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神奈川県立川崎北高校(川崎市宮前区) オンライン対応「やれることから」を積み上げて

特集 コロナ時代の高校

3月の臨時休業以降、各校は「学びの機会を止めない」ため様々な取り組みを実施した。休校期間中の取り組みと学校再開以降の展望を伺った。

授業動画の作り方を説明する柴田先生

オンライン対応「やれることから」を積み上げて
神奈川県立川崎北高校(川崎市)

臨時休業期間中に県立高校でいち早くオンライン授業に対応した川崎北高校の取り組みが話題となっている。読売新聞をはじめ、テレビ局や地元紙などにも取り上げられた。

話題となったのはオンライン授業に学校をあげて果敢に取り組んだ結果だが、そのけん引役が今年4月に着任した柴田功校長だ。柴田先生は昨年までは県教育委員会ICT推進担当課長として県内公立高校のICT環境整備を進めてきた。

臨時休業期間が続く中、着任して直ぐに、自身が講師となり先生方へICT活用講習会を実施。また在宅勤務中に自宅で撮ったオンライン授業のコツなども配信。「短時間で、編集しない」という動画作成方法で、授業動画作成のハードルを大幅に下げるコツを紹介している。動画はすぐに話題となり、全国の先生など多くの人に視聴された。
(柴田先生のYoutubeチャンネルはこちら

オンライン授業は大まかに、双方向のライブ型と教材を視聴するオンデマンド型に分けられる。双方向のライブ型に注目が偏りがちだが、柴田先生がまず取り組んだのは、短時間の授業動画の作成、つまり、オンデマンド型動画教材の作成だ。オンデマンド型授業から始め、ライブ型はホームルームなどから始め、徐々に拡大していったという。

生徒の視聴環境にも差があったが、スマートフォンでもできる課題を配信するなど「とりあえず、やれることから」を「レンガ」のように積み重ね、進めていったそうだ。

学校は再開されたが、柴田先生は「オンライン授業の取組は登校が始まったからといって終わるわけではなく、課題のやりとりやアンケート、クラウドストレージへの学習成果の蓄積、ポートフォリオの作成などに様々に活用していきたいと思います」と今後の展望を語ってくれた。

最後に中学生に向けて「もう終わってしまった事に、ああすれば、こうすれば、と思っていても仕方がありません。問題はこれからどうするかということを考えて行動してください。入試問題、勉強をがんばることも大事ですが、なにか一つのことを深く学んでいける生徒もとても魅力的です。いろんなことに疑問をもって、探究してください」とメッセージを贈ってくれた。

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