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東京 入試情報
2022.5.19

〈2023年度入試〉東京入試情報 「都立高校-令和4年度入試の検証から5年度入試を探る」 -令和5年度

いよいよ計画を立てる時、スタートダッシュだ

連休が明けて、中3生は、いよいよ令和5年度入試に向けて本格的に始動する時節が来た。新型コロナは、いまだに収まらず、感染を避けるため最大限の注意が必要とされる。今年も受験までの道のりは厳しそうだ、
前年4月から、中学校の新しい学習指導要領が施行され、同時に通知表や調査書の観点別評価が変わった。これに伴い、各教科の「学び」にも変化が起こっている。
4年度の都立入試を振り返りながら5年度入試への変化を予測する。

在籍数の約3,400人増に対し都立は29学級1,140人の定員増で対応

令和4年度入試に臨んだ受験生は、3年度より約3,400人増加した(令和3年教育人口等推計)。
このため都立全日制では、29学級分1,140人の募集人員の増が実施された。学校ごとでは竹早、千歳丘、杉並など32校で33学級の増となり、中高一貫校の両国と大泉が高校からの募集を停止している。
また、都立高校改革推進計画の実施として、田柄の普通科・外国文化コースと五日市のことばと情報コースは募集を停止し、普通科として再編された。立川の普通科1学級が創造理数科に再編、大島海洋国際・海洋国際科(国際科)は水産科として再編された。
学級増・学科改編は39学級に及ぶ。
志望校の選択には、前年の倍率や、募集人員の増減が影響することも多いようだ。
令和5年度入試では、公立中学校の卒業予定者が前年より1,300人程度増加する(同人口推計)。このため、都立高校の募集人員は、15〜18学級程度増加すると見られる。
5年度に新たな推進計画の実施はない。ただし中高一貫校の白鷗は高校募集停止となる予定だ。
募集人員は例年、10月中旬に発表される。

男女別定員の緩和措置について

令和4年度入試での大きな改善は、普通科(コース及び単位制を除く)全校で男女別定員の緩和が図られたことだろう。将来的に男女合同選抜になるため移行措置として
①普通科全校で10%を男女合同選抜とする。
②その後、20%とする。
③男女合同定員に移行する。
という方針がだされたものだ。
4年度入試では①が実行され、対象110校で10%の男女合同選抜が実施された。
普通科全体約4割の学校での実施により最大29人の女子合格者が増加すると昨年秋に想定していた。
の実際の結果が、5年度に向けての入試改善協議会の論議になると見られる。そのため5年度入試では②の20%の定員緩和になる可能性がある。

東京都中学校英語スピーキングテストの実施

英語4技能(読む・書く・聞く・話す)を評価して、5年度の入試選抜から活用する予定となっている英語スピーキングテスト(ESAT‐J)は、
・11月27日に外部会場で実施。
・1月中旬に個人・中学校へ返却。A〜Fの6段階で評価。
・各高校では、調査書に記載された評価を0から20点に換算し、入試得点と調査書得点の合計値に加算する。
1,000点満点の合計得点へ最大20点が加算され、この加点は重要だ。ぜひESAT‐Jの受験を予定して欲しい。

出願は郵送だが、インターネット出願の可能性も

新型コロナウィルス感染症へのリスク回避の観点から、全校で願書提出は郵送に。三田、小山台など20校では、インターネット出願が試行された。今後は、この方式が主力になる可能性が高そうだ。

連休が明け、いよいよ受験期に突入

令和5年度入試に臨む際のポイントは、各教科の評定の扱いだ。
前年4月から中学校の新学習指導要領(※注)が施行され、思考力、判断力、表現力を伸ばすため工夫された授業が開始されている。
同時に各教科の評定の基となる観点別評価は、これまでの国語5観点、他は4観点から、全教科「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に変更された。
通知表や調査書も、これを基に改訂されている。すべての観点がA〜Cで評価され、それを基に評定が決まることになる。定期考査の結果はもちろんだが、日々の授業態度や積極的に授業に臨む姿勢、考え、発表する内容、提出物などが大きなウエィトを占める。
受験生には、授業への集中力や緊張感などが求められている。
連休が明け、いよいよ受験を意識する時期となった。コロナ禍で積極的になりにくいことも多いが、早めのスタートでワンランクアップを目指して欲しい。

※注
どの地域でも一定の水準の教育を受けられるようにするために、国が学校教育法等に基づいて定めるもの。

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

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