令和4年度入試に向けて、千葉県私立高校の募集要項が出揃った。
新型コロナウイルス感染症が収まらない中、今春、大学入試改革が実行された。来春から学習指導要領改訂が高校で実施される。それらに向けて、研究・対策を進める学校は多い。
また、新しい教育を目指し、コースの新設や改編が相次ぐ。
コロナ禍で高校の説明会や相談会は、申し込み制やオンラインを利用したものなど制約が多いが、できるだけ参加して情報収集をしておきたい。
コロナ禍の中、急ピッチで進む、教育の変化
来春から高校の学習指導要領が改訂される。皆さんは、新しい指導要領で初めて3年間学ぶことになる。
大学入試は皆さんが入試に臨まれる頃には、第二段階目の改革を迎えると考えられる。
情報などの新しい教科に加え、思考力・判断力・表現力を育む教育を視野に、改革を推し進める学校が増加している。探求型授業やコミュニケーション能力の育成、英会話、ICT教育などだ。
また、ネット社会の進歩や人工知能の発達などで、社会の変化も激しい。
10年後、20年後には、社会そのものも大きく変わってくると思われる。
そんな時代の学校選択では、希望する学校を調べ、入試制度や基準だけでなく、教育の特色や授業時間などを知ることが必要となるだろう。
公立希望者は、私学の併願を意識しておこう
千葉県教育庁より、7月に公立高校の実施要項が、8月に各校の募集定員、並びに検査の内容等が発表された。
受験生は、1回募集という入試改革2年目に立ち向かうことになる。
折から、新型コロナウイルス感染症の蔓延と、その予防という障害が立ちはだかっている。
強い意志で入試に臨むことは無論だが、健康を維持することがますます重要となるだろう。
公立志望の人こそ、併願で私立高校を合格しておくことが、自信を持って受験本番に臨むための必須条件となるのだ。
志望する私立高校の入試変化に注意
4年度の千葉県内私立高校では、前期選抜《1月17日開始》と後期選抜《2月15日開始》の入試期間を設けている。
しかし私立高校の入試は、公立の入試変化に伴って後期募集を取りやめる学校が増加しており、前期選抜中心となってきているようだ。
県内私立高校では、学科・コースの改編や新設を行う学校がある。
9月中旬までにまとめた、県内私立高校の主な変更点を見てみる。
まだ調査中のため、必ず該当の学校の入試情報を確認してほしい。
■学科・コースの変更
○敬愛学園(千葉市)→進学α、βのコース分けを止め、特別進学と進学の2コース制に再編。
○千葉商科大付(市川市)→普通科の特別進学、選抜進学、進学の3クラス制から特進選抜、総合進学の2クラス制に再編。
○日本体育大柏(柏市)→アドバンストコースをアカデミックフロンティアコースに、進学コースをアドバンストラーニングコースに改称。アスリートコースと併せ3コース制に。
○ 千葉敬愛(四街道市)→総合進学、特別進学の両クラスをコースに再編。
○ 市原中央(市原市)→芸術コース(音楽・美術)を募集停止。ハイレベルチャレンジコースⅠ・Ⅱ類、グローバルリーダーコースの募集に。
○ 木更津総合(木更津市)→美術コースを新設。特別進学、進学、総合の各コースと併せ4コース制に再編。
(岩佐教育研究所調べ)※9月20日現在
また出願でインターネットを利用する学校が増加しており、説明会や相談会をオンラインで実施する学校が増えていることを考えると、受験生はインターネット使用の環境を確保する必要がありそうだ。
私学独特の入試制度や基準を調べておこう
コロナ禍のため、申し込み制やオンライン説明会などになっている状況だが、4年度入試に向けて、私立高校の学校説明会が佳境に入っている。
これらの説明会では、各コースや類型、特別クラスなどの内容、教育課程や、入試の単願や推薦、併願制度の内容や基準などの詳細な情報を得ることができる。
さらに、その後に実施される個別相談では、学校に対する個人的な質問をすることができたり、合格の可能性を教えてもらえたりする。
あらかじめ質問内容などをまとめておきたい。私学の入試を調べ、知ることが私立高校受験の合格の秘訣となるだろう。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)