A
皆さんがお住まいの都県によりますが、早いところでは1月上旬か中旬には入試(主に私立入試)が始まります。
約8か月後です。公立入試(都立や県立)を考えてみても9か月後か10か月後には本番を迎えます。そう考えれば、「もう受験勉強した方がいい」というのはその通りだと思います。
◆学校の授業は立派な受験勉強
受験勉強には2通りの意味があります。
ひとつは狭い意味での受験勉強で、たとえば過去問題集や受験問題集などを解くのが、それにあたります。
もうひとつは広い意味での受験勉強で、授業の予習復習や、中間や期末など定期考査前の学習がそれに当たります。
「学校の授業が受験勉強?」
そう思う人もいるかもしれませんが、学校の授業は立派な受験勉強です。
入試問題は教科書の範囲内からの出題ですから、授業をしっかり受け、定期考査前に集中学習を行い、基礎基本を身に付ければ、立派な受験対策となります。
ですから、まず広い意味での受験勉強から始めてください。夏休みまではそれでいいと思います。
◆実際の入試問題に目を通しておくこと(今はできなくても気にしない)
もし授業以外にも何かというなら、今春(令和4年2月~3月)に実施された、実際の入試問題に目を通しておくことをおすすめします。
できない問題があっても、それは今の段階で気にする必要はありません。
想像以上に難しいと感じるか。意外に易しいと感じるか。
人それぞれだと思いますが、「最初にやった方が良いこと」あるいは「ちょっとの第一歩」のひとつに、実際の入試問題に目を通すことを入れてほしいと思います。
A
まず「公立高校に行っても塾に行くことになる」という点ですが、申し訳ありませんが、それを示す確かなデータが手元にないので、何とも言えません。塾の先生がそう言われる以上、何らかのデータに基づいているはずなので、もう少し詳しく聞いてみてください。
私が取材した範囲では、公立私立を問わず、都市部の学校や上位進学校ほど、塾や予備校に通う傾向は高いと感じますが、具体的な割合までは分かりません。
次に、「指導の手あつい私立」という点ですが、面談などの回数、補講などの多彩さなどを見ると、たしかに私立の方が充実しているように感じます。
ただし、公立でも進学指導に非常に力を入れている学校があります。
ですから公立と私立という大雑把な分けかたではなく、面倒でも学校ごとに、どのような目標・方針に基づき、どのような指導をしているかを調べたほうがいいと思います。
それと、学校選びでは、大学受験指導以外の要素にも目を向ける必要があります。
授業・行事・部活・施設設備・通学の便など総合的に比較検討するようにしましょう。
「私立は親に迷惑をかけてしまうかもしれない」という点ですが、これはおそらく授業料などのことを言っているのだと思います。ここでは詳しい説明はできませんが、皆さんのお父さんお母さんの世代が高校生だった時代と現在とでは、国の支援金や都県の補助金により公立と私立との学費の差はかなり縮まっていますので、調べてみてください。
※編集部注:昨年度(2022年度)の就学支援金に関する記事もご一読ください
特別寄稿「私立高合格を確保してから、公立高にチャレンジしよう」
A
ものごとを深く真剣に考えるほど不安の種は尽きません。
一方、あまり深く考えなければ、それほど不安にもなりません。
受かるか落ちるかのどちらかしかない入試に挑む以上、100%不安から解放されるのは難しそうです。
それと、極度な不安は困りますが、安心は油断を招き、それが失敗につながることもあります。
ですから、少しくらい不安があったほうが、かえって良い結果につながると思います。
「落ちたらどうしよう」というのは、考えておくべきかもしれませんが、そういう後ろ向きな考え方をする前に、「受かるためにどうしよう」と考えてください。
まずそちらを考え、その上で「でも、万が一落ちたらどうしよう」と考えるのが順序です。
「落ちたらどうしよう」だけでは、実力向上は望めませんが、「受かるためにどうしよう」と考え、それを実行に移せば実力の向上につながります。
