開智未来高校で世界史探究の授業を見学しました。担当は教員6年目の若手、野中俊希先生です。
広報担当の先生の案内で教室に向かっていると、遠くから大きな声が響いてきました。
野中先生の声は遠くまでよくとおり、それだけで居場所が分かるのだそうです。
今日の単元は「清代の中国」でした。中学校で習う「日清戦争」の「清」です。偉大な皇帝が多く出た王朝ですが、その中の乾隆帝という人物を取り上げていました。
まず目を奪われたのは生徒たちの机上にある小冊子です。これは開智未来オリジナルのテキストです。内容は非常に細かく、それでいてカラフルで見やすい編集になっています。
野中先生は同校の卒業生ですが、在学中その授業から大きな影響を受けたという恩師・工藤先生から引き継ぎ、さらに改良を加えました。
説明会などに行けば実物が見られるかもしれませんが、中学生の皆さんは分量の多さと、その詳しさに圧倒されてしまうかもしれません。でも、そんな高度なテキストを生徒たちはいとも簡単に使いこなしていました。
世界史や日本史は用語や人物など覚えることが多くて大変という印象を持っている人も多いでしょう。たしかにそういう面があります。高校の歴史は中学の歴史と比べて10倍くらい覚えることがあるかもしれません。
しかし、野中先生の授業では「覚えなさい」はありません。あるのは「考えなさい」だけです。
この日の授業は先生の講義的な部分もありましたがグループ学習が中心でした。先生は「なぜだと思う」「どうなったと思う」と生徒たちに問いかけます。
生徒たちはその都度、テキストをさかのぼったり、iPadで調べたりしながら答えに迫ろうとします。もちろんグループの仲間と意見交換します。どうやら、この考える時間の多さが記憶を確かにしているようです。覚えられないと嘆いている受験生にはぜひ参考にしてほしい方法です。
野中先生は、「教員になりたての頃、大学受験に強い生徒を作ることが使命」と考えていたそうです。しかし今は「ものごとの本質を見抜く力を身につけることが学びの目的」と考えるようになりました。結果、進学実績はさらに伸びたそうです。
(よみうり進学メディア編集部)
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