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中学1・2年生の段階で心から「ここに行きたい!」と思える学校が見つかっていないのは、決してあなただけではありません。「普通」とまでは言いませんが、実はよくあることです。今はまだ、高校生活というものがイメージしづらい時期なのかもしれません。
3年生になり、いよいよ入試が現実味を帯びてくれば「ここなら通えそう」「ここは自分には合わないかも」といった具合に、自然と希望が固まってくるものです。
しかし、受験期に入ってから慌てて探し始めると、偏差値や数字だけで判断せざるを得なくなり、後悔につながるリスクもあります。ですから、時間はあっという間に過ぎてしまうことを意識して、今のうちから少しずつ「自分なりの物差し」を作っていきましょう。
「何を基準に選べばいいか」という問いへの答えは、最初から立派な基準を持とうとしないことです。まずは、最もハードルの低いところから手を付けてみましょう。
例えば「家から一番近い学校」を調べてみる。あるいは、家族や親戚が通っていた学校、部活の仲の良い先輩が進学した学校など、身近な縁がある場所からチェックしてみてください。
実際に学校のホームページを見たり、文化祭や説明会に足を運んだりするうちに「制服が好み」「校舎がきれい」「なんとなく落ち着く」といった、理屈ではない直感が働くはずです。そうした小さな「好き・嫌い」の積み重ねが、あなただけの確かな判断基準になります。まずは「知ること」から始めてみてください。それが、自分自身の考えをはっきりさせるいちばんの近道です。
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まず、現時点で「行きたい高校」が明確にあるというのは、受験生として非常に大きなアドバンテージです。目標があるからこそ自分の現在地とのギャップに焦りを感じるわけですが、その「悔しさ」や「危機感」こそが、これからの1年を支える強力なエンジンになります。
やる気に満ちている今のあなたに水を差すつもりはありませんが、まずは冷静に戦略を立てる必要があります。
約2週間という短い春休みだけで、2年分の遅れをすべて取り戻すのは現実的ではありません。無理な計画は挫折を招き、自信を失わせる原因になります。「3年生の夏休み前までに基礎を完成させる」といった、少し長めのスパンで計画を捉え直す心の余裕を持ちましょう。
そのうえで必ずやってほしいのが「原因の究明」です。今の状態になったのは、予習・復習の習慣がなかったからでしょうか? それとも授業中の集中力に課題があったのでしょうか?
原因を放置したまま闇雲(やみくも)に勉強を始めると同じ失敗を繰り返してしまいます。まずは自分の学習スタイルのどこを改善すべきかを明確にしましょう。
春休みの具体的な学習については、最も不安が大きい「数学」に絞ることをお勧めします。数学は積み上げの教科ですから、1・2年の穴を埋めない限り3年の授業についていくことはできません。
いきなり入試の過去問に手を出してはいけません。まずは薄くても構わないので、1・2年の内容が網羅された「基礎基本の問題集」を1冊用意し、それを最後までやり遂げることを目標にしましょう。
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「受験生」という言葉だけが独り歩きして、自分の気持ちが置いてけぼりになっている…そんな感覚でしょうか。
実は「実感」というのは、誰かに言われて湧いてくるものではありません。周りから「自覚を持ちなさい」とアドバイスされても、心に響かないのはある意味で当然のことです。実感とは、言葉ではなく、あなた自身の「体験」を通じて、体の内側からじわじわと生まれてくるものだからです。
あなたが今求めているのは単なる「受験生気分」ではなく、「よし、やるぞ!」というスイッチが入った状態ですよね。それならまずは「受験生らしい行動」という形から入ってみることをお勧めします。
例えば、志望校が決まっていなくても進学イベントに足を運んでみる、今の実力を知るために外部模試を受けてみる、といったアクションです。あるいはもっと手軽に、本屋さんの参考書コーナーを覗いてみるだけでも構いません。受験に立ち向かう人たちの熱気に触れるだけで、景色は少しずつ変わって見えてくるはずです。
こうした「受験生っぽい行動」を重ねていくうちに、スマホやゲームに向けていた時間が、少しずつ現実味を帯びた「準備の時間」へと変わっていきます。そしてもうひとつ大切なのが「学びの仲間」を見つけることです。「遊びの仲間」も大切ですが、同じ目標に向かって机に向かう仲間の存在は何よりの刺激になります。
人は環境や行動に引きずられる生き物です。まずはアクションを起こしてみましょう。それがやがてあなたの「本気」を作ってくれるはずです。
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体調が優れない中で、将来への不安を抱えるのは本当につらいことですね。まず、結論からお伝えすると、過去の欠席が原因で「合格の可能性がゼロになる」ということはありません。ですから、あまり自分を追い詰めないでくださいね。
入試における欠席日数の扱いは、実は都道府県や学校の種類によってルールが異なります。多くの公立高校では、当日の試験結果や調査書の「評定(内申点)」を重視するため、欠席日数そのものが合否に直結しないケースも増えています。
しかし、一部の地域や学校では、調査書に記載された出欠状況を参考資料とする場合もあります。特に私立高校の「推薦入試」などでは、出願条件として「3年間の欠席が〇日以内」と具体的に定められていることがあるため、募集要項を確認しておくことは欠かせません。
もし不安が残るなら、学校の先生に相談したり、高校の個別相談会で事情を正直に話してみることをお勧めします。体調不良という正当な理由があれば、学校側もそれを考慮したアドバイスをくれるはずです。
それ以上にいま大切にしてほしいのは「これからの過ごし方」です。過去の欠席日数を変えることはできませんが、勉強の遅れを取り戻し、少しずつ登校日数を増やしていく努力は、あなたの「今の頑張り」として高く評価されます。無理は禁物ですが、体調と相談しながら、一歩ずつ学校生活のリズムを整えていきましょう。
入試は「これまでのあなた」を裁く場ではなく、「これからのあなた」を応援する場です。
(回答者 教育ジャーナリスト 梅野弘之)
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