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入試情報
2021.6.10

〈2022年度入試〉「ICTを知ろう」 いま教育の現場が変わる【前編】

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言以降、加速されている家庭学習支援。
中でもICTを活用した施策が進行しています。
教育の現場が今後どう変わっていくのか、前後編でお知らせします。

そもそもICT教育とは?

ICTとは‟Information and Communication Technology‟の略です。
ICT教育とは、学校教育において「電子機器や通信機器を使って情報・知識の交流をする」こと、または「ICT機器を使った教育」という意味になります。
今年度より実施されている「新学習指導要領」では、情報活用能力の育成と学校におけるICT環境整備、ICTを活用した学習活動が大きな柱となっています。
中学校でも今年から「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング」が開始されます。
高校では来年度から共通必履修科目「情報Ⅰ」の新設が決定しています。
そのための学習環境整備計画が、1人に1台のPC、高速大容量の通信ネットワークの構築など、学校ICT環境の整備を進める「GIGAスクール構想」です。計画は進学コロナ禍により大幅に前倒しされ、全国で着々と進行しています。

文部科学省が3月17日に発表した「GIGAスクール構想の実現に向けた ICT環境整備の進捗状況について」の速報値によると、3月末までに97.6%の自治体で整備が完了する見込みとあります。きっと皆さんの中学校でも1人1台、情報端末が使える環境となっているのではないでしょうか。

しかしながら、導入した学校でも活用度合いや運用にはまだまだ、違いがあるようで、生徒たちの学びに格差が生まれることが懸念されています。

例えば埼玉県ではこうした格差を出来るだけ小さくしようと、この4月よりICT教育推進課を新設しました。
従来、ICT関連の施策は学校ごとに担当が分かれていましたが、新設部署に一括することでICT活用に弾みをつけたいとの考えです。
環境が整った今、それらをいかに利用・利活用していくかがこれからの課題と言われています。

コロナで高校はどう変わった?

昨年の臨時休業期間をうけて、県内の公立・私立各校は、オンラインを活用した授業、行事、また説明会などを次々と実施しました。
生徒が所有するスマートフォンの考え方も変わってきました。埼玉県教委は令和3年1月13日付けの通知で、県立高校の学校における携帯電話の取扱いについて「教育活動を目的とした個人所有の ICT 機器の使用などの取扱いについても各学校の実態に応じて定める」と通知しました。実際に、授業で生徒のスマートフォンと学校配備のタブレット端末を併用した授業を行った県立高校も出てきました。
機器の活用は授業に留まらず、あらゆる学校活動にも広がまってきています。
各学校毎に工夫を凝らした運用をしていますので、志望校選びの際には注目してみてください。

【後編】ではコロナ禍で実施されたアンケート調査の結果からICTを考えていきます

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