「試験問題絶対難しい」という件ですが、基礎基本問題がほとんどで、これに若干の応用問題が加わるというのが入試問題の構成です。
応用問題はたしかに難しいので、これを克服するには、早い段階から本格的受験勉強を始める必要があるでしょう。
最後に、「高校受験で落ちてしまったらどうなりますか」という点ですが、落ちてどこも行く先がないという事態にはなりませんから、第二志望であれ、滑り止めであれ、皆さん入れた学校で頑張っています。
人の一生は長いのでチャンスは何度でもめぐってきます。
A
各学校の統計調査を見ると、通学時間は「30分から1時間」というのがもっとも多く、次に「30分以内」と「1時間から1時間半」が続きます。
ですから、仮に1時間半以内であれば、極端にかかるというほどでもないと思います。
筆者は元高校教員ですが、高校生になると、体格も体力も驚くほど成長する姿を見てきました。
ですから、「体力が続くかどうか」という点は、あまり心配していません。
続くかどうか心配なのは、むしろ気力(気持ち)の方です。
質問者さんは「あこがれ」という言葉を使っていますが、それがどうしてもその学校に行きたいという強い気持ちなのか、それとも、できれば行きたいという程度なのか、そこが問題です。
どうしてもその学校で勉強したいことがあるとか、どうしてもその学校に入りたい部活があるという強い動機があれば、少しぐらい遠くても続けられると思います。
逆に、どんなに近くても、明確な目標がなければ、途中で嫌になってしまうかもしれません。
遠くの学校に通う場合は、いろいろな面でご家族のバックアップも必要になるかと思います。
でも、あなた自身がどうしても実現したい夢があるということであれば、全面的に応援してくれることでしょう。
3年間、雨の日も風の日も、暑い日も寒い日も通い続けるのですから遠いか近いかというのも大事なことではあります。が、それ以上に大事なのは、あなた自身が高校生活に何を求めているかということだと思います。
A
入試の制度・仕組み・内容は、都道府県ごとに異なります。さらに、私立であれば学校ごとに異なります。
全部統一してくれれば受験生としては分かりやすいのですが、学校にはそれぞれ教育目標や教育方針があり、それに基づいて制度や仕組み、内容などが決まってくるので、違いがあるのはやむを得ません。
◆推薦と一般
推薦と一般は、主に試験内容の違いです。
一般は学力検査のみ、あるいは学力検査中心に合否が判定される試験です。
それに対し、推薦はそれ以外の要素、たとえば調査書の内容や面接・実技などを中心に合否が判定される試験です。
ただし近年は、推薦でも学力検査が課されたり、一般でも調査書が加味されたりなど、その境界線が昔ほど明確ではなくなりました。
ですから、その分、受験生にとって分かりにくくなっていると思います。
◆単願と併願
単願と併願ですが、主として推薦試験で用いられる用語です。
単願はその学校のみ(1校だけ)受験する人を対象とした入試制度であり、その場合、合格すればその学校に必ず入学することが前提となります。
併願は他の学校も(複数)受験する人を対象とした入試制度であり、受験生は合格した学校の中から入学校を選びます。
一般的には単願の方が受かりやすく、併願の方が受かりにくいとされています。
ですから、行きたい学校がはっきりしている場合、その学校に推薦試験があり、かつ単願制度があれば、まずはそれを目標にするのがいいでしょう。
ただし、前述したように、推薦であれ一般であれ、また単願であれ併願であれ、学力検査は避けて通れないと考えたほうがよく、そのための早めの準備が望まれます。
(回答者:教育ジャーナリスト 梅野弘之)
受験に関するあなたの質問や不安をお寄せください!お名前なしで記入できます!
■受験生の疑問に答えるQ&A/記入フォーム
☆よみうり進学メディアではTwitterで記事掲載をお知らせしています☆
Twitter.com@yag_ysmedia
Twitterのフォローをすると、随時記事情報が受け取れます。受験情報をお見逃しなく!
■よみうり進学メディアTwitterはこちらをクリック