令和3年度(2021年度)高校入試の本番が間近に迫ってきました。皆さんが持てる力を出し切り、最高の結果を出してくれることを祈っています。
高校入試はまず私立から始まります。埼玉県内私立の場合、1月22日からのスタートになります。
県内私立の推薦入試では、単願、併願という2つの制度を設けている学校が多数を占めています。したがって、そのどちらかを受験するという人が多いと思います。
単願はその学校を第一希望とする人を対象としていますから、合格すればその時点で進路が決まります。
公立受験者よりも約1か月早く受験勉強から解放されますが、中学校生活はまだ続きます。特に今年度は新型コロナの影響で授業時数がやや不足したり、進度が遅れがちになったりしていましたから、「中学校の内容は中学生のうちにマスターする」という心構えで、最後まで気を抜かず授業を受けることが大切です。
併願受験者の多くは、公立を第一希望にしていると思います。
私立入試が終わると少しほっとした気分になると思いますが、すぐに気持ちを切り替えて公立入試に集中しましょう。
ここからは2月26日に行われる公立入試受験者向けのアドバイスです。
本番をベストコンディションで迎えるというのは受験の鉄則ですが、新型コロナが終息していない今年は、特にそのことが重要になります。
睡眠と食事はしっかりとること。
受験生としてはこの時期、寝る間も惜しんで勉強したいところですが、体力が奪われれば、気力も低下します。気持ちが乗らなければ、勉強も長続きしません。本番当日を最高の状態で迎えるために規則正しい生活を送りましょう。
新しいことに手を出さない
受験を成功させたければ、直前になって新しいことに手を出してはいけません。
不安や焦りから、あれもこれもと手を広げ過ぎると、結局すべてが中途半端になってしまいます。本番で頼りになるのは「十の曖昧な知識より一の確実な知識」です。
これまでやってこなかったことを今から急にやるよりも、すでにやってきたことを、より確実なものにするほうが合格への近道と言えるでしょう。
皆さんは今日まで、学校内外でたくさんの試験を受けてきたと思います。そこで、もしそれらが手元に残っているなら、間違った問題や出来なかった問題の解き直しをしてみてください。
まったく同じ問題が出ることはないと思われますが、内容面や形式面において類似性の高い問題、つまり、よく似た問題が出る可能性は高いと言えます。
解き直しの際は、必ず手元に教科書を置き、疑問や不安があるときはすぐに見直すようにしましょう。
公立入試の合否は学力検査と調査書得点の合計点で決まります。
ですから、調査書得点に不安がある人は、学力検査で1点でも多く取ればいいのです。
それで逆転が可能です。
学力検査では5教科の合計点だけが合否に関係するのであって、個々の教科の得点は関係ありません。
苦手な教科がある人は、その分を得意でカバーすればいいのです。もちろん最後まであきらめないという気持ちは大切です。受験は一つの勝負ですから、あきらめたら負けです。
とことん粘りましょう。ただ、直前の1週間ぐらいは得意教科や好きな教科に集中し、気分良く受験勉強の幕を閉じ、そのまま本番を迎えたほうがいいでしょう。
あと約2か月ですべての結果が出ます。
先ほど受験は一つの勝負と言いましたが、本当を言うと、受験には勝者も敗者もありません。
あったとしても合格発表のその瞬間だけのことです。
発表の翌日から、皆さんはそれぞれの目標に向けて新たなスタートを切ります。春はみんなにやって来ます。