県立伝統校のひとつ、熊谷女子高校にチアリーディング部を訪ねました。
今年3月、全国大会(※)で1位に輝いた強豪です。
チアリーディングはもともと、フットボールなどの応援から始まったものですが、現在は独立した競技に発展しています。チアリーディングというとアクロバティックな演技を想像する人もいるかもしれませんが、熊谷女子の場合は平面でのダンス表現を中心にした演技スタイルをとっています。とはいえその動きは激しく、なぜこの部活が文化部に分類されているのかと疑問に思うほどです。ちなみに同校には運動部としてダンス部もあります。
取材当日、近くの小学校体育館で練習しているというので佐藤智明校長の案内で向かいました。
県内高校で唯一、ホームページトップメニューに「地域交流」を置く学校だけあって、小・中学校をはじめ地域の皆さんが協力、応援を惜しまないようです。
途中、太平洋戦争における最後の空襲(昭和20年8月15日未明)で焼け残った北門(当時の正門)や、奇跡的に生き残った鈴懸(すずかけ)の木などについても教えてもらいました。
練習は予想した通り、緊張感のあるものでした。強豪運動部特有の「引き締まった雰囲気」です。
ただ、ひとつ違ったのは、指導する顧問の先生がいないことです。月に3~4回、外部の専門家の指導を受けますが、それ以外は常に生徒だけの練習です。
正確には2人の顧問が付き、この日も待機していましたが、「練習内容はすべて生徒が考え、私たちは口を挟みません。生徒の安全管理が主な仕事です」と、生徒の自主性や創造性に絶大な信頼を寄せている様子でした。
この日の練習は、動きをタブレットで動画撮影し、それを全員でチェックした後、それぞれが修正すべき点や改善すべき点について意見を述べ合うという形で進んでいました。発言は自由にできる雰囲気でした。
部員1人ひとりが自分の取るべき行動を理解しているのでしょう。一連の行動の中にまったく無駄がありません。
生徒中心でこれだけの活動ができ、成果を出せる点に、熊女生の賢明さと力強さを感じました。
※全国大会正式名
「USA School&College Nationals 2023 Song/Pom部門small」
(よみうり進学メディア編集部)
☆よみうり進学メディアではTwitterで記事更新をお知らせしています☆
Twitterのフォローをすると、随時掲載情報が受け取れます。受験情報をお見逃しなく!
■よみうり進学メディアTwitterはこちらをクリック
Twitter.com@yag_ysmedia