A1
コロナの状況はだいぶ落ち着いてきましたが、高校側としても一気に元通りというわけにもいかず、人数制限は続いています。
追加や臨時の説明会を開いている学校もあるので諦めないでください。
高校に問い合わせすれば質問に答えてくれますかというお尋ねですが、これは公立私立に関わらず、どこの学校でも対応はしてくれると思います。
学校に電話すると平日の通常時間帯(9時頃から夕方5時頃まで)であれば、事務
室につながります。簡単に用件を伝えれば、公立なら教頭先生などに、私立なら入試広
報室などにつなげてくれるでしょう。
また、私立の場合、入試広報室などへの直通電話が設置されている場合もあります。ホーム
ページなどからメールでの問い合わせが可能な学校は、そちらを利用することも考え
てください。学校は、企業やお店と違って外部からの問い合わせに対し迅速に対応するためのシ
ステムが必ずしも確立されていません。そのためのスタッフも置いていません(特に公立の場合)。ですから、皆さんは対応の仕方などに多少のご不満を持つかもしれませんが、学校を知ってもらいたいとか、目的の明確な生徒に大勢受験してもらいたいという気持ちは、どこの学校、どんな先生でも同じだと思います。
以前にも同様なご質問があり回答しましたが、お困りになっていることがあれば、まずは中学校の担任の先生や、塾に通われている場合は塾長先生などと相談しながら進めるのがいいと思います。
A2
9月から過去問をやっている。これはまあいいですね。ただ、受験まで3か月余りしかなくとか、普段の授業もありというのは、あなただけの特別な事情ではなく、全受験生が同じ状況に置かれているわけですから、そういう言い訳じみた話はやめましょう。
1週間で1年分。まずはこのくらいのペースを想定しましょう。
5週間で一通り終わります。もう少しゆっくりペースに落としても7、8週間あれば行けるでしょう。ただし平日だけでは厳しそうなので土日を活用しましょう。
入試科目が10科目以上あればひとつぐらい捨てるという発想もありだと思いますが、たった5科目のうち1科目捨てるというのは、合格を捨てると言っているのに等しいので、その考えはやめてください。
以前にも同様の質問があり、その時の回答とダブりますが、苦手科目はいくら時間をかけても、出来ないものは出来ないのですから、さっさと教科書なり解答解説なりの力を借りて解くようにしましょう。
「倣う」。この漢字読めますか。「模倣」の「倣」で訓読みすれば「ならう」です。
「倣う」ことは「習う」ことなのです。教科書や解答解説を見ながらやるのは「倣う」ことに当たりますが、これも立派な「習う」、すなわち学習することなのです。
重要なことは、最初がどうだったかとか、途中経過がどうだったかとかではなく、最終的に自力で解けるようになったかどうかということです。
A3
どこの都県でも入試の合否は基本、学力検査点と調査書点の合計で決まると考えていいので、これから猛勉強して学力検査点を上げれば、合格に一歩も二歩も近づくのは確かです。
しかも、難関と呼ばれる学校ほど学力検査点に重きがおかれるので、その意味でも学力検査点のアップは合格を引き寄せる最良の手段となります。
ただ、受ける学校のレベルや倍率、それとあなた自身のいま現在の学力と今後の伸び率によって結果が決まるので、合格するかどうかはやってみなければ分かりません。
高校入試に限らず、すべての試験、いや、すべての競争はやってみなければ分からないのです。
仮に、この段階で志望校のランクを下げたとします。レースから降りるわけですね。
たぶんライバルたちは歓迎するでしょう。競争相手は少なければ少ないほどいいですから。で、あなたはワンランクかツーランク下の別のレースにエントリーします。すると、少し気が楽になったあなたは勉強のペースをスローダウンさせてしまうかもしれません。そうなったら、もう二度と最初のレースには復帰できません。復帰したとしても、今よりももっと苦しい戦いが強いられます。ですから、志望校のランクを下げるのは最後の最後にしたほうがいいと思います。
A4
やるべきことがあるのに動画見て笑ったり、すぐに寝てしまったり。なんか私のことを言われているようで恥ずかしいです。私もこの原稿、前から分かっているのに締め切り直前になって書いています。なぜいつもこうなんでしょう。
さて、保育の仕事に関わりたい。さしあたり保育士とか幼稚園教諭ですかね。高校に入って変わるかもしれませんが、それはその時のこと。職業や仕事のことをイメージできるって素晴らしいことです。
だったら、それを目標に勉強したらどうなの。と、親の立場、大人の立場としてはそうなのですが、夢や希望と、それを実現するための努力や行動との距離は、果てしなく長く遠いのですよ。もしかしたら、両者はほとんど無関係かもしれません。
ご家庭の役割は、お子さんとの間で話題にすることだと思います。それがゲームクリエータであろうとユーチューバーであろうと、折に触れ話題にします。その際、「なれたらいいね」の一言を忘れないことです。
実際に口に出さずとも、聞く態度としてそこがポイントです。二言目には「そんなの無理」。そういう人と夢を語り合うなんて出来ません。大人同士だってそうでしょう。
相手を否定的に見ているのに、自分の言い分を肯定的に聞けというのは無理な要求なので、親の目からはどんなに幼い動機であっても、肯定的に見てやってください。
もしかしたら、ちょっとした行動変容が見られるかもしれません。
(回答者:教育ジャーナリスト 梅野弘之)
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