急速に進化するデジタル化社会に対応できる人材の育成は、
工業だけにとどまらず、農業、商業など各専門科目へも波及していきます。
同時にデジタル化に対応した産業教育装置の整備が進行しており、
これは「スマート専門高校」実現に向けての動きにあたります。
コロナ禍や少子高齢化の中、次代の担い手育成へ向け、
優秀な人材を確保と多様な人員を育成することが教育界では求められています。
そこで注目を集めているのが専門高校での教育です。
専門高校ではデジタル化に対応した、産業教育装置の整備が進行中です。
「スマート専門高校」実現に向けての動きで、文部科学省「令和2年度第3次補正予算案」において、約 274 億円の特別な予算計上が決定されています。
事業内容は『農業や工業等の職業系専門高校における、ウィズコロナ・ポストコロナ社会、技術革新の進展やデジタルトランスフォーメーションを見据えた、高性能ICT端末等を含む最先端のデジタル化に対応した産業教育装置の整備に必要な費用の一部を国が緊急的に補助する。』とあります。
目的は『Society5.0時代における地域の産業を支える職業人育成を進めるため、専門高校においてデジタル化対応装置の環境を整備することにより、最先端の職業教育を行う「スマート専門高校」を実現し、デジタルトランスフォーメーション等に対応した地域の産業界を牽引する職業人材を育成する。』ものです。
対象は、国公私立の職業教育を主とする専門学科等を設置している高等学校。
対象経費は、デジタル化対応産業教育装置の整備に必要な経費(装置の購入、設置工事費等含む)とされています。
具体例としては
【金属造形3Dプリンタ】コンピュータで入力された数値をもとに、金属等の加工品を作成する産業用装置
【マシニングセンタ】自動工具交換機能を有した多種 類の加工を連続で行えるNC(数値制御)工作装置
【高性能PC端末を配備した実習室の整備】装置の制御、画像分析等多様な用途に活用
【冷凍・冷蔵実験装置】コンピュータ制御により、冷凍速度、温度を調節し、鮮度の違いを実験する装置
などが挙げられています。
今回の事業目的は「Society5.0 時代における地域の産業を支える職業人育成」であり、専門高校においては各地域で活躍する優秀な職業人の育成が期待されているわけです。
急速に進化するデジタル化社会に対応できる人材の育成は、工業だけにとどまらず、農業、商業など各専門科目へも波及していきます。
勤労観・職業観の育成、豊かな感性や創造性を養う総合的な人間教育の場として、専門高校、専門学科教育の果たす役割は大きくなっていくと予想します。