令和9年度入試の号砲は鳴った
ー「授業料実質無償化」の加速で変わる志望校選び、今すぐスタートを切るべき理由
令和8年度(2026年度)首都圏高校入試の主な日程が終了しました。
それはとりもなおさず新たな受験シーズンの幕開けということでもあります。
受験本番は来年ですが、準備に当てられる時間は10~11か月ほどしかありません。
今すぐ行動を開始しましょう。

高校受験という大きな挑戦は、しばしばマラソンのような「長距離レース」に例えられます。ペース配分が重要であることや、苦しい局面で踏ん張れるかが勝敗を分ける点は確かに似ています。しかし、スポーツのレースと受験勉強には、決定的な違いがあります。
それは、受験には「全員一斉のスタート合図」がないということです。
陸上競技のように、審判が号砲を鳴らして「さあ、今から勉強を始めなさい」と言ってくれるわけではありません。ある人は、中学2年生の冬にすでにスタートを切っています。ある人は、この春休みからギアを上げようとしているでしょう。一方で、「部活動が終わる夏休みから本気を出せばいい」とのんびり構えている人もいるかもしれません。
しかし、入試本番を「来年のこと」と遠い未来のように捉えるのは危険です。私立入試まであと10か月、公立入試までも11か月ほどしかありません。この限られた時間のなかで、スタートのタイミングが1か月遅れることがどれほど重大な損失か、想像してみてください。ライバルが走り始めているのに自分はまだスタートラインでストレッチ。その間に開いた距離は、後からどれだけ全力疾走しても、そう簡単には縮まりません。
スタートのタイミングに加え、中学生の皆さんにはもうひとつ厳しい現実を伝えておかなければなりません。それは「全員が同じ位置からスタートするわけではない」という事実です。
受験レースではこれまでの「中学1・2年生の積み重ね」が、そのままスタート位置のハンデとなって現れます。
前方からスタートする人は1・2年生の内容を完璧に理解し、調査書点(通知表の評定)も安定している人です。対して、後方からスタートする人はこれまでの学習内容に不安があり、苦手科目を放置してきた人です。
もし自分のスタート位置がライバルより後ろにあると自覚しているなら、人一倍早く走り始め、人一倍速いスピードで進まなければ、前を行く人に追いつくことは物理的に不可能です。「後で頑張る」という言葉は、前方からスタートする余裕のあるライバルをさらに有利にするだけです。
逆に現時点でリードしている自覚がある人は、そのアドバンテージを絶対に手放さないでください。早くスタートを切り、さらにその差を広げて独走態勢を築きましょう。
令和9年度入試に臨む皆さんは、先輩たちとは異なる「新しい常識」の中で戦うことになります。その大きなトピックが、「私立高校授業料の実質無償化」の進展です。
ここで注意が必要なのは「私立高校のすべての費用がタダになるわけではない」という点です。高校に通うために必要な学費には「入学金」「授業料」「施設維持費(施設拡充費)」などがあります。今回の制度で国の就学支援金などにより実質的に無償化の対象となっているのは、あくまで「授業料」の部分です。
入学金や施設維持費、制服代、修学旅行の積立金などは、これまで通り各家庭での負担となります。とはいえ家計における最大の支出である授業料の負担が軽減されることは、志望校選びの幅を大きく広げる追い風であることに間違いありません。
この制度により、これまで「学費が高いから」と諦めていた私立高校を第一志望として検討する受験生が急増しています。人気校の倍率はさらに高まることが予想されます。したがって、早いうちから志望校の入試傾向に合わせた対策を始める必要があります。
中学生の皆さんと話していると、よく「みんな、まだ始めていないから大丈夫」という言葉を耳にします。ここで言う「みんな」とは、おそらくクラスの友人や部活の仲間など、あなたの目に見える範囲の人たちでしょう。
しかし、入試本番で競い合うのは、あなたの知らない街、知らない中学校に通う何千人、何万人もの受験生です。彼らは今、この瞬間も机に向かっているかもしれません。あなたの周りの「みんな」は止まっていても、地域全体、あるいは全国のライバルたちは、着々と牙を研いでいます。
狭い世界の安心感に浸るのではなく、視野を大きく広げてください。
(よみうり進学メディア編集部)
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