よみうり進学メディア

千葉 入試情報
2021.6.11

〈2022年度入試〉千葉県入試情報 「公立入試(全日制)の検証」 コロナ禍でも、計画を立てて夏を乗り切れ

新型コロナウィルスの蔓延が続き、いろいろな面で制約が出ていることだろう。
気が付けば、私立高校の入試まであと8カ月あまり、制約は続くが、勉強に、運動に、学校行事に頑張る時期が来ている。
受験生に必要なことは、「悔いを残さない志望校の選定」、「学力の向上のための努力」、「調査書対策」だ。
今から調査書確定の12月までの間、すべての教科で集中して授業に臨んでいきたい。
3年生の夏は忙しい。健康管理に注意して、計画を立てて梅雨時期を乗り切ろう。

令和4年度公立の募集人員は大幅な増加へ

来春の千葉県内の国・公・私立中学校の卒業予定者は、約5万2800人で、今春より1,500人余り増加する。(前年度学校基本調査)
これに合わせ、公立全日制の募集定員は20学級程度の大幅な増になると予想される。
また、県立学校改革推進プランの実施に伴い3年度では、君津と上総の統合(君津としてスタート)が実施されたが、4年度では、定時制高校の再編(船橋と行徳の統合、佐倉南の三部制定時制への改編)が予定されている。
募集定員は、例年8月に発表される。

公立の入試の仕組みを理解しておこう

3年度入試から、受験の期間の短縮などの課題解決のために、入試機会を1回とする公立高校の入試改革が実施された。
5月末に、4年度入試の選抜要項が発表されたが、日程以外は、前年と同様となっている。
➀全日制・定時制の全ての学科において、各学校が定めた期待する生徒像に基づき、学力検査、学校設定検査の結果及び、調査書等の書類審査等により選抜を行う。としており5教科の学力検査と学校設定検査(面接・集団討論・自己表現・作文・小論文・学校独自問題による検査・他)として1以上を採用する。
②受験日程は、出願2月9・10・14日、志願先変更2月17・18日、学力検査2月24・25日、追検査の出願は2月28、3月1日。追検査は3月3日、追検査の合格発表3月7日。
③学力検査は1日目は国語、数学、英語で、2日目は理科、社会。英語はリスニングを含め60分、他は50分とする。
理数に関する学科は、数学・理科を、国際関係の学科では、英語をそれぞれ1・5倍又は2倍にできる。
学校・学科ごとの、選抜内容が異なることに注意が必要だ。
追検査は、新型コロナや濃厚接触者、インフルエンザ等の生徒の受験機会を保障するために実施される。

令和3年度からの入試は受験生に優しい

令和3年度入試に臨んだ中学校卒業者は、約5万1370人、前年より約2,050人減少した。
公立高校の全日制募集定員は、これに合わせ37学級減の3万1080人となった。(県立千葉、東葛飾の一貫生を含む)
君津(旧)と上総の9学級が募集停止となり、君津(新)に7学級が誕生した。また、千葉女子、八千代東など34校で34学級の募集減となった。
出願者は、3万3627人で出願倍率は、1・09倍、志願確定が3万3517人で、Ⅰ・08倍、受検者は271人が欠席し3万3184人で、合格者は2万8988人、実質倍率は1・15倍となっていた。前年の2回選抜の、前期の1・73倍、後期の1・41倍と比べると、はるかに受験し易くなっていることが分かる。
受験機会が2回から1回になったという声も聞かれるが、不合格の延べ数は大幅に減少している。
しっかりと対策しておけば恐れる必要はない。

入試環境の変化は、学校を知ることから

来春の入試変化の要因としては、『卒業予定者の増加による公立の定員増』、『私立高校生に対する国と県からの学費助成の充実』や『来春の高校進学者から新学習指導要領が施行』などの複数の変化が挙げられる。
公立高校も私立高校も、校内LANの設置、モバイル端末の配布と利用、補習・補講の充実、アクティブラーニングの実践・研究、授業時間の確保など新しい学習指導要領への対応や大学入試の改革に対応するための努力を続けている。学校ごとの取り組みをいろいろな機会を通じて知ることが重要になっている。
7月までの大規模な私学展や各校の説明会などは、申し込み制や、定員制になっているが、ホームページなどを見るようにして、機会をとらえるようにして欲しい。

既に入試は始まっている

令和4年度入試に臨む際のポイントは、各教科の評定の扱いだ。
4月から中学校の新学習指導要領(※注)が施行され、思考力、判断力、表現力を伸ばすための工夫がされた授業が開始されている。
同時に、各教科の評定の基となる観点別評価がこれまでの国語5観点、他は4観点から、全教科「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に変更される。
通知表は、これを基に改訂される見込みだ。すべての観点がA~Cで評価され、それを基に評定が決まることになる。定期考査の結果はもちろんだが、日々の授業態度や積極的に授業に臨む姿勢、考え、発表する内容、提出物などが大きなウエイトを占める。
受験生には、授業への集中力や緊張感などが求められている。
連休が明け、いよいよ受験を意識する時期となった。コロナ禍で、積極的になりづらいことも多いが、計画を立て、それを実行することでワンランクアップを目指そう。

※注 どの地域でも一定の水準の教育を受けられるようにするために、国が学校教育法等に基づいて定める。

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)