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埼玉 入試情報
2022.5.20

〈2023年度入試〉埼玉県 「受験生に4つのアドバイス」 勉強方法・勉強内容・情報収集・学習習慣 -令和5年度

入試はあっという間にやって来る 計画的な1年を過ごそう

来春行われる令和5年度入試(2023年度入試)は、新型コロナの本格的な感染拡大が始まってから3回目の入試となります。
この間、長期の学校臨時休業もありましたが、入試自体はほぼ予定通りに実施されました。これは公立高校や私立高校が受験生への影響を最小限に食い止めようと努力した結果でもあります。
コロナの先行きは不透明ではありますが、来たるべき入試も日程、内容共に予定通りに実施されると考えていいでしょう。そのつもりで準備を進めてください。
今号では、受験勉強の方法をはじめ、4つのアドバイスをお送りします。

県立所沢北高校、入試当日の朝の様子

その1【勉強時間】:いくらやっても多すぎることはない

◇普段は2~3時間、休日は5時間を目標に

受験生の皆さんから、よく1日何時間くらい勉強したらいいかと質問されます。
勉強に終わりはありませんから、出来るなら何時間でもやってもらっていいのですが、他の活動もあるでしょう。また、睡眠時間を削ってまでやって、それで健康を害したのでは元も子もありません。
学校のある普段の日は2~3時間、休日は5時間というあたりが一般的な答えとなります。
ただし、夏休み前はまだ部活動の練習や試合もあり、学校行事も立て込んでいるかもしれません。ですから普段2~3時間、休日5時間というのは、後半の目標ということでいいでしょう。最終的にはそれくらいの勉強に耐えられるように、少しずつ勉強時間を増やすことを心がけてください。

◇「質」が大事だが、同じくらい「量」も大切

勉強は「量よりも質が大事」と言われます。
しかし、どんなに質を高めても、それだけでは不十分で、量も大切になってきます。
「量よりも質が大事」というのは、ただダラダラと目的もなくやったのでは力はつかないということを言っているのであって、時間は短いほど良いと言っているわけではないのです。
無駄なく内容の濃い勉強を長時間続けられれば効果は計り知れず、無敵の勉強法となります。
今の勉強法をもう一度見直してみましょう。時間の割には結果が出ていないと思う人は、質を高める工夫をしてみましょう。やり方に問題はないと思っている人は、少しずつ時間を延ばして行きましょう。
繰り返しますが、勉強は「量より質」ではなく「量と質」の両立です。

その2:【勉強方法】教科書は最強の受験勉強ツール

◇入試問題と定期考査の共通点

入試問題は決して特別なものではありません。皆さんが普段受けている中間や期末など定期考査の延長線上にあるものです。
ただし、定期考査と異なり、範囲は中学3年分すべてとなります。入試問題が難しいとしたら原因のひとつはここにあるでしょう。定期考査は直近の1か月間に習ったことの復習問題だとすれば、入試問題は中学3年間全範囲の復習問題です。
問われる内容はどちらも同じですから、学校の授業は最高の受験対策になり、教科書は最強の参考書ともなります。
ただし、入試問題特有の出題形式のようなものがありますから、それは過去問をたくさん解いて、慣れておく必要はあるでしょう。

◇出題の意図を読み取る練習

解けるかどうかは別として、一度公立過去問などを見てください。
おそらく定期考査などより問題文が長いと思います。複数の資料やグラフ、写真などを正確に読み取らないと答えられない問題が多くなっています。
正解に辿り着けなかった人の中に、出題の意図を読み取れなかった人、言い換えれば、何を聞かれているかがつかめなかった人が多いのが入試問題です。
県が発表する公立入試問題分析の中でも、問題の意味を取り違えているための誤答があると指摘されています。
まとまった文章を集中して読めるというのも、これから皆さんが身に付けなければならない力のひとつです。

◇ほんの少しの予習が授業理解を助ける

入試問題は中学3年間の復習問題ですから、受験勉強の中心は復習ということで間違いありません。
ですが、授業の理解をより深めるには、予習が効果を発揮しますから、復習のついでに、ほんの少しだけ予習をすることを勧めます。
授業を先回りする必要はありません。次の授業で扱われるであろう教科書の内容をほんの少しだけ見ておくのです。
おそらく読むだけで理解できる部分もあるでしょう。しかし大部分は読むだけでは理解しづらいでしょう。その部分が授業を受ける際のポイントとなります。

