受験生にとって冬休みは、大きな、そして最後の山場となります。
ここで大きな成果を得ようとするなら、ただ「ガンバルぞ!」と決意するだけでは駄目で、
綿密に計算された計画が必要になります。
今回は「あの冬休みの頑張りがあったから合格できた」、
後日そう振り返ることができるような過ごし方について考えてみます。
本番から逆算して計画を立てることの重要性については、これまでも何度かお伝えしてきました。ただ、そうは言っても、ゴールがあまりにも遠すぎるとイメージも沸きにくく、そう簡単なことではありませでした。
しかし、ここまで来ればゴールもはっきり見えてきたでしょう。志望校によってさまざまですが、早い人なら1月中旬、つまり来月がゴールです。また、遅い人でも2月中旬から下旬、つまり再来月がゴールです。
そんなに遠くはありません。いや、もう目前と言ったほうがいいかもしれません。時間は限られています。ですから、その中で冬休みにどういった役割を持たせるか、そういった考え方がきわめて重要になってきます。
直前2週間は無いものとして考える
本番から逆算して計画を立てる際には、直前1週間、できれば2週間は最初から無いものとして考えることを勧めます。
もちろん直前も勉強は休みなく続けます。が、試験当日を心身共にベストな状態で迎えたければ、あまりハードな勉強をするのは得策ではありません。この時期は本番を最高の状態で迎えるための調整期です。無いものと考えるというのは、そういう意味です。
どうしてもやっておきたいことは、それ以前に終わらせていなければなりません。直前に大きな課題を残しておくのは最悪のやり方です。
今日からカウントダウン開始
さて、皆さんの持ち時間は「本番までの日数マイナス2週間」です。少ないですね。
これまでは本番まで何か月と言っていましたが、これからは何週間、何日と言わなければなりません。
本番まで何日?と聞かれて即座に答えられないようでは困ります。今日からカウントダウンを始めてください。
少ない時間を生かすには選択と集中
少ない時間を生かすために欠かせないのが選択と集中という考え方です。 その手順を紹介しましょう。
まず、本番までやるべきだと考えられることを列挙してみてください。頭の中で考えるのではなく書き出してみましょう。他人との約束ではないので、後で足したり引いたりしてもいいことにしましょう。分からないときはひとりで悩まず先生に相談しましょう。
以上が準備段階です。
選択しないとすべてが中途半端に終わる
次に。
列挙した課題(やるべきこと)の中から、どうしてもやらなければならないこと、またはやっておきたいことを選び出します。
おそらく、どうでもいいことなどひとつもないと思います。あれも大事、これもやらなければと迷うと思います。ですが、そこを何とか乗り越えて、ひとつかふたつに絞ってください。それが選択です。時間がたっぷりあれば、思いついたことは全部やれるでしょう。ただ、残り時間は限られているのでそれは困難です。すべてが中途半端になってしまわないように、自分にとって特に重要なものを選択しましょう。
集中と言っても全集中までは…
選択が終わればあとは簡単です。
時間とエネルギーをそこに集中します。
ただ、本番試験では5教科(又は3教科)あるわけですから、仮に「苦手英語の克服」といった課題があったとしても、100%の時間とエネルギーをそこに投ずるのは現実的ではありません。全集中というわけにはいかないので、勉強時間が4時間あったとしたら、そのうちの2時間を英語にあて、残り2時間を他の4教科にあてるといった形が考えられます。
実行したことが正解になる
ここまでで大体お分かりかと思いますが、冬休みは選択と集中の時です。年が明ければ本番モードです。その時に大きな不安を残したくはないですね。ですから、自分にとってもっとも大きな不安は今すぐ解消しておきましょう。
先ほども言ったように、何を選び出し集中するかは迷うところです。たぶん正解はないのかもしれません。しかし、正しく計画しても実行しなければ正解とはならないのです。実行したことだけが正解となり得るのです。