埼玉栄高校で2年「生物」の授業を見学しました。
担当は宇野翔吾先生です。他校での経験もありますがこの学校では11年目となります。大学ではウイルス学を専攻しました。中学生のころから先生になりたいという希望があったそうです。
教室に一歩入った瞬間、非常に明るい感じを受けました
。廊下側も広いガラス窓になっているという構造的な理由もありますが、先生と生徒が作り出している和気あいあいの雰囲気がそう感じさせるのでしょう。
と言って厳しさがないわけではありません。普通科アルファコースという同校最上位クラスであり、医学部志望者も5~6人含まれていますから、内容的には非常に高度です。
ただ、先生と生徒とのコミュニケーションがよくとれていて、生徒も自由に発言できるので、それが明るさにつながっているのでしょう。
中学生の皆さんの中には、物理や化学に比べて生物は覚えることが多い、あるいは覚えれば何とかなると思っている人がいるかもしれません。たしかに覚えるべき用語が多いのは事実です。
しかし、宇野先生は「今の大学入試は考えたり推測したりする力がないと対応できない」と強調します。「知らないと問題文すら理解できないので、そのために用語を覚えるのだ」とも。
また、宇野先生が覚えることより考えることを重視しているのは、生物学の学問的特質とも関係しています。生物学ではそれまでの常識や定説が一気にくつがえされることも少なくないので、覚えた知識がまったく役に立たなくなることもあるそうです。
この日の授業はいわゆる講義型でしたが、先生と生徒とのやり取りが非常に活発で、一方的な授業ではありませんでした。時にグループ学習も行いますが、この時期は進度優先ということでした。
授業終了後、宇野先生にお話を伺いましたが、印象に残ったのは「生物ができる生徒には国語ができる生徒が多い」という言葉でした。かつての大学入試は「記憶の勝負」という面もありましたが、今は「読解力の勝負」となってきているからです。これは高校入試を控えた中学生の皆さんにも重要なアドバイスになっています。
(よみうり進学メディア編集部)
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