◇中間考査に全力

地域によりますが5月連休明けに中間考査が組まれている学校が多いでしょう。
定期考査で良い点を取ることは調査書点を上げることにもなりますが、一定の期間内で、時間をどのように配分し、いかに効率よく点数を獲得するかの練習になります。全力で取り組んでください。

その3:【情報収集】情報は自ら取りに行くもの

◇受験生に必要な2つの重要情報

受験生が集めるべき情報は大きく2つあります。ひとつは入試情報、もうひとつは学校情報です。
■1:入試情報:入学試験の制度や内容・方法、特徴などに関わる情報であり、これは皆さんの受験勉強の仕方に関係してきます。
■2:学校情報:各高校の特色などに関する情報であり、これは皆さんの学校選び(志望校選定)に関係してきます。
他にも知りたいことはたくさんあると思いますが、主なものはこの2つです。

◇どのように集めたらいいか

まず入試情報ですが、公立入試に関しては、埼玉県教育委員会が必要な情報をもれなく発信しています。各公立中学校を通じて皆さんに伝えられますが、皆さん自身が直接情報源にアクセスすることもできます。
また、県教委の関連機関である県立総合教育センターのサイトも入試情報の宝庫です。過去3年分の入試問題が掲載されており、それぞれの細かな分析も載っています。こちらも必要に応じてアクセスできるようにしておきましょう。
私立入試に関しては、学校ごとに仕組みが異なり、また、県教委や教育センターに相当する機関がありませんから、それぞれの学校のサイト(ホームページ)で確かめるのがもっとも確実な方法です。

◇欠かせない説明会・相談会参加

入試情報については、ある程度ネットによる収集が可能ですが、学校情報に関しては、公私立とも実際にその学校を訪れてみることが必要でしょう。
よく「まだ行きたい学校が決まっていないので行かない」と言う人がいますが、そうではなく「行きたい学校を決めるために行く」のです。いくつかの学校を訪れるうちに、学校のどういう点に着目するべきかが分かってきます。複数の学校を比較する中で、それぞれの学校の特色も分かってきます。
ですから、最初の1校目をできるだけ早い時期に訪問してみることをおすすめします。
ここ2年間は、コロナの影響で、ほぼすべての学校が事前予約制となっています。
学校ホームページ等で予約開始時期をチェックし、機会を逃さないようにしましょう。

その4:【学習習慣】自らの意志で、自ら計画し、実行する力

◇課題・宿題は学習習慣とは言わない

ここでは学習習慣を「家庭での学習」、特に「受験勉強」に限定して話を進めます。
家でやる勉強には、学校から出された課題や宿題もありますが、やるのが当然であり、これらをやったからといって学習習慣が身についたとは言いません。
受験生に求められる学習習慣は、人から命じられたり、与えられたりするのではなく、自分の意志で、自分で立てた計画にしたがって勉強することです。
こうした学習習慣を、どの時点で確立できるか。おそらくそれが合否を左右することになるでしょう。

◇日課表ではなく計画表を作る

皆さんはまず入試までの計画を立てなければなりません。何時から何時まで勉強して何時に寝て何時に起きる。これは日課表です。そうではなく、入試本番まで約10か月間の勉強計画です。
勉強計画を立てるには目標を定めなければなりません。もちろん途中で変わることはあっていいのですが、目標が定まらなければ計画が立てられません。目的地が決まらないと旅行計画が立てられないのと一緒です。
目標は、目標校であってもいいし、「数学を5にする」「偏差値60を超える」というようなものでもいいでしょう。大事なのは前述したように、そこに自分の意志があるかどうかです。
その意志が強ければ強いほど計画も現実的なものになり、毎日机に向かうことがあたり前の習慣になることでしょう。

【参考】2023年度 (令和5年)入試日程

  • 1月22日(日) 私立入試はじまる ※各校の募集人員・日程等は例年9月頃発表予定
  • 2月9日(木)、10日(金)、13日(月)公立 入学願書、調査書、学習の記録等一覧表等の提出期間  ※2月9日は郵送による提出
  • 2月15日(水)、16日(木)公立志願先変更期間
  • 2月22日(水) 公立学力検査
  • 2月24日(金) 公立 実技検査(芸術系学科等)、面接(一部の学校)
  • 3月 3日(金) 公立 入学許可候補者発表
  • 3月 6日(月) 公立 追検査
  • 3月 8日(水) 公立 追検査入学許可候補者発表

※4月27日現在の予定です

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