入試への出願者は約1,950人減少し、一般入試への出願者は約3,300人減少していた。
結果として推薦入試は一昨年の⒉.47倍から⒉.28倍へ、一般入試は1.35倍から1.27倍に低下している。
要因としては、私学の内部努力と私学入学者への授業料支援の充実という声が高いようだ。
1月中頃までに発表される進路希望状況は、全体の動向を示す重要な資料になるはずだ。
倍率が下がったとはいえ、都立入試は依然として高い倍率の学校が多い。都立希望者は、私立併願など、受験策戦を立てて本番に備えてほしい。
都立入試では、6年度入試から男女合同選抜となっている。
8年度入試では、全日制課程での分割募集が廃止され、第一次募集に吸収される。
また8年度入試の生徒募集では、単位制課程に再編される深沢を含め、6校で定員の増減が実施される。※3
また、私学進学者に対する都の助成金の充実などの志願動向変化の要因がある。
そのため、都立第一志望者は、私立高校の併願制度を利用した受験を検討しておきたい。
ただし、私立高校の併願受験は2月10日から開始されるため、一般入試出願の時点ではまだ受験前となる。
このため、都内私立高校の多くが設ける「併願優遇制度」の利用を検討してほしい。
また私立第一志望の場合は、単願・推薦の優遇制度がある。各校が発表する基準をクリアした生徒であれば、12月中旬から中学校の先生を通しての(入試)相談を受け付ける高校が多い。
担任の先生への報告・連絡・相談を欠かさないことが何より重要だ。
■※3 「都内高校 令和8年度の変更」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉東京都 「都立高校入学者選抜 実施方法の変更」発表-令和8年度
都立・私立高校生に対して国や都から授業料に対する助成金が付く。
7年度では、家庭の年収の目安や、授業料支援の限度額が廃止された。都立は授業料が無償となり、私立では都外進学者を含めて49万円までの授業料が助成された。
8年度以降もこの助成金は継続すると見られる。※4
特に、私学入学者に対する公的な助成金の充実によって、学費にとらわれない、より自由な学校選択ができる時代になっているのだ。
いよいよ受験生は、『志望校の決定』の時期に突入した。
■※4 「東京都の助成金」について詳しくは:
<私立高校:東京都生活文化スポーツ局>
・私立中学校・高等学校等に係る東京都の学費負担軽減制度 一覧(PDF)
<受験生チャレンジ支援貸付事業:東京都社会福祉協議会>
・受験生チャレンジ支援貸付事業専用Webページ
現在中学校での教育目標とされているのは、各教科の知識・理解は無論だが、それに加えて思考力・判断力・表現力などを身に付けた、生徒の育成だ。
このため高校入試では、「問題発見や解決を求める」「自分の言葉で説明する」といった内容が増えてきているようだ。
先日実施された東京都中学校英語スピーキングテスト(ESAT‐J)も、英語の4技能(読む・書く・聞く・話す)のうち、これまで行われていなかった話す力を見るためのものだ。※5
入試問題は中学3年生で習った出題が中心になるが、各学年の学習内容から万遍なく出題されている。教科書を中心に中学1・2年生の内容から見直しておきたい。
また、都立・私立ともに過去数年の入試問題を繰り返し解いてみることは参考になる。
同じ問題は出題されないし、新しい分野が加わる可能性はあるが、入試の出題方法や難易度に変化はないはずだ。※6
■※5 「ESAT‐J」昨年度(令和6年度)の状況がまとめられています:よみうり進学メディア
東京都 都立高「中学校英語スピーキングテスト 令和6年度実施状況」
■※6 「都立高校 過去問題」はこちらで確認できます:東京都教育委員会
都立高等学校入学者選抜 学力検査問題及び正答表等
都立一般入試の学力検査に基づく選抜では、独自問題実施校を除く全校で、マークシート方式で実施される。
マークシート方式では記述式解答と異なる点があるので注意が必要だ。
・H、HBなどのやわらかめの鉛筆を使用する。
・解答用紙に傷がつかないよう筆圧に注意する。
・書き直す場合、消しゴムであとが残らないようきれいに消す。
・「消しゴムのかす」が残らないよう注意。
・解答欄のずれや、2重マークを見直す。
などを特に押さえておいてほしい。※7
■※7 「マークシート方式」については、こちらのパンフレットの15項(P56)にまとめられています:東京都教育委員会
令和8年度東京都立高校へ入学を希望される皆さんへ(日本語版)
県内私立高校の推薦の出願まで6週間、公立の出願まで2か月を切った。
これから冬休み期間中を含めて皆さんにやってほしいことは、計画を立て、それを実行することだ。
これまでのいろいろなテストで間違えた箇所を見直しておきたい。
また、1年生からの教科書やノートを見返すことも必要だろう。
部活を離れた今だからこそ、しっかりと計画して、実行してみることがワンランクアップの秘訣となる。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)
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