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東京 入試情報
2019.6.4

2019年度 都立高校入試を振り返ってⅡ

調査書対策と、学力向上を目指して夏を過ごそう

受験生に必要なことは、「悔いの残らない志望校の選定」、「学力の向上のための努力の継続」、「調査書対策」となる。
これから調査書の確定する12月までの間、すべての教科で集中して授業に臨む必要がある。
今から夏休み期間が重要な準備期間だ。部活や学校行事、外部テストや検定など、3年生の夏は忙しい。健康管理に注意して夏を過ごそう。
4年前に、第一次・分割前期募集の改善が実施され、都立高校の選抜に使用される調査書の各教科の評定割合が変わった。実技系4科目の評定が2倍されることに注意が必要だ。

既に入試は開始されている

調査書の評定は、都立受験(全日制)の推薦では無論だが、第一次分割前期)でも、学力検査7に対し、3割の得点換算が行われる。また、実技4科目は、評定が2倍される。
また、私立高校の単願や併願の優遇制度で目安や基準として扱われることも多い。
テストで頑張るのは無論だが、積極的に授業に参加すること、宿題を忘れない、提出期限を守るということなどを心がけてほしい。

評定の仕組みを理解してワンランクアップだ

都教育庁が調査した2019年3月卒業生の2学期の評定調査では、評定「5」が12・1%、「4」は25・0、「3」は48・2%、「2」は11・6%、「1」は3・0%となっていた。評定「3」以上が85・3%となっており、多くの生徒が「3」以上になっていたことになる。
現在の評定は、「観点に基づく評価」とされ、国語は5項目、他の8教科は4項目の観点別評価を基にして評定が決まる仕組みとなっている。
観点は、通知表に提示されるので詳細は省略するが、「興味・関心・態度」、「教科の基本的な力」、「知識・理解・技能」などから構成され、それぞれA・B・Cの3段階で評価される。
観点がすべてAなら評定は「4」以上になる。
観点別評価の結果を評定に換算する仕組みは、各学校で定められている。
つまり、中間・期末テストの結果だけでは評定は決まらないということだ。普段の授業態度や宿題の提出などは、興味・関心・態度となり、テスト結果は、知識・理解・技能として評価される。

推薦・一般とも倍率低下も、厳しい入試が続く

2014年度入試からの推薦入試の「定員の縮小」、「選抜方法の変更」の改善以降、第一次・分割前期(全日制)‐以下一般入試と呼ぶ‐の学力検査の受験者は、増加傾向だった。
しかし、2019年度入試では、前年より1029人減少し4万1690人となった。
一昨年度と比較すると3千人を超える受験生の減少があったことになる。
受験倍率は、1・32倍、実質倍率(注1)も、前年の1・38倍より低下し、1・35倍となった。
また、普通科の分割後期・二次募集は37校で771人と減少している。
倍率が下がったといっても、推薦で約1万4500人、一般で約1万700人が不合格になる厳しい状況は続いている。
こうした変化の原因としては、『私立高校生に対する国と都からの学費助成の充実』や『前年の受験生から大学入試の改革の該当学年になる』という2つの制度変化があると考えられる。
大学付属を含め私立高校への期待が大きくなっていることなどが挙げられる。
しかし、公立高校でも、冷房設備の設置、補習・補講の充実、アクティブラーニングの実践・研究、授業時間の確保など大学入試改革に対応するための努力を続けている。学校ごとの取り組みをいろいろな機会を通じて知ることが益々重要になっているのだ。
公的な助成金の充実によって、学費にとらわれない、自由に学校選択できる時代が来ている。
今春の高校生の進路はまだ発表されていないが、前年春の都内高校生の大学等進学率では、公立・全日制・普通科の卒業生51・1%に対して、私立・同74・9%となっていた。
全体では、現役進学率は、64・7%になる。さらに、いわゆる浪人を加えれば、7割を超える。
大変な高学歴社会になっていることになる。
注1 実受験者と合格者で割った倍率

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