よみうり進学メディア

入試情報
2022.3.8

〈2023年度入試〉受験生の疑問に答えるQ&A 「受験勉強なにからはじめれば全くわかりません」ほか

Q1 いよいよ高校入試の学年です。でも、なにからはじめれば全くわかりません。最低限いつまでに何をすればよいのかなどアドバイスお願いいたします。(年間のスケジュールなど?)

A
1年間を見通して計画を立てようという心がけはいいですね。成功パターンのひとつです。

ただ、置かれた状況は人それぞれですから、これが唯一とか、これがベストというものはありません。一般論という形でお話しますので、あとは自分自身でアレンジしてください。

◆受験生の二大テーマ

受験生が本番までにしなければならない二大テーマは、「学校選び」と合格を手にするための「学力向上」です。

このふたつは、どちらが先、どちらが後というものではなく、常に同時並行で進めていかなければなりません。ある段階で志望校が変われば、求められる学力も変わってきます。逆に、学力が上がれば、別の志望校が浮上してくるかもしれません。ですから両者を切り離すことはできないのです。

◆学校選びは夏以降に本格化

学校選びに欠かせないのが、進学フェアへの参加や、各校が実施する学校説明会・個別相談・体験入学などへの参加です。

これらのイベントがスタートするのは通常5月、6月からですが、本格化するのは夏休み以降となります。夏休みには多くの学校で体験入学なども行われます。
ですから、皆さんが積極的に学校説明会などに参加するのは、夏休みからでも遅くないと思います。もちろん、それ以前にちょうど良い機会があれば参加してみてください。

◆勉強は今すぐ

学校選びの方は3年生になってすぐである必要はありませんが、勉強の方は今すぐです。つまり3年生になる前からです。

この時期にやって欲しいことを3点挙げておきます。
(1)テストの振り返り(やり直し)
(2)今年の入試問題のチェック
(3)3年教科書の予習

2年生各学期の中間・期末考査で出来なかった問題をやり直しておきましょう。1・2年の復習はいずれかの時期に必ずやらなければならないことです。3年生になれば、新しい内容や難しい内容が加わってきますから、そちらに時間をかけなければなりません。ですから今のうちです。

今年の入試問題のチェックについては、本紙やこのサイトの別なページで書いていますので、そちらをご覧ください。
3年教科書の予習というと難しそうですが、パラパラとページをめくる程度でいいです。それだけで気分が盛り上がり、やる気がみなぎってくるかもしれません。

◆授業イコール受験勉強

入試の問題は、2種類の問題で構成されています。基礎基本的問題と応用的問題です。

基礎基本的な問題を解くのに必要な知識や技術は学校の授業の中で身につけられます。それに対し応用的問題は、学校の授業だけでは必ずしも十分とは言えないので、各自の学習(家庭学習など)で補います。
授業への取り組み方を見直すことと、家庭での学習時間を延ばすことがさしあたりの課題となります。

Q2 後悔しない志望校の決め方が知りたいです。どのように情報収集をすれば良いでしょうか。また学校選びのポイントなどありましたら教えてください。

A
「後悔しない〇〇選び」というフレーズ、よく聞きますね。あと、「失敗しない〇〇選び」などもあります。
でも、後悔って避けられませんね。皆さんは身体も心も成長過程にありますから、この先環境が変われば心境も変化するかもしれません。また、いろいろな経験をする中で考え方も変化するでしょう。ですから、そういう意味では絶対に後悔しない選択というのはありません。

ただ、入る前にちゃんと考えておけば最適な結論を得られたはずなのに、それを怠ったために後になってさまざまな事実に気づき、それで後悔するというのはいかにもまずいですね。
ですから、徹底調査です。調べられる限りのことを調べ尽くしましょう。

◆比較すると見えてくる

大事なのはひとつの学校だけでなく複数の学校を調べることです。比較することで見えてくることもあるからです。1枚の絵を見せられて、その特徴を述べてみろと言われても難しいですが、違う絵を3枚4枚と並べられたら、何となくその特徴が見えてきそうですよね。それと同じで、いくつかの学校を比較検討してみると、それぞれの学校の特徴が見えてくるのです。

◆実際に見て初めて分かること

現代はさまざまな情報がネットを通して収集できる大変便利な時代です。が、それに頼り切るのは危険です。

ある人が「いい学校だ」「明るい学校だ」「楽しい学校だ」と、どこかで書いたり言ったりしていたとしましょう。でも、それはあくまでもその人が受けた印象です。あなたとその人は別の人格ですから、あなたが同じ印象を受けるかどうかは分かりません。
百聞は一見に如かずと言いますから、情報を集めるのもいいですが、可能な限り学校を訪ね、自分の目で確かめるようにしましょう。

◆人の話を良く聞く

学校の先生やご家族など、身近にいる大人の意見も情報のひとつです。皆さんのことを一番心配し、皆さんの成功を一番願っている人の話を聞かない手はありません。

これは、言いなりになるというのとは違います。

皆さんは15歳です。3年後は大人とみなされます。自分と異なる意見の人を拒むのは大人の態度とは言えません。人の意見には謙虚に耳を傾け、それを参考にしながら自分の考えをまとめましょう。そういう形であれば、先生やご家族もあなたの決定を尊重し、励まし応援してくれるでしょう。

◆やりたいことが実現できるか

高校選びのもっとも重要なポイントは、あなた自身がやりたいことが実現できる学校かどうかです。そのためには、自分は何がやりたいんだろう、どんな高校生活を望んでいるだろうと、自らに問いかけてみなければなりません。それがはっきりしてくると、自然と自分に合った学校が見えてきます。

回答者:教育ジャーナリスト(元公立高校教諭)梅野弘之

☆よみうり進学メディアではTwitterで記事掲載をお知らせしています☆
Twitter.com@yag_ysmedia
Twitterのフォローをすると、随時記事情報が受け取れます。受験情報をお見逃しなく!
■よみうり進学メディアTwitterはこちらをクリック

関連